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【J2:第5節 水戸 vs 熊本】レポート:荒田、2戦連発弾! 9年ぶりの4連勝で3位に浮上した水戸。リミッターを振り切り、昇格争いに名乗りを挙げる(09.03.29)

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3月29日(日) 2009 J2リーグ戦 第5節
水戸 1 - 0 熊本 (13:04/笠松/2,037人)
得点者:35' 荒田智之(水戸)
スカパー!再放送 Ch183 3/30(月)10:00〜(解説:菅野将晃、実況:山下末則、リポーター:佐藤愛美)
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「昇格争いもできると思う」。試合後、荒田智之は一言一言噛み締めるように口にした。9年ぶりの4連勝、そして昇格圏内の3位へ浮上。決して荒田の言葉はうぬぼれでも何でもない。それだけの結果と内容をピッチ上で出しており、チームとして「昇格」という言葉を口にできるほどの自信がみなぎっているのだ。51試合という長きリーグの序盤にすぎないことは誰もが分かっているが、水戸のような若いチームにとってリーグ序盤で自信をつけることは大きなこと。昨年までのリミッターを振り切り、さらなる高みへと向かうためにも、最高のスタートを切ったと言えるだろう。

 この日も水戸のプレスは冴えた。高崎寛之と荒田の2トップが懸命なチェイシングを徹底し、相手のパスコースを限定。それに対して中盤の選手が連動した動きを見せ、熊本に起点を作らせなかった。また、中村英之負傷によってセンターバックには鈴木和裕が起用されることとなったが、「カズさん(鈴木)がうまく声を出してくれて問題なかった」とキム・テヨンが言うように、最終ラインはこれまでと同様安定した守りを見せた。熊本の3トップをうまく抑え込み、「いい守備ができているから、いい攻撃ができた」(本間幸司)水戸が序盤からペースをつかんだ。

 対する熊本は最終ラインが不安定だった。18歳のチョ・ソンジンと矢野大輔がセンターバックを組んだが、連係が悪く、ラインコントロールが取れないまま水戸の2トップに裏を取られ続けた。最終ラインが不安定なため全体が下がり気味となってしまい、ボールを前に運べず。水戸に主導権を握られ、前半は水戸の攻撃に耐える時間が続いた。
 そして35分、「しのぎたかった時間に失点されてしまった」と藤田俊哉が悔やんだように、水戸に先制点が生まれる。中盤でボールを奪ったキム・テヨンがチーム全体が前がかりとなり手薄になった熊本DFライン裏にスルーパス。オフサイドラインをうまくくぐり抜けてパスを受けた荒田が熊本DFを振り切り、左足を一閃。ゴール右隅へと突き刺した。

 前半は圧倒的な水戸ペースで進んだものの、後半に入り、熊本が息を吹き返す。長短のパスを織り交ぜながら水戸のプレスを揺さぶり、チャンスを作る。「攻守の切り替えが水戸のいいところだが、今日は出てなかった」と本間幸司が言うように、徐々に水戸の運動量が落ちていき、熊本に攻め込まれる場面が続いた。しかし、そうした状況で粘り強く守れることが今の水戸の強さでもある。64分にはカウンターから抜け出した木島良輔に対し、小澤雄希がうまく対応してシュートを打たせなかったシーンをはじめ、熊本の厚みのある攻撃に苦しみながらも局面で適切な対応を見せ、決定機を与えなかった。
 また、「高崎の高さはウチのストロングポイント」と木山隆之監督が言うようにDFからのロングボールが前線の高崎でしっかり収まることで陣地回復ができるようになり、相手の波状攻撃を受けずにすんでいる。そうした攻守においてバランスが取れていることが水戸の好調の原因である。最後まで熊本の攻撃に苦しみながらも、耐え切って勝点3を獲得した。

 9年ぶりに4連勝したことだけでなく、8日間で3試合という過密日程ですべて勝利を収めたことが大きい。51試合というタフなリーグ、どんな苦しい状況でも自分たちの力を出して結果を出すことが上位進出のための条件となる。この日の水戸は「課題がたくさん見えた試合」と木山監督が言えば、本間も「内容はよくなかった」と語るように、後半は足が止まり、「雑なサッカーになってしまった」(木山監督)が、それでも勝てるところにチームの成長を見ることができる。結果を出し続けることで勝負強さが身についてきており、一皮剥けたと言っても過言ではない。また、この状況の中で「みんな、はしゃぎすぎ。昨年もいいときと悪いときがあった。気を引き締めないといけない」と語る本間や吉原宏太、鈴木といったベテランがチームを引き締めているのも心強い。彼らと若手がうまく融合しているからこそ、チームは存分に力を発揮できているのだ。

 あらためて順位表に目を向けると、3位に水戸がいるのは誇るべきことではないだろうか。まだ51分の5が終わっただけであり、リーグはまだまだ長い。これからどうなるか分からないが、約8千万円というJ2で最低レベルの強化費で戦っている水戸が、数々の強豪を抑えて上位に立っていることは痛快だ。資金の問題でJクラブとして唯一キャンプを行えなかったり、環境面ではどのクラブよりも劣っているのが現状である。しかし、それでも選手たちは目を輝かせながらサッカーに打ち込み、少しでも上に行こうと必死に戦っている。また、目の前の結果だけにこだわらず、選手たちを育てながら長いビジョンでチームを積み上げてきた成果が実りつつある。そうしたサッカーへの熱い思いと積み重ねが現在の結果を生み出しているのである。

 サッカーは金ではない――J2加入10年目、ついに水戸が日本サッカーに驚きを与えるときがやって来た。

以上

2009.03.29 Reported by 佐藤拓也
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