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【J'sGOAL×EL GOLAZO 共同企画】2016年東京オリンピック、そして日本サッカーの未来 Vol.1(09.04.24)

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小倉純二氏。(財)日本サッカー協会副会長/国際サッカー連盟(FIFA)理事。1938年8月14日生まれ。東京都出身。

J's GOALとEL GOLAZOでは、2016年の東京オリンピック招致とその先の日本のサッカーの未来について、共同企画を実施し、色々な角度から迫ります。第1回目は、日本サッカー協会の小倉純二副会長にインタビューを実施。今後は、同じお題に対して、それぞれのライターが書いていくスタイルを実施していく予定です!

スペシャルインタビュー:「2016年、東京オリンピック実現でもう一度日本にワールドカップを招致」

小倉純二氏(日本サッカー協会副会長)



東京が2016年夏季オリンピック開催地として名乗りを挙げている。先日、その現地調査のため国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会のメンバーが来日、東京招致委員会から開催計画について詳細な説明を受けたほか、各競技会場を視察した。またサッカー競技とマラソンのスタート地点として使用されることが予定されている国立競技場では、今回ご登場いただいた小倉純二氏がプレゼンテーションスピーチを行った。小倉氏に東京オリンピック招致への思い、そして2018年または2022年に日本サッカー協会(以下JFA)が目指すワールドカップ単独開催へ向けての意気込みを聞いた。


■日本の未来を信じたい。スポーツが国民を明るくする

Q:まず日本サッカー協会(以下JFA)が積極的にオリンピック招致活動をされている理由をお聞かせください。

「大きく分けて2つあります。まず、スタジアムの問題です。JFAでは2018年または2022年のワールドカップ招致を目指していますが、2002年大会で使用したスタジアムでは、その多くが18年、22年の大会開催時には20年も前のものになってしまう。どのスタジアムも当時は世界的にもレベルの高いものだったのですが、06年ドイツ大会で使用したスタジアムや現在、南アフリカで建設中のスタジアムは、さらに最新の技術が施されています。日本も新しいスタジアムを増やしていかなければ、ワールドカップのホストカントリーにふさわしい国といえなくなってしまいます。

2016年に東京オリンピックが開催されることになれば、新しいスタジアムも建設されますし、国立霞ヶ丘競技場が4万人規模のサッカー専用スタジアムに改修される計画もありますから、ワールドカップ招致を目指す私たちにとっては素晴らしいセールスポイントになります。ワールドカップ招致に関しては常にFIFAに対してアピールしていないと、絶対に呼べません。いつでも開催できる能力、体制があるということを発信し続けることが重要なのです。

東京オリンピックが実現すれば、スポーツに対する国民の関心を呼び、全国的な盛り上がりを醸成することになります。日本中にあらためてスポーツのもたらす感動や素晴らしさが伝わります。その流れをワールドカップにもつなげたいと期待しています。

100年に一度の不況と言われている現在、我々スポーツ界が国民を元気にしたい。暗いニュースが続いているときに『大変だからスポーツどころじゃありません』と言ってしまったら、日本の未来を信じていないことになってしまいます。日本は、国際的なイベントに対してホストする力があるんだということを見せていかなければいけません。

1964年の東京オリンピックの際に、東京の街がどんどん変わっていく様を私は目の当たりにしています。アベベが走っている姿は今も鮮明に覚えています。オリンピックが持つパワーというのは非常に大きく、そういった感覚を日本の次の世代にも感じてもらえるよう、JFAとしても頑張っています」

Q:現在IOC委員の方も来日中です(取材日4月16日)。他の立候補地との勝算はいかがでしょう?

「東京の提唱するコンセプトは悪くないと思っています。我々は、前回の64年大会からのレガシー(遺産)を最大限に活用した、コンパクトで環境にもやさしいオリンピックを目指しています。明日(4月17日)、IOC委員の方が国立競技場に視察に来た際に、私もプレゼンテーションスピーチの時間が与えられているのですが、この"オリンピックのレガシー"という話をしようと思っています。

『我々は、1964年大会のために1958年に建てたこの国立競技場を丁寧にメンテナンスし50年間使用してきました。もしもう一度ここでオリンピックができるなら、また次の50年先の世代に"オリンピックのレガシー"を受け渡せる。だから私はここでオリンピックをやりたいのです』と話します。

