4月12日（日） 2009 J1リーグ戦 第5節
大宮 3 - 2 Ｇ大阪　（16:00／ＮＡＣＫ／14,070人）
得点者：22' マト（大宮）、34' 石原直樹（大宮）、47' チョジェジン（Ｇ大阪）、56' デニスマルケス（大宮）、89' レアンドロ（Ｇ大阪）
スカパー！再放送 Ch182 4/14（火）05:00〜（解説：川勝良一、実況：西岡明彦、リポーター：長友美貴子）
☆顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム
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　大宮にとってはどうしても勝たねばならない試合だった。今季リーグ戦４戦負けなしではあるがホームでの勝利からは遠ざかっている。そろそろ、ホームで勝っておきたいところでもあり、またG大阪は昨年２勝している相手だ。昨季のアジア王者であろうと、日本代表が揃っていようとお得意様には負ける訳にはいかない。更に、キャンプ中に右ふくらはぎを負傷した主将小林慶行の先発復帰戦でもある。自分たちのサッカーを示すためにも、もちろん復帰した小林自身の意地のためにもこの日のこの試合は落とすわけにはいかなかった。

　日曜日の16時キックオフ、21.7度の陽気は絶好のサッカー日和。14,070人の観客が見つめる中、試合は始まった。大宮の布陣は4-4-2システム、ボランチの新井涼平に代わって小林慶行が入っている以外はいつも通りだ。対するG大阪も4-4-2でスタート。チョジェジン、レアンドロの２トップは見るからに要警戒ではあった。

　みなぎる気合を大宮はキックオフ直後から見せた。いつも通りに石原直樹と市川雅彦が献身的な守備を見せれば、中盤以降がそれに呼応する。開始から10分もたたない間に選手たちが給水を始め、ピッチ上の暑さを思わせたがそんなことをものともせず選手たちは走り続けた。
　一方のG大阪はスローな立ち上がり。徐々に自分たちのペースに入るかと思われたが、のらりくらりと交わすだけでペースアップせず。コンパクトな中盤でのボール回しはさすがだが、脅威を与えるほどではなかった。大宮はそんなG大阪のディフェンスのウラを突くボールを徹底して送り込み、22分にはそれが奏功する。中盤の小林が前線に出したボールに市川が追いつき、仕掛けたところで倒されてPKを得る。これをマトが正確に蹴り込みゴール左隅に突き刺した。思った通りの形ではあるが、あまりにもスムーズな得点だった。　

　そして、大宮は前半のうちに２点目をゲットする。34分、これも相手のウラを突こうとする攻撃からだ。中盤でボールを奪い、金澤慎が左サイドに大きく開いたスペースにボールを出す。若干厳しいボールではあったがこれに小林が追いつきクロスを挙げる。ペナルティエリア内に走り込みニアで市川がつぶれるも、こぼれてきたところを石原が押し込んだ。中盤で前線の選手を使う立場であることが多い小林はこのプレーに「あんまり見ないシーン」と笑いながら振り返っていたが、このプレーに象徴されるように今の大宮が強く持っているのはタテへの強い意識だ。ただ、90分間体力が持つわけではなく、２点のリードで試合を折り返したものの後半はバタバタしてしまった。

　後半に入り、G大阪が佐々木勇人と下平匠を投入。３トップ気味にして遠藤保仁を一枚前に上げて、両サイドを使った攻撃を展開する。中央で回すのではなく、サイドに開きクロスを入れる形で一気にスピードアップした。大宮のシュート数が試合を通して６であるのに対し、Ｇ大阪は後半だけでなんと14本（前半だけだと３本）を放ってきた。47分には安田理大の右クロスにチョジェジンがヘディングで合わせ１点を返す。この時間帯のＧ大阪の攻撃は脅威で、大宮はまるで負けているチームかのようなバタつきをみせた。その後は大宮が相手のミスからカウンターで１得点するも、ロスタイムにCKから１失点。「３−２になった時にはドキドキした」と金澤も振り返っていたが、試合をコントロールすること、終わらせ方など大宮はまだまだ向上させるべき点がありそうだ。

　G大阪はこれで３戦連続勝ち無しで「このままずるずるいっては去年のようになってしまう」と遠藤をはじめ選手たちは危機感をあらわにする。リーグ優勝を狙うチームならではの高い危機意識だ。大宮はこれでリーグ戦ホーム初勝利。「選手たちが踏ん張ってくれた」とチャン監督は、猛攻をしのぎきった選手たちを称えた。
　先発復帰戦を勝利で飾った小林も「自分が必要な選手だと証明する必要があったからほっとしている」と笑顔を見せた。負傷者だらけでスタートしたシーズンだったが、まもなくフルメンバーが揃う大宮。今後が楽しみな一勝となった。

以上