3月8日（日） 2009 J2リーグ戦 第1節
Ｃ大阪 4 - 1 鳥栖　（16:05／長居／8,234人）
得点者：48' カイオ（Ｃ大阪）、56' 石神直哉（Ｃ大阪）、73' 高地系治（鳥栖）、74' 乾貴士（Ｃ大阪）、84' 江添建次郎（Ｃ大阪）
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3月の第2日曜日、梅の花が咲いている木々も見られるなど、春もすぐそこまで来ているような、穏やかな陽気に包まれた大阪市の長居公園。その一角にある大阪長居スタジアムでは、この8日に開幕を迎えるJ2リーグ戦の上位候補、Ｃ大阪と鳥栖が顔を合わせた。

昨季は最後までJ1昇格を争った両者だけに、好ゲームが期待された一戦は、前半からＣ大阪が主導権を握る。しかし、「相手は引いていて引き分け狙いだった」と香川真司が言うように、鳥栖が「ああいう風に戦ってくるとは思ってなかった」（羽田憲司）くらい守勢に回ったため、スペースがなかなか生まれず。攻撃の核となる香川、乾貴士も、鳥栖のダブルボランチ、高橋義希と島嵜佑にマンツーマンのような形でマークされるなど、全般的にタイトな守備を仕掛ける鳥栖を崩しきれない。CKを9本獲得することはできたものの、それも活かせなかったこともあって、前半はスコアレスのまま、ハーフタイムを迎える。

昨季の悪いときならば、この状態で焦り出し、ミスから自滅してしまったＣ大阪。しかし、「（前半）やろうとすることもできていた。後半は焦らずにポゼッションして、点を取りに行った」（羽田）チームは、後半開始3分で先制に成功する。決めたのは、背番号9のFWカイオ。右サイド、ゴールライン際からの乾のグラウンダーのパスを、落ち着いて左足でゴールネットに叩き込んだ。なおも、その8分後にもＣ大阪は追加点を獲得。後半11分、乾からパスを受けた香川のシュートがこぼれたところを、今季新加入DF石神直哉が「基本に忠実に、（左足の）インサイドで」流し込み、リードを2点に広げる。

その後、後半28分にこちらも鳥栖の新加入MF島田裕介のFKから、途中出場のMF高地系治にヘッドで決められ、その差を1点に縮められたＣ大阪。それでも、その1分後に、すぐさま得点を奪い返す。この試合で攻守に抜群の存在感を発揮したMFマルチネスからのパスを受けたカイオがシュート。このボールに乾がしっかりと詰めて、一度はゴールポストに当てながらも、粘り強く押し込んだ。
さらに、後半39分にはCKからDF江添建次郎が石神同様うれしいJ初ゴールを記録。結局、後半に地力を見せ付けて、4-1と快勝したＣ大阪。「内容の伴った非常にいい試合ができた」とレヴィー クルピ監督も、白星発進となった今季初戦のチームの出来に満足気だった。
一方、「力の差がだいぶあった。今日は相手の攻撃練習のような形になってしまった」と鳥栖の岸野靖之監督。「選手たちは非常にしっかりファイトしてくれていた。気持ちの入った試合でもあった」とイレブンをかばうも、「後半、失点の時間が早すぎた。お粗末だった」と、後半開始早々の失点、そして1点差に詰め寄った直後にゴールを奪われたことを嘆いていた。

J1復帰に向けて幸先のいいスタートを切ったＣ大阪は、今後に楽しみを抱かせる内容に。逆に「まだまだ未完成のままスタートしており、チームができていない」（岸野監督）という鳥栖は、これからに不安を覗かせる開幕戦となった。

以上

2009.03.09 Reported by 前田敏勝