4月15日(水)J2 第8節 岐阜 vs 仙台(19:00KICK OFF/岐阜)
スカパー!生中継 Ch182 18:50〜(解説:森山泰行、実況:加藤義久、リポーター:高木恵子)
☆勝敗予想ゲーム☆J2は第1ターン最終節!
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前節の水戸戦。あの劇的ドローを価値あるものにするには、すべてはこの試合にかかっている。
なぜそういうことを言うのか。それは第4節の草津戦に染矢一樹のゴールで劇的勝利を収めたが、次節の徳島戦で流れを掴みながらも、ミスから失点し敗戦。続くホーム・福岡戦も試合内容では上回りながらも、2連敗を喫した。劇的な試合をした次こそ真価が問われるのに、その後が続かず、振り出しに戻ってしまっているのが現状だ。悪い流れを断ち切ってから振り出しに戻るのではなく、より上に行くために。絶対に結果が必要なのだ。
すべては水戸戦の勢いをこの試合に生かすために―。
水戸戦の収穫を挙げるならば、初先発した選手がしっかりと結果を残したことにある。MF橋本卓が怪我で、FW片桐淳至は体調不良で離脱したが、今季初先発となったFW朴俊慶と片山真人の2人で先制弾を導き出すと、その後、朴が2点目を挙げる活躍。そして、こちらも初先発の染矢がロスタイムに2点差から追いつく劇的な同点弾を押し込んだ。
2トップを入れ替え、サイドハーフの高木和正をボランチで起用し、CBも野本泰崇を初先発させ、田中秀人と筑波大CBコンビを実現させるなど、大幅にメンバーと配置を入れ替えた。確かに連携面での問題は多々あったが、これまでは内容が良くても勝点1すら掴めなかったのに対し、2点差を追いついて『勝点1を掴む』試合をしたことは大きい。次も内容はともかく、まずは『勝点3を掴む』試合を期待したい。それを達成してからこそ、今後に繋げられるのだから。
では、この試合に目を向けてみよう。仙台は動き出しの早さと質はJ2ではナンバー1のFW中島裕希、ドリブルとパスセンスに長けた梁勇基、関口訓充の両サイドアタッカーと攻撃陣にタレントを揃える。彼らが織り成すスピードアタックは脅威なだけに、ダブルボランチとDFラインがいかに連携して、ギャップに飛び込んでいくことを得意とする彼らを封じるか。個人的にはボランチが角度を作って両サイドハーフとの距離を近づけ、DFラインがフラットでゾーンカバーを意識して対応してほしい。
そして岐阜のお家芸とも言えるハイプレスでボールを奪ってからが肝心だ。岐阜の狙いどころはずばり両SBの裏のスペースにある。仙台は両SBが非常に攻撃的で、そこが脅威でもある。しかし、彼らが上がったときのサポートが万全ではない。サイドのスペースにボールを展開されると、ボランチがスライドするのか、SBが戻って守備をするのか、それともCBが行くのかが曖昧になり、守備陣系にひずみを生み出していく。特にCBのエリゼウは食いつきやすく、彼が引っ張り出されたときに大きなチャンスが生まれる。
ここでキーとなるのがもう一枚のCBの渡辺広大だ。彼は非常にバランス感覚、カバーリングに優れた選手で、仙台のディフェンスラインが大崩れしないのは、彼の存在によるところが大きい。エリゼウが食いついていったり、ボランチが引き出されたとき、彼は深い位置にポジションを取り、全体の裏のスペースをケアしている。その絶妙なポジショニングがあるからこそ、相手攻撃陣は仕掛けるべきところでためらうシーンがある。
それだけに岐阜としては、いかに渡辺を引っ張り出せるかが大きなポイントとなる。サイドにボールを展開し、ボランチもしくはCBの一枚が食いついたときに、それによって生じたギャップをいかに突けるか。両サイドハーフがダイアゴナル・ランなどを多用し、それによって生じたスペースにSBとボランチ、FWのどれかが飛び出し、相手が食いついてきたら、全体を押し上げて、ボランチとCB、両CBの間のスペースを有効活用する。こうした変化に富んで、連動性を持った攻撃こそ、チャンスを増やす大きな鍵となるだろう。
さらに仙台は深刻な左SB不足に陥っている。今、左SBは朴柱成、田村直也の2人で回していたが、両名がケガで離脱。本職の左SBは朴のみという状況だっただけに、この2人の負傷離脱は手倉森誠監督の頭痛の種になっている。一柳夢吾、細川淳矢、富田晋伍が代役候補となっているが、3人とも本職ではなく不安要素となっており、誰を起用するのかに注目が集まる。
いずれにせよ共に重要な一戦となる。仙台としては昨年の悔しい思いを繰り返さないためにも、連敗だけは避けたい。それだけにいかに前線のタレントを生かした攻撃でイニシアチブを握れるか。長所を消される前に、前面に出して押し込められるか。ここが大きなポイントとなるだろう。
一方の岐阜にとっては、冒頭でも述べたように、結果が重視される試合となる。松永英機監督は相手をスカウティングし、相手の長所を消すことに長けており、実際に今の岐阜のサッカーはそれを実行できるだけの質は持っている。この試合でそれを発揮し、今度こそ本当の勢いを掴んでほしい。
以上
2009.04.14 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
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