4月5日（日）J2 第6節 Ｃ大阪 vs 甲府（16:00KICK OFF/大阪）
スカパー！生中継 Ch182 15:50〜（解説：長谷川治久、実況：谷口広明、リポーター：森田純史）
☆顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム

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　サッカーの一番の見どころといえば、やっぱりゴールシーン。得点が入る瞬間が多いほど、たくさんの感動を味わうことができる。J2リーグ戦のなかで、得点力が高く、攻撃的なチームといえば、Ｃ大阪、そして甲府の名を挙げないわけにはいかない。その両者が、Ｃ大阪のホーム、長居で今季初めて直接激突する。

　昨シーズンの対戦成績は1勝1分け1敗の五分。ただ、結果を見ると、第1クールが2-3で甲府が勝利（＠小瀬）、第2クールが3-3でドロー（＠長居）、第3クールが3-2でＣ大阪が勝利（＠小瀬）と、いずれも2点以上取り合う撃ち合いの展開となっている。しかも、面白いのはそのスコアの取り方。前半に2点以上挙げて、必ず先制していたのが甲府。後半になって2点以上奪い、追い上げるのがＣ大阪。なんとも好対照なデータを残した対戦だった。

　今季、Ｃ大阪はレヴィークルピ監督が、甲府は安間貴義監督が、それぞれ昨シーズンから留任。選手の陣容としては変化があったものの、Ｃ大阪は香川真司、乾貴士の2シャドーを中心とした攻撃、甲府はマラニョン、大西容平を両ワイドに置いた3トップのシステムと、ともにその戦い方は基本的には変わっていない。そうなると、昨シーズン同様、今回も点を取り合うシーソーゲームの予感が漂う。

　逆に、昨シーズンから今季にかけて大きく変わった点を挙げると、Ｃ大阪では守備力の向上。ここまで5連勝で首位に立っているが、開幕戦以外は1点差の接戦。決してＣ大阪らしい豪快な戦い方というわけではないものの、相手に先制を許したことは5試合で一度もない。カイオ、香川、乾ら前線が決定機を活かすと、「粘り強いサッカーができて、チームとして崩れていない」と香川が言うように、昨年と比べて守備が最後まで集中を切らさずできるようになった。GKキム ジンヒョンをはじめ、DFチアゴ、MFマルチネスら新加入組、そして主将でボランチの羽田憲司を軸としたディフェンスが機能していると言えるだろう。

　ただ、今節、そのディフェンスの一角を担っていたDF前田和哉が、前節での負傷のために戦線離脱を強いられたのは痛い。それでも、昨シーズン終盤ではレギュラーとして活躍を見せ、その能力には評価も高い藤本康太がいるだけに、不安は最小限に抑えることができるだろう。昨シーズン第3クールの対戦時はゴールも記録した藤本。「相性もいいし、今はチームも連勝が続いているので負けられない」と、今季初先発に気合い十分だ。

　一方の甲府で変わったところは、センターフォワードのポジション。ここに、今季は188センチの長身FW森田浩史が入った。J2でここまで通算93試合35得点（今季第5節までの成績含む）の実績を持つ森田の存在は、間違いなくチームを活性化している。スピードのあるマラニョン、大西の両ワイド、司令塔の藤田健、ボランチの林健太郎と、多彩なプレーヤーがそろっているため、森田を前線での基点として、今季の甲府はバラエティ豊かな攻撃が期待される。

　前節の鳥栖戦ではセットプレー一発に沈んだ甲府だが、それでも最後までアグレッシブな姿勢を見せていた。また、その前には札幌、仙台といったJ1昇格候補に競り勝つなど、3連勝も記録。懸念された守備面も新加入のGK荻晃太、DFダニエルらの活躍でパワーアップしている。甲府は間違いなく、Ｃ大阪にとって強敵となる存在であり、J1を十分に狙えるチームだ。

　果たして、今節の一戦では、昨シーズン同様、甲府主導の展開から撃ち合いに発展するのか。それとも、Ｃ大阪が今季これまで続けている先制点からペースを握る戦いに持ち込むか。いずれにしても、攻撃に特徴のある両者だけに、「両チームとも決定機が作れる試合になり、サポーターにとってはゴールが多くなる、見応えのある試合」（レヴィークルピ監督）が、この試合の基本線となるだろう。長居公園では花見と、この試合の、両方を楽しむことをオススメしたい。

以上

2009.04.04 Reported by 前田敏勝