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【J1:第6節 磐田 vs 清水】レポート:磐田に救世主登場! 新たな日韓2トップが、静岡ダービーの完勝とチームの公式戦初勝利をもたらす。(09.04.19)

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4月19日(日) 2009 J1リーグ戦 第6節
磐田 3 - 0 清水 (13:03/エコパ/22,152人)
得点者:55' イグノ(磐田)、73' イグノ(磐田)、80' 前田遼一(磐田)
スカパー!再放送 Ch183 4/20(月)05:00〜(解説:名波浩,澤登正朗、実況:八塚浩、プレーヤー解説:福西崇史,齊藤俊秀)
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 その男の力は本物だった。現役韓国代表のレギュラー選手、イ・グノ。今シーズンは所属チームなしのスタートとなったため、試合勘や体力面で不安視する声もあったが、技術やフィジカルだけでなく、精神面でも素晴らしい集中力と落ち着きを発揮し、チームを完全に勢いづけた。

 素晴らしい好天に恵まれ、サポーターには最高の観戦日和だったが、13時からのキックオフということもあり、ピッチ上の選手には厳しい暑さとなった静岡ダービー。それでも序盤から両チームの選手たちは、ピッチ上のあらゆる場所で激しく競り合い、相手に自由を与えない。リスクを避ける意識もあって、まずはお互いに守備優位の展開となり、攻撃はロングボールや単発の速攻が多くなった。
 そんな中で徐々にアウェイの清水のほうがボール支配率を高め、磐田はジリジリと守備のラインが下がっていく。ただ、一見清水が主導権を握っているように見えても、不必要なミスが多く、最終ラインを切り崩す形にもあまり変化や迫力がなく、磐田の守備陣を慌てさせることはできない。それでも、12分と32分にCKからDF岩下敬輔が惜しいヘディングを放つなど、セットプレーでも清水が優位に立ったが、前半は清水のシュートが5本、磐田が2本と渋い展開のまま進んでいった。

 だが、後半に入ると、磐田の修正が徐々に効果を発揮し始める。「後半に入ってからは、前から(プレスに)行けるようになったし、ラインコントロールもまずまずできていた」と柳下監督が振り返ったように、立ち上がりから磐田の選手たちは前への圧力を高め、主導権を奪い返しに出る。そして開始2分には太田のスルーパスからイ・グノが初シュート。前半はなかなかボールに絡めなかった初出場のイも、45分を戦って徐々にエンジンがかかり、後方からのサポートが厚くなって、前田遼一とのコンビネーションも機能し始めていた。
 7分には、ケガから復帰した西紀寛が惜しいボレーシュートを放ち、そのこぼれ球から前田が惜しい場面を迎えたが、ここは清水の守備陣が身体を張ってピンチを防ぐ。流れをつかみ始めた磐田も、ゴールを奪うことは簡単ではないように見えた。
 こうした展開になってくると、セットプレーやミスによって試合が動くというパターンが多いが、この試合では清水のほうに大きなミスが出た。後半10分、磐田のボランチ・山本康裕の右アーリークロスに対してGK西部洋平が飛び出すが、前田にうまくブロックされてボールを触れず、そのまま前田が振り向きざまに送った左クロスからニアサイドに飛びこんだイがボレーシュート。これがきれいにゴール左隅に決まって、イは初出場でいきなり初ゴール。初めて巡ってきたビッグチャンスで、難しい体勢から正確なシュートを放った集中力は、まさにストライカーと呼ぶにふさわしいものだった。

 試合内容を冷静に考えれば、「まだ時間があったので、1点取れればまたこちらのペースになると思っていた」という清水のキャプテン・兵働昭弘の考え方は正しかっただろう。だが、チームとしては、落ち着いて仕切り直すことができず、逆に慌ててバタバタとしてしまう場面が目立ってくる。一方、先制点で大いに勇気づけられた磐田のほうは、パス回しが滑らかになり、先制後も守りに入ることなく主導権を握り続けた。
 そして28分には、GK川口能活のロングキックを前田が頭で裏に流し、タイミング良く飛び出したイが、スピードで青山直晃をぶち抜いて冷静に2点目をゲット。ここでも2トップの関係によって一瞬のスキをゴールに結びつけた。
 この後、清水は、足がつったDF青山に代えて移籍後初出場となる永井雄一郎を30分に投入。ヨンセン、岡崎慎司、原一樹(後半16分〜)、永井とFW登録の選手を前線に4人配置して反撃に出る。だが、試合の流れは変わることなく、35分に前田が切れの良いドリブルから精度の高い左足シュートを決めて、磐田が3点目。これで完全に試合が決まった。

 静岡ダービーで3点差がついたのは、99年4月(5-2で磐田が勝利)以来のことだが、点差以上に清水が悔しかったのは、1点も返せなかったことだろう。終盤の攻撃的布陣も、4人が前線に張りつきすぎて中盤との距離が開いてしまい、中盤を作れず、セカンドボールも拾えず、ミスからカウンターを食らう場面のほうが目立ってしまった。「終盤の猛攻」や「怒濤の反撃」といった言葉で表現できるような時間をほとんど作れなかったことは、逆転勝ちの少ないチームにとっては大きな課題となるだろう。
 逆に完勝の磐田にとっては、これまでのモヤモヤを完全に吹き飛ばすような今季初勝利。新加入のイが鮮烈な2ゴールを決め、エースの前田も1ゴール2アシスト。これまで自信なさげな試合運びが目立っていた磐田だが、イの勝負強さと落ち着きに引っ張られるように、終盤にはゆとりを持って試合をコントロールする余裕が出てきたことも印象深い。新戦力イ・グノは、この試合の結果だけでなく、チームの空気を一変させる最高の特効薬となった。

以上
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