前節の熊本戦で原竜太選手が今季初ゴールを決めました。89分、ショートカウンターから相手DFの裏に抜け出し、アジエル選手のスルーパスを引き出します。十分な角度が用意されていたわけではありませんでしたが、ファーを狙ったグラウンダーのシュートはGKをかすめ、ポストを弾きながら、吸い込まれるようにゴールに転がりました。交代わずか3分後の出来事でした。
「時間が短くても自分らしいプレーをしたかった。裏にスペースがあるので狙っていけと監督から言われていたし、ボールを奪ったあとにシュートチャンスがあるなとベンチで見ながら思っていました。アジエルがボールを持った時点でシュートを打つまでのイメージもできていた。ゴロで入るか入らないかという、それもまた僕らしいゴールだったかなと思います」
アウェイで掴んだ勝点3はもちろん、原選手のゴールにチームメイトも盛り上がった様子でした。たとえば臼井幸平選手は、試合を振り返ったあとに、「いやァ、なにより今日は竜が決めてくれてうれしかったですよ」と、自分のことそっちのけで笑顔を見せたものです。
勝利を決定付けたダメ押し弾に、指揮官も相好を崩しました。
「いい段階で理想的に点が取れました。J2はサブの人数が少ないのでベンチメンバーの選択が難しいところなんですが、入れなくても原は腐らずにやってきた。その成果があの1点には集約されているんじゃないかなと。とくに、ポストに当たってゴールに吸い込まれたのは、アイツの執念だと思いますね」
その原選手にとって、今季はプロ10年目という節目の年です。思えばシーズン前から、また開幕してからも期する思いを口にしていました。
「試合に出られない時期をどう過ごすかが、つぎに出場したときのプレーに表れますから、チャンスが来たらいつでもいけるように体をしっかりケアしてコンディションを整えています。京都でも山形のときにも経験しているし、それができていなかったら10年目を迎えられていないと思う。ぼくはサブのフィールドプレイヤーのなかではいちばん年上でもあるので、若い選手を盛り上げたり、自分にできることを意識してやっています。出られない時期を経て、出たときに結果を残せば達成感はより大きいし、家族もいつも以上にうれしいんじゃないかなと思いますしね」
家族といえば、愛娘は最近、サッカーを観るとなんでも「パパ、パパ」と言うそうです。
「自分が出て、『これがパパだ』ってわかるようにしっかりやらないとね」苦笑交じりにそう話していた“パパ”は、短い時間のなかに思いの丈をぎゅっと詰め込み、結果を出してみせました。「原竜太〜ゲットゴール!」――スタジアムには、平日開催にもかかわらず遠く熊本まで駆けつけた湘南サポーターの歓喜のコールが響いていました。
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2009.04.17 Reported by 隈元大吾
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