4月22日（水）AFCチャンピオンズリーグ 鹿島 vs SAF（19:00KICK OFF/カシマ）
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ACLのグループリーグも４戦目。３強１弱となっているグループGは、現在、３チームが勝点６で並び、１弱のシンガポール・アームド・フォーシズFC（以下、SAF）から確実に勝点３を奪うことがグループリーグ突破に向けて必須の条件だ。また、ACLとJリーグを合わせた７連戦に突入している鹿島アントラーズは、連戦の２戦目。前の横浜FMとの試合内容が芳しくなかったこともあり、オリヴェイラ監督は大幅なメンバーを変更を決意した。

採用したのは、マルキーニョス、大迫勇也、興梠慎三といった鹿島自慢のFW陣を同時起用する３トップ。なんとも楽しみな布陣となった。ただ、前日の公式練習では、SAFを想定した４−５−１のフォーメーションに配されたサブ組を崩すことができなかった。３トップが連動して動けていないことに加え、中盤の枚数が相手より少ないためどのタイミングで引いて攻撃の組み立てに参加するのか、コンビネーションを確立するまでには至らなかった。
ただ、練習後に行われた公式会見で、オリヴェイラ監督は練習で２０分合わせただけなので、心配はしていないと述べた。
「２０分の勝負ではなく９０分の勝負なので、状況が全く違う。９０分になれば違う形になると思うし、能力の高い選手が揃っていますので機能すると確信しております」

今季の鹿島は、Jリーグの３連覇とACLの初制覇を同時に狙う。必然的に日程は過密となり、疲労とどう戦っていくのか注目される中、オリヴェイラ監督はあまりメンバー変更をせずにここまで戦ってきた。選手を入れ替えて戦う”ターンオーバー制”を採用すれば疲労から開放されることは、誰の目にも明らかだったが、敢えて監督は一線を引いていた。なぜ、そうしていたのかが、今日の公式会見で垣間見えた。
「『僕は試合に出たいんだ』、『出る力を持っているんだ』ということを示したときは同時に、先発で出ている選手、途中出場の選手にも『気がゆるんでいれば交代される』、『入れ替わりがある』という危機感を持って取り組む姿勢が生まれ、相乗効果があると思います」
以上は公式会見での監督のコメントだが、逆に言えばそうした心意気が示されなかったときは、例え連戦で疲れているからといって、無条件で選手を入れ替えることがないことを意味する。試合に出場していない選手が、試合に出る気持ちを練習から発揮させない限り、ポジションは与えられない。それは、昨季の優勝チームのレギュラーである興梠だろうが、新井場徹だろうと同じ。ましてや、ベンチ入りを狙う若手選手であれば、それ以上のものが求められている。

だが、ここでメンバーの入れ替えがあったということは、高い水準に達したメンバーが増えてきたことを表す。
「７連戦の特に６、７試合目で全員がいい状態をつくらなければなりません」
監督が言う６戦目は、グループリーグで最大のライバルと目される水原三星との試合だ。この試合には、グループリーグの1位通過がかかっている。最高の状態でこの日を迎えたい。そのために必要な層の厚さが少しずつ増してきたということだ。

じつは、相手のSAFも連戦の真っ直中。先週末はSリーグの大事な試合を戦い、勝利はしたものの、前回対戦したときに鹿島を苦しめた８番のチャイマンが足首を負傷。ボク監督は「ベンチスタートだと思います」と話した。ただ、前回の試合では先発できなかった新井健二がDFラインに復帰した。ボランチの深澤仁博とともに、対Jリーグチームということでモチベーションは高い。

そうした相手に対し、会見に出席した野沢拓也は「目標は勝点３を取ることなので、全力を尽くしたいと思います」と述べた。
トップ下の位置で、３人のFWを操ることに関しては「今日は、ほんとうに合わせるだけだったので、みんな合わせる感じでやっていました。明日は違うサッカーが見せられるのではないかと思います。みなさんも楽しみにしていて下さい」と心強いコメントを残してくれた。
３トップの競演を楽しみにしたい。

以上

2009.04.21 Reported by 田中滋