12月13日（土）/14日（日）Ｊユースカップ2008 2回戦
Ｊユースカップ2008特集 | 試合日程・結果 | 出場チーム紹介

★J's GOALとエル・ゴラッソのライター陣がJユースカップ2008注目選手をピックアップ！
【J's GOAL × EL GOLAZO Selection Pick Up Player】
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【横浜FM vs 塩釜】　：12/14（日）13:00＠MM21
清水を下して、2回戦に駒を進めたのは、宮城の名門・塩釜。塩釜はとにかく全員がハードワーク出来るチームを毎年作り上げてくる。遠藤康（鹿島）のようなスペシャルな選手も輩出した、東北のユースサッカーをリードする存在だ。今年のチームも飛びぬけた選手はいないが、全員がしっかりと戦えるチームに仕上がっている。それを実証したのが清水戦だった。劣勢を全員のハードワークで凌ぎきり、ワンチャンスをモノにした。持ち前の粘り強さで、Jユースの名門・横浜FMに挑む。
横浜FMは得意のサイドアタックが機能するかにかかっている。状況判断の優れたSB岡直樹と、ドリブラーのMF関原凌河の左サイド。そして得点力があるSB曽我敬紀と、技巧派MF小野悠斗の右サイド。この個性的な両サイドアタックをいかに活かして、分厚いブロックディフェンスを敷く塩釜を切り崩せるか。ここに注目したい。
個人的には、抜群のボディーバランスと重心の低さを駆使した、ダイナミックな身のこなしとスピードで前線をかき乱す、パワフルアタッカーの『マッチョ』ことFW松尾康佑に注目している。途中からの出場が多いが、彼はMF小野悠の弟であるFW小野裕二と共に、素早いドリブルと献身的な動きで試合の流れを変えられる選手であり、彼が今大会でどうチームのアクセントになるか期待したい。

【Ｆ東京 vs 京都】　：12/13（土）13:00＠深川Ｇ　（※J's GOAL取材予定カード）
ディフェンディングチャンピオンにして、今年の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)の王者・F東京がいよいよ登場する。注目すべき点はたくさんある。同大会MVPのボランチ三田啓貴、クレバーなCB藤原広太朗、高性能サイドアタッカー・山浦公裕、誰が出ても決定的な仕事が出来る岩渕良太、山村佑樹、重松健太郎ら豪華アタッカー陣と各ポジションに軸となる選手が揃い、総合力では今大会で1、2を争う。
その中で注目は2人の1年生、SB廣木雄磨と1年生ボランチの江口貴俊。廣木は10月のAFC U-16選手権　ウズベキスタン2008にU-16日本代表の一員として参加し、不動の左SBとして全試合フル出場を果たしている。彼の効果的なオーバーラップと正確なクロスは、アジア諸国を大いに苦しめた。チームでも質が高く『気が利く』プレーは大きなアクセントとなっている。江口はボランチの大貫彰悟が負傷で離脱していた間、彼の穴を見事に埋める活躍でJFAプリンスリーグ関東2008 1部リーグに大きく貢献した。正確なキックと豊富な運動量、小柄ながら当たり負けしないフィジカルの強さが魅力。2人とも将来のチームの核になる人材だけに、今大会でどう活躍するかに期待したい。
京都は京セラ、立命館学園とともに取り組む奨学金制度「スカラーアスリートプロジェクト」を取り入れてから、急速に力をつけてきた。すでにトップチームでデビューしているU-16日本代表の宮吉拓実を筆頭に、駒井善成、山下嗣紋など1年生に力を持った選手が多く、今後の伸びシロでは今大会の中でも群を抜く。大きな経験の場となる今大会。若い力が爆発すれば、一気に頂点まで駆け上がれる力を持っているだけに、このF東京との一戦が大きな鍵となりそうