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【AFCチャンピオンズリーグ SAF vs 鹿島】レポート:猛烈な湿気と高い気温のなか、鹿島が自陣深くに引く相手を崩しきり勝点3を得る!(09.04.08)

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4月7日(火) AFCチャンピオンズリーグ
SAF 1 - 4 鹿島 (20:30/シンガポール/4,406人)
得点者:23' 本山雅志(鹿島)、26' ハフィズ(SAF)、43' 内田篤人(鹿島)、47' 大迫勇也(鹿島)、90+3' 青木剛(鹿島)
ホームゲームチケット情報 | 決勝戦は11月7日(土)に国立競技場で開催!
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昨年からシンガポールでは、Jリーグの試合が毎節1試合放映され始めたこともあってか、スタジアムを訪れた4,406人のほとんどは現地に在住の日本人の方々だった。これには試合前、オリヴェイラ監督も「日本人ばかりじゃないか」と驚くほど。中2日の強行日程だった鹿島にとって、ホームの雰囲気だったことは大きな後押しとなった。シンガポールの高い気温と湿度、ジャラン・ベサル・スタジアムの人工芝といった条件を跳ね返し、4対1でシンガポール・アームド・フォーシズに勝利。絶対に必要だった勝点3を手に入れた。

この日は、朝から雨。昼過ぎには雨は止んだものの湿度が異常な高さ(試合開始時点で気温29度、湿度84%)。快晴時に比べて気温は多少下がったが、湿度が苦手な選手にとってはかなり苛酷な条件の中での試合となった。シンガポール・アームド・フォーシズは、ホームでの試合とはいえ鹿島の方が格上。トップのデュリッチひとりを前線に残し、残りの9人が自陣のペナルティエリア付近まで下がるという戦い方を選択した。

昨季までなら、割り切った戦い方をする相手を崩しきれず、相手の術中にはまる試合は何度もあった。しかし、今季の鹿島は違う。Jリーグでも、引いた相手を最後には崩し勝ちを得てきた。その経験がこの試合でも生かされる。
ゴール正面での壁パス、ミドルシュート、ペナルティエリア内でのドリブルなど、様々な攻撃パターンで相手を揺さぶると、前半23分に先制点が生まれた。右サイドから野沢拓也のあげたセンタリングは、中央に走り込んだ大迫勇也の頭を越え、ポッカリとスペースができていたファーサイドへ。そこに本山雅志が走り込み、ダイレクトで右足を合わせてゴールを決めた。
「先制点は、相手のDFが同サイドによる傾向があることはビデオで見て分かっていたので、マークがずれていたし、いいボールが来たので後はゴールへ流し込むだけだった(本山)」相手の弱点をうまく突いた得点だった。

欲しかった先制点が前半のうちに奪えたことで、その後の試合展開は楽なものになるかと思われた。しかし、26分、FKから4番のハフィズにヘディングシュートを決められ、あっという間に同点に追いつかれてしまう。特に鹿島を苦しめたのが8番のチャイマン。1.5列目からFWのデュリッチをサポートし、再三、右サイドを抜け出す動きで何度もカウンターを演出した。ワントップ気味に構えるデュリッチを、岩政大樹と伊野波雅彦で挟み込みながらケアするため、鹿島のボランチとDFラインの間で浮遊するチャイマンのマークがはっきりしない。フリーでパスを受けることが多いチャイマンが、ゴール前にラストパスを送る。なんとか岩政や伊野波がデュリッチに競り勝ったため得点には至らなかったものの、2度あったカウンターのチャンスは、十分な鋭さを感じさせるものだった。

同点に追いつき、カウンターが通用することに手応えを感じたシンガポール・アームド・フォーシズは、自陣に引く傾向をより強めていく。時にはペナルティエリア内で8人の選手が守備を固めているような状態。これをどう攻略するのかに注目が移り始めるなか、鹿島の選手たちは”Jリーグ2連覇”の肩書きが伊達ではないことを証明してみせた。ゴール前に人数をかけてくるのであれば、人が少ないときに攻める。相手CKからのカウンターにチャンスを見出した。

前半終了間際の43分、CKからのクリアを野沢に繋ぐ。前線に残っていた大迫とマルキーニョスが右サイドに寄ることで左にスペースをつくると、野沢の背後から70mほど全力でサポートしてきた内田篤人が走り込む。左足でトラップし、ボールを内側に置き換えると右足でシュート。横っ飛びするキーパーの手を外から巻いていくようなコースでシュートが決まり、一連のカウンターからシュートまで、とても美しいゴールで鹿島が勝ち越し点をあげた。

前半のうちに、再びリードして折り返せたことは精神的に落ち着きをもたらした。後半開始早々にも、しばらくヘディングシュートの練習に取り組んでいた大迫が、頭で得点し3点目をゲット。56分には、相手にPKを与えてしまったものの、曽ヶ端準がセーブ。得点できなかったことで、シンガポール・アームド・フォーシズの選手たちの動きはガクッと落ち、試合の趨勢はほぼ決まった。試合終了間際の青木剛のゴールでさらに1点を加えた鹿島が4対1で勝利をおさめた。

「シンガポールに来て初めてです」
今季、シンガポール・アームド・フォーシズでのプレーが2シーズン目となる深澤仁博は、試合終盤に足をつっていた。中盤の底でボールを奪い、鹿島にとっては嫌らしい存在感を発揮していたが、いつも以上のハードワークを強いられていたようだ。負傷中だったDFの新井健二も後半途中に出場。興梠慎三とのマッチアップに苦労していたものの、2週間後には怪我を癒した状態で再び相まみえることになる。

この試合で勝点3を得た鹿島は、グループ2位に浮上。首位だった水原三星が上海申花に敗れ、3チームが勝点6で並ぶ大混戦となった。先述したとおり、次の試合も対戦相手はシンガポール・アームド・フォーシズ。もうひとつのカードが引き分けに終われば、鹿島がグループ首位に立つ可能性も出てくる。ホームできっちり勝点3を取ることが必要だ。

チームは水曜の朝の便で帰国し日曜のF東京戦に備える。厳しい日程は続くなか、引いた相手を崩す攻撃力は確実に増してきた。大きな自信を得ての帰国となることだろう。

以上

2009.04.08 Reported by 田中滋
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