最後は、100人のIOC委員がどう評価し投票していただけるかですが、10月2日のIOC総会まで最大限の努力をしていくつもりです。

是非、このインタビューを通じてサッカーファンの方をはじめ、日本の皆さんにお願いしたいのは、支持率調査の件です。現在日本は、他の立候補地に比べて施設面や運営面で高い評価をいただいているのですが、国民の支持率だけは引き離されています。この調査は、IOCに委託された調査会社が電話や路上で聞き取り調査を行うのですが、振り込め詐欺などが取りざたされる現在、アンケート調査の電話がかかってきて『オリンピックの……』と言われても、『関係ありません』とすぐに電話を切ってしまう人が多いのではないかと危惧しています。

というのも、回答しない人は、"不支持"にカウントされてしまうのです。10月の開催地決定に向けて、6月〜7月に最後の調査が行われるそうですので、サッカーファンの皆さんにも、東京オリンピックを支持していただきたい。2018年または2022年のワールドカップ招致にとっても、非常に強い追い風となりますから」


■ワールドカップ招致へ向けて 「2016年・東京」は譲れない

Q:ワールドカップの話が出ましたが、今回のオリンピック招致には2002年ワールドカップの経験はどのような形で生かされているのでしょうか?

「あの大会が終わった後、ジョセフ・ブラッターFIFA会長に、『我々は今後この大会を"World Cup of smiles"と呼ぼう』とおっしゃっていただきました。我々日本人にしてみると当たり前のことでも、海外の方には日本中の歓迎ぶりが非常にホスピタリティーにあふれた行動に見えたそうです。当時、日本で合宿を行った各国のサッカー協会や政府は、今もその地域住民との交流が続いています。カメルーンと大分県の中津江村(現:大分県日田市)の関係はその典型ですよね。今回の東京オリンピック招致でも直前合宿候補地に立候補されている自治体は非常に多く、選定は難航を極めるでしょう。東京だけでなく、国際的なイベントが地域にもたらす好影響は大きいと考えています」

Q:東京オリンピック招致に関して、"オリンピックのレガシー"というコンセプトが、そして2002年ワールドカップについての"World Cup of smiles"という評価が出ましたが、次回のワールドカップ開催においてはどんなことをコンセプトに世界にアピールしますか?

「世界情勢が非常に不安定な現在、唯一の被爆国として、平和の重要性、世界が一つにつながることの素晴らしさを世界に向けて発信していけるような大会をプロポーザル(提案)したいと思っています。前回は開催地にすることができなかったのですが、私案としては広島で試合を行いたい。世界の平和を祈る、そのシンボルとして日本でのワールドカップ開催にしたいと思っています」

Q:ワールドカップ招致におけるライバルはどういった国になるのでしょうか?

「2018年については、ヨーロッパ開催が有力だと言われています。2010年に南アフリカ、2014年にブラジルと南半球開催が続くので、次は北半球という流れがあるのは事実です。また、マーケティング的な観点からも、2018年はヨーロッパでの開催が望まれています。

具体的な候補としては、イングランド、ロシア、スペイン・ポルトガル(共催)、オランダ・ベルギー(共催)になるでしょうか。とくに1964年以来の開催を目指すイングランドは前回大会から期間も開いており、本命視されています。また、新装されたウェンブリースタジアムは魅力的で、『この素晴らしいスタジアムでワールドカップ決勝が見たい』というFIFA理事も少なくありません。

しかしヨーロッパ地区での候補が絞り込まれていませんので、票が割れた結果、アメリカやメキシコ、そして日本へ開催権が転がり込む可能性も残っています。先ほども申し上げたとおり、可能性がある限り我々は手を挙げ続けていきます」

Q:そのためにも、まずは2016年の東京オリンピック開催が重要ということですね。

「はい。2002年のワールドカップ開催によって、新潟も大分もサッカーを取り巻く世界が激変しました。もう一度、今度は単独でワールドカップを日本で開催したいとサッカー関係者は強く願っています。そのために、まず東京オリンピック招致を成功させ、その機運を高めたいと考えています。サッカーファンの皆さんのご支援をお願いします」





★サッカー専門新聞『EL GOLAZO』
2004年10月創刊。月・水・金(一部地域のぞく)発売。
J1、J2全試合を詳報する日本初のサッカー専門新聞として
サポーターに愛されている。
http://www.golazo.jp
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