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【AFCアジアカップ2011カタール 予選Aグループ第2戦 バーレーン代表 vs 日本代表】レポート:持ち味を出せなかった日本が、前からプレスをかけてきたバーレーンに走り負け。痛すぎる敗戦を喫する(09.01.29)

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1月29日(木) AFCアジアカップ2011カタール 予選Aグループ第2戦
バーレーン代表 1 - 0 日本代表 (00:15 日本時間/マナマ/11,200人)
得点者:24' サルマン・イサ(バーレーン代表)
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 聞けば選手たちはバーレーンが前から来ることを予想していたのだという。そうした事前情報があったのであれば、なおさらのこと残念な試合内容だったと思う。日本代表は自分たちが目指そうとしていたサッカーをバーレーンにやられ、押し負けてしまった。

 目の前のバーレーン代表は、昨年9月に対戦したあのおっかなびっくりの相手などではなかった。攻撃時には10番のモハメド・サルミーン1枚を中盤の底に残し、かさにかかったように前に出て日本にプレッシャーをかけてきた。気圧されたわけではなかったのだろうが、日本代表は余裕のない対応に終始する。また日本がボールを奪うと、バーレーンは前線のイスマイール・アブドゥルラティフを1枚残して素早く帰陣。運動量でも差を付けられた日本は、バーレーンを効果的に攻め崩すことができなかった。

 このバーレーン戦と同じような内容の試合として思い出されるのが昨年10月に行われたウズベキスタン戦である。この試合は、W杯最終予選敗退の危機に立たされていたウズベキスタンの前からの激しいプレスに対し日本が受けに回ってしまい苦戦を強いられるというものだった。
 そのウズベキスタン戦に先発フル出場した内田篤人(鹿島)に試合内容の類似性を尋ねたが「相手が4トップ気味に来て、やたら人が多かった。そこでカウンターを逆に仕掛ければ良かった」と相手の出方に応じた戦い方ができていないことを悔やんでいた。稲本潤一(フランクフルト)も相手の前への圧力について「向こうは出足の速さがあった。その辺で前半から難しくなってしまった」と発言している。
 日本代表は裏を狙っていなかったわけではなかった。しかしうまくコントロールされたバーレーンの最終ラインは巧みに日本人FWをオフサイドポジションに置き、そして実際にオフサイドを取っていった。直線過ぎたのである。「チームとして縦に急ぎすぎた。どこかにタメがないと」と長友佑都(F東京)は試合を振り返った。その点、中村俊輔(セルティック)や松井大輔(サンテティエンヌ)のようにサイドでタメを作ることを期待されていたはずの本田圭佑(VVVヘンロ)は、思うようにボールに絡めず。ボールを引き出せても堅いプレーに終始してしまった。本田が悪いと言うよりは、日本のボール保持者に対するバーレーンのプレスの早さが、日本のフォローの動きを上回っていたということなのだと思う。端的に言えば、走れていたか走れていなかったかの差だったとも言える。

 年明けからの試合数で言うと、日本代表にとっての公式戦はアジア杯予選のイエメン戦1試合のみ。対するバーレーンはガルフカップという中東では最も権威のある大会の3試合に加え、アウェイで戦ったアジア杯予選の香港戦を消化済み。つまりこの試合が今年に入っての公式戦5試合目になっていた。そうしたコンディションの違いはもちろんあっただろう。ただ、それにしても動けていないのなら動けないなりのサッカーができなければ、世界での戦いでは厳しい状況を覚悟しなければならない。

 相手が前から来たときにどう対処するのか。サッカーは相手との力関係の中で進んでいくスポーツである。お互いの選手が入り交じる中での戦いは、常にパワーバランスの均衡を崩し合う中で進んでいく。確かにバーレーンは前からプレッシャーをかけてきたが、そうした戦い方の情報も事前に選手たちは聞かされていた。そうであるならば、選手たちにはその場面に応じた自律的な戦いを見せてほしかった。ある一面で日本代表は柔軟性にかけていたのかもしれない。
 押され続けた日本代表が一息付けたのは、岡田武史監督からの指示を受け「前半の途中から中盤をダイアモンド(菱形の布陣)に変えて」(内田)から。このフォーメーションチェンジは戦術的なものであるため、選手たちにそこまでを期待するのは難しい。そういう点ではピッチ上で対応できる限界はどうしてもある。ただ本当に強いチームというのは、そうした限界点と隣り合う中で、柔軟に相手の攻撃を受け止め、いなし、器用に反撃を仕掛けるものである。そうした強豪チーム的な戦いを今回のような代表チームに、つまり新しい選手が入り、コンディションにもばらつきがあったチームに求めるのは酷なのかもしれない。ただそれにしても「こういう相手でも、勝点3を取りたかった」という寺田周平(川崎F)の言葉は、いわゆる「強いチーム」が持つ勝負強さを実現したかったということだろう。

 正直に言うと、この敗戦が残念でならない。いい流れで09年をスタートさせたその勢いに水を差された形になってしまったのはもちろん、前からプレスをかけられるとそこで耐えられないという日本代表の弱点を改めて露呈することにもなってしまったからである。自分たちが目指すスタイルを相手にやられ、そして押し込まれてしまうことほど屈辱的なことはない。フィンランドがこの試合をどれほど分析してくるかはわからないが、W杯最終予選の相手であるオーストラリアは確実にこの試合を見ている。日本に帰ってからの2試合は、かなりタフな試合になることを覚悟しなければならない。与えられた時間は短いが、原点に立ち返り、チームを立て直してほしいと思う。

以上

2009.01.29 Reported by 江藤高志
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