J's GOAL仙台担当として、ホーム戦を全試合取材で訪れるのはもちろんだが、ありがたいことに私はアウェイ戦にも、2005年以来(急性の食あたりで泣く泣く自宅療養となった1試合を除き)全試合帯同することができている。ライターとは別のもう一つの業務である、地元ラジオ局のアウェイ戦中継実況として。
おかげさまで間もなく実況100試合目を迎えるのだが、今季開幕の札幌戦では、ゴールシーンにおいてこれまで一度も使うことのなかった単語を叫ばずにはいられない事態が起きた。
もう皆さんご存じだろう。この試合で決勝点を決めた“Kin”こと菅井直樹選手が、興奮のままに仙台サポーターの待つゴール裏へ、広告看板を飛び越えて駆け寄ったはいいが…。
札幌ドームの可動式ピッチは地上のコンクリート床から2m以上の高さがある。そのことを失念していた菅井選手はジャンプの後に気づいたものの時すでに遅く、文字通りピッチの下に「消えていった」あの場面である(このシーンは J’s GOAL「SUPER GOAL !」でご覧になれます)。
後で自分が何を語っていたか、中継の音源を聴いてみた。
「先制仙台、菅井直樹!
(しばしの沈黙)
・・・菅井直樹、大丈夫ですか? スタンドの方に飛び込んでいったのですが・・・段差があります。札幌ドームには段差があります!」
そしてさらなる沈黙の後に、何を思ったのか、
「・・・菅井が、消えた!」
もう自分でも、なんのことやら。
ただ「消えた」という表現は決して間違いではない。
実況席はメインスタンドにあるのだが、おそらくメインスタンドから見ていた我々取材陣は皆同じ感想。無理矢理例えるのならば、スーパーマリオで、マリオがむなしく地面の穴に落ちていく雰囲気、あるいは「がーまるちょば」のエスカレーターのパントマイム(ついたての向こうで、さも階段があるかのようにスッと沈んでいくアレ)ぐらい、自然に消える。それくらいの高さだったのだ。
「飛んだ瞬間『あれっ、やばいな』と思った。今度からは気をつけます」
と、とにかく照れ笑いを抑えながら語ってくれた試合後の菅井選手。いやいや、気をつけるもなにも飛んじゃダメ! という突っ込みは野暮というものか。相手ゴール前の守備陣から消えるのは構わないが、僕らの眼前からまでも消えられてはさみしいばかりだ。
ただ裏を返せば、それだけの開放感になってしまうほど、優勝候補の一角に推され、ここ数年で最も強くチームに、そして菅井選手にのしかかっていたプレッシャーは重いものだったのかもしれない。重圧から解放され、翼を授けられたかのような心境である菅井選手に、皆さんこれからもご用心。
以上
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広告看板を飛び越え、サポーターのもとへ!? ★<A href="http://www.jsgoal.jp/movie/goal/asx/0557-6.asx">動画はこちら!</A>
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