本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第8節 横浜FC vs 甲府】レポート:手をすり抜ける勝点3。手札の完成度に勝る甲府の壁を越えられず、横浜FCは開幕8戦勝利なし (09.04.16)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
4月15日(水) 2009 J2リーグ戦 第8節
横浜FC 1 - 3 甲府 (19:03/ニッパ球/3,572人)
得点者:3' 鄭容臺(横浜FC)、30' 金信泳(甲府)、75' マラニョン(甲府)、89' 杉山新(甲府)
スカパー!再放送 Ch181 4/16(木)16:30〜(解説:前田秀樹、実況:中村義昭、リポーター:湯本久美)
顔写真クイズ勝敗予想ゲーム
----------

「サッカーの試合で勝つためには何が必要か」という、漠然とした問いを改めて発してしまいそうな横浜FCの状況。悪い内容ではないが、勝てないことによる悪循環に陥りそうになっている。開幕から7試合勝ちがない状況で迎えた甲府戦は、サッカーの質や選手の質という面ではなく、「チームとしての手札の完成度」の差を見せつけられる形で逆転負けを喫し、先の問いへの明確な答えを見つけることができなかった。

 立ち上がりからゲームを支配したのは横浜FCだった。ロングボールに対して受けに回っていた前節と違い、バランスの良いプレスを掛け、効果的にボールを奪っていく。そして、3分、三浦知良のクロスから、池元友樹が落としたボールを鄭容臺がミドルシュートで決める。横浜FCにとっては、元気づけられる鮮やかな先制劇だった。その後も、横浜FCが繋ぐサッカーを効果的に展開していく。
 甲府は、バランスのよい横浜FCの守備に形が作れない状況が続くが、一方でDFラインから両ウイング、特にマラニョンにボールを出す攻撃で揺さぶりを掛ける。この揺さぶりがボディーブローのように効いてきた25分にマラニョンが決定的なシュートを放つ頃から、甲府が押し込みはじめる。そして、30分、横浜FCの組み立てのミスから山本英臣がボールを奪うと、マラニョンがスピードを持って抜け出し、金信泳がマラニョンからのクロスに合わせて同点に追いつく。その後も、迫力のあるトップに対するロングボールを中心とした甲府がペースを握る。鮮やかな立ち上がりを見せた横浜FCと、ロングボールに活路を見出した甲府。お互いの特徴を出して1点ずつを取り合った前半となった。

 ハーフタイムに横浜FCは「ラインを下げ過ぎないこと」という指示を受けるが、甲府のロングボールにラインを下げさせられていく。主導権を取り戻すべく、51分に三浦淳宏を投入すると、これが合図となって両チームのゴールへの動きが活性化する。横浜FCは、三浦淳と三浦知がアクセントとなってつなぎのパスが出れば、甲府も藤田健が広く動きパスをさばく。その結果、お互いのトップにボールが入るようになり、アップダウンの激しい展開となる。横浜FCは66分に難波宏明を投入。その難波の最初のプレーで早川知伸のクロスからビッグチャンスを得るが決められず、逆に75分に藤田のアーリークロスをマラニョンが点で合わせて甲府が逆転に成功。その後、横浜FCはボランチの枚数を減らし、パワープレー気味に点を取りに出るが、89分、甲府がカウンターで数的同数になったところで杉山新が押し込み追加点を挙げる。両チームともチャンスを作り続けたが、決定力の差と甲府のしたたかさが目立つ形となった。

 この試合から垣間見える、横浜FCと甲府を分けた差は何だろうか。早川は「甲府はしっかり守って戦って、自信を持って勝つという勝利の方程式を持っている。そこに差がある」と本質的な課題を指摘している。「勝利の方程式」は「ゲームを勝つための手札」の差と言い換えることもできるかもしれない。甲府は、豊富な運動量をベースとしてショートパスを繋ぐスタイルを熟成させた。そして、昨年苦しみながらもマラニョンを中心に、ロングボールを織り交ぜてリスクを低減させながら勝利に近づく戦い方も手に入れた。時間をかけて積み重ねた結果、この2つのスタイルを織り交ぜて状況に応じた勝つためのシナリオを作る事ができる。一方で、横浜FCは、樋口靖洋監督のスタイルを90分を通して表現できるように構築中の状態で、まだ試合を決める手札にはなっていない。

 ポーカーに例えれば、甲府はストレートフラッシュもフォーカードも狙うことができるし、最低でもフルハウスは揃えられる経験を持っている。一方で、横浜FCはフォーカードを狙い、ツーペアまで作れるが、スリーカード以上の役には勝てない状況。どの程度の手札が揃えば勝てるかの自信がないので、手札を発展させることもままならない。ただし、三浦知も「いいところも出て、やろうとしていることができた部分もある。1-1になってからもこっちの時間帯を作れた」と述べるように、サッカーの内容の問題ではない。勝利することで自信を深め、手札を増やしていくしかない。「次こそシュート1本での1-0でも良いから勝ちたい」(田中輝和)と、まずはどのような形でも良いから役を完成させ、1勝することが必要だ。

 試合はどちらに転んでも不思議ではない内容だっただけに、両チームの完成度の差が目立つ試合となった。次の対戦までに横浜FCが立て直し、より白熱した試合となることを期待したい。

以上

2009.04.16 Reported by 松尾真一郎
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/05(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田J2リーグ全ゴールまとめ【0803-0804】