カターレ富山の練習グラウンドで２日、桜がほころび始めた。記念すべき初勝利に導かれるように待ちわびた春が到来した。
　３月２９日の第５節、ホームの富山県総合運動公園陸上競技場でザスパ草津を下した。クラブ史に刻まれる勝利を手にして、選手たちはサポターと喜びを分かち合った。祝福するかのように翌３０日、富山地方気象台は桜の開花を宣言した。

　練習グラウンドは富山市の北部、神通川河口近くにある。１月１９日のチーム始動以来、富山湾から吹く冷たい風の中で選手たちはトレーニングを積んできた。例年に比べて暖冬だったとはいえ、積雪も何度かあった。グラウンドを覆う雪が半日でも早く消えるようにと、楚輪博監督らスタッフが積もった雪を踏みしめて歩く「雪踏み」をしたこともあった。

　冬を越えてつかんだ１勝。余韻に浸る間もなく、５日にはホームに徳島ヴォルティスを迎えて第６節（１３：００〜）を戦う。次の勝利を目指して走る選手たちを、市街地より少し遅れて咲き始めた桜が見守っている。

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2009.04.03 Reported by 赤壁逸朗