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【J2:第7節 福岡 vs 熊本】福岡側レポート:狙い通りの前半。悪夢のような後半。福岡、大事な試合で勝点2を失う。(09.04.12)

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4月12日(日) 2009 J2リーグ戦 第7節
福岡 1 - 1 熊本 (13:03/レベスタ/11,603人)
得点者:33' 城後寿(福岡)、67' 中山悟志(熊本)
スカパー!再放送 Ch186 4/13(月)05:00〜(解説:サカクラゲン、実況:川上政行、プレーヤー解説:布部陽功、リポーター:森田みき)
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 勝たなければいけない試合だった。九州ダービー。譲れない目標であるJ1昇格に向けての大事な一戦。サポーターが力の限りに声援を送ってくれるホームゲーム。11,603人を数える観衆。「90分間で勝つことだけを考えて戦う」。指揮官はこの試合をそう位置づけ、選手たちもこの試合が持つ重要性を十分理解して臨んだ試合。福岡に必要なものは勝点3だけだった。

 試合は思い通りに進んでいた。立ち上がりこそ、アグレッシブに前に出てくる熊本に押し込まれたが、それも5分まで。落ち着きを取り戻した福岡はバランスを整えて熊本にボールを持たせ、藤田俊哉のマークをボランチとDFラインで受け渡しながら、そして石井俊也にはきちんとプレスを掛けて試合を進めていく。攻守の起点を押さえ込まれた熊本はボールを持っているだけで何もできず、やがて試合の流れを福岡へと引き寄せた。
 その流れとともに、福岡の攻撃が活性化していく。ボールサイドに人数を掛けてくる熊本に対し、シンプルなパスワークでプレスをかわして反対サイドへ。大きく開いたサイドのスペースを使って攻め上がる。

 33分に生まれた先制ゴールは、まさに狙いとする形から。右サイドで受けた城後が左サイドへ大きく展開。そして中島崇典の左足からのクロスに、中央で待つ大久保哲哉が頭ですらした。ボールが落ちてきたのは城後が駆け上がった目の前のスペース。そして、視線が捉えたのはGK吉田智志だけ。迷わず右足を振り抜く城後。ボールの芯を打ち抜いたシュートは唸りを挙げてゴールへ。GK吉田の正面に飛んだにもかかわらず反応することさえ叶わなかった。ワールドクラスのシュート。スタンドが歓声に揺れた。

 その直後にセットプレーからピンチを迎えたものの、試合をコントロールして前半を終了。そして、後半の熊本の出方も分かっていた。サッカーは何が起こるかわからないスポーツだが、この時点では福岡が窮地に立たされる要素は多くはなかった。
「一発があるから2点目が欲しいが、後は普通にやればいい」。記者席でそんな言葉を交わしていた。

 だが、後半にはいると、試合はがらりと様相を変えた。「熊本が左サイドで起点を作って、サイドチェンジをして右SBを高い位置に上げるというのは分かっていた」(篠田監督)。しかし、福岡はこれに対応できず、熊本の狙い通りにリズムを崩されていく。
 きっかけは自分たちの不用意なプレーだった。前からプレスを掛けてくる熊本に対し、ボールをシンプルに動かさずに保持するようになる。リードしている局面で得たセットプレーをクイックスタートをする。そして同サイドばかりで仕掛けて相手に引っかかる。これではリズムを維持するほうが難しい。「雑なプレー、不用意なプレーが増えた。もっとシンプルに」。手元の取材ノートに、そうメモしたときには既に流れは変わっていた。

 ここからは、ただ、ただ、熊本の猛攻にさらされた。ズルズルとラインを下げた福岡は、中盤のスペースを藤田、石井に自由に使われ、遅れてプレスにいっては簡単にかわされ、簡単に中央にスペースに楔のボールを入れられたかと思えば、両SBの後のスペースへ放り込まれては熊本のスピードに置いていかれる。ようやく奪い返したボールも、単純に前へ蹴って相手に渡し返す。セカンドボールはほとんど拾えず、こぼれ球への反応で一歩も、二歩も遅れた。

 後はピンチの山。最後の最後の所で体を張り、ゴールラインの上から何度もクリアをして、熊本の得点をPKによる1点だけで凌いだが、いつゴールを奪われてもおかしくない展開だった。結果は引き分けに終わったが安堵感はどこにもない。「今日に関しては悪い部分が全部出た」(柳楽智和)。試合後の雰囲気は、まるで敗戦を喫したかのようだった。

 敗れて当然のような試合展開で、体を張って1失点に抑えた頑張りは評価してもよいだろう。しかし、狙い通りに試合を進め、ゲームを左右すると思われた先制点を奪いながら、しかも相手の出方も予想通りだったにもかかわらず、後半の戦い方を徹底できなかったのは大きな問題と言わざるを得ない。もちろん、熊本にとっての悪い流れを引き戻した藤田俊哉、石井俊也のプレーは賞賛されるべきものだが、それにしても、福岡は体を張る前にやることはいくつもあったはずだ。
「後半の1−0で勝っている時の戦い方をしっかりとやらないといけない」。中島は唇をかんだ。

 しかし、下を向いている時間はない。次節の愛媛戦は中2日。51試合を戦うリーグ戦は、その後も休むことなく続いていく。悔しさや、自らの課題から目をそらすことは出来ないが、次の試合に向けてポジティブに準備することが最も重要。そして結果を出すことだ。それが出来ないチームならJ1昇格へのサバイバルレースを勝ち抜くことなど出来ない。愛媛を迎えるホームゲームでは、この日の悔しさを晴らす戦いを期待したい。

以上

2009.04.12 Reported by 中倉一志
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