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【J2:第3節 福岡 vs 水戸】レポート:水戸を圧倒するも、我慢に欠いた福岡。水戸のセットプレー2発に沈む(09.03.22)

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3月22日(日) 2009 J2リーグ戦 第3節
福岡 1 - 2 水戸 (13:03/レベスタ/6,111人)
得点者:18' キムテヨン(水戸)、27' 高橋泰(福岡)、63' 菊岡拓朗(水戸)
スカパー!再放送 Ch182 3/23(月)10:00〜(解説:乾眞寛、実況:南鉄平、リポーター:森田みき、プレイヤー解説:布部陽功)
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「前半は非常にいいリズムだったので良かったですけれども、セットプレーからの2失点、失点の仕方が悪すぎました。時間も悪かったし、押せ押せムードの時の失点だったし、ポカポカと取られてしまうのは去年から変わっていないところです」。ミックスゾーンで、大久保哲也はうつむき加減に試合を振り返った。
 先制点を奪われたものの、前半は水戸を圧倒。人も、ボールも動くリズミカルなサッカーを展開して、ゲーム内容では大きく水戸を上回った。しかし、結果は1−2で敗戦。福岡の苦悩は続く。

 前半、福岡の攻撃のリズムを作り出したのは鈴木惇だった。2試合ぶりに先発に復帰し、ボランチとしてプレーした鈴木は、中盤の高い位置でボールを引き出して攻撃の起点を作ると、ダイレクトパスを多用してチームを動かした。このプレーに触発されて、チーム全体が高い位置へシフト。FWと中盤の距離が縮まったことでチームに躍動感が生まれる。最初の決定機は6分。その後も、ボールに対して何人もの選手が絡み、中央から、サイドからと多彩な攻撃を展開した。

 そして、守備に安定感をもたらしたのは、今シーズン初先発の丹羽大輝だ。「ハイボールの処理では絶対に負けるなと言われていた。それが自分の仕事。高崎には1回も負けたくないと思ってプレーしていた」。その言葉通り、水戸が前線に向かって蹴ってくるロングボールの競り合いで、ことごとく制空権を支配。1試合を通して高崎寛之に自由を与えなかった。この丹羽の働きで、過去2試合、ロングボールで崩されていたDFラインが安定。チーム全体をコンパクトに保ち、セカンドボールの奪い合いで優位に立つ効果ももたらした。

 だが、その一方で福岡は問題を抱えていた。それは相手の流れの時に我慢しきれないこと、思うようにならない時間帯に自分たちのリズムを整える術を持たないことだ。それは過去2試合でも見られた傾向。狙い通りのサッカーを展開していた前半でさえも、その傾向が顔を出した。
 たとえば先制点のシーン。この時間帯は、序盤の主導権争いを経て福岡がゲームを支配し、立て続けに決定機を演出していた。しかし、水戸の反撃にあうと無抵抗に後退し、その流れのままにあっさりと失点を喫した。水戸の最初の反撃から、わずか3分間の出来事だった。

 そして2失点目は、疲れからか福岡の動きが緩慢になり、雑なプレーが目立ち始めた時間帯。水戸もリズムを取り戻せずに膠着状態が続いていた時間帯に生まれた。水戸がリズムを刻むべく、自分たちの目指すパスをつなぐサッカーを取り戻そうと努力していたのに対し、福岡は修正の手段を持たないどころか、雑なプレーが増えていくばかり。そして、ゴール正面の最も危険な場所でFKを献上。水戸に2点を与えるきっかけを作った。

 水戸が再びリードを奪ってからは、もはや福岡に反撃の手立ては残されていなかった。落ち着きを取り戻し、守備に重点を置き、時間を使い、そしてカウンターを仕掛ける水戸に対し、福岡は前がかりになるばかりでチームのバランスを崩すだけ。黒部光昭を投入して3トップにしてからは、攻守に渡って意図が全く感じられなくなった。これでは反撃のきっかけも掴めない。チームとしての機能を失った福岡は、ただ敗戦に向かって時間を費やすだけだった。

 水戸が狡猾なサッカーをしたわけではない。「流れの中からの決定機を作る場面が少なかった。それを多くしないといけない。相手もタカ(高崎)のところがポイントになるということで激しく来ていたが、そういう場面でも、違うバリエーションで崩さないと」。苦しい試合を勝てたことは大きいとしながらも、荒田智之の口は重い。
 それでも、GK本間幸司を中心に、苦しい時間帯を我慢して逆転ゴールを許さなかったのが最大の勝因。「前半が終わって、もう少しボールを回せるんじゃないかとみんなで話していた。スペースも空いていたし、つなぐことを意識した結果、後半のサッカーが良くなったんだと思う」(キム・テヨン)。一方的に押される展開にも、冷静にゲームを振り返ることができたのは、自分たちの戦いに自信を強めているからなのかも知れない。

 そして、これまでと同じことを繰り返して敗戦を喫した福岡。篠田善之監督は振り返る。
「もちろん、マークについていた個の守備能力の問題ということもあるが、無駄なファウルが非常に多かったし、攻撃でもファウルを犯したり、ペナルティ付近でのファウルだったり、単純なミスから失点をしている。セットプレーの修正というよりも、その前の問題のほうが大きいと思う」
 いい時間帯も作れるようになった。ボランチにも、最終ラインにも、ピタリとはまる選手が出てきた。しかし、その好材料も、プレーのディテールにこだわり、苦しい時間帯を我慢しきれるようにならなければ、結果にはつながらない。まだ3試合とはいえ、苦しい状況に立たされた福岡。中2日で迎える栃木戦(3/25@国立)までに、どう立て直すかに注目が集まる。

以上

2009.03.22 Reported by 中倉一志
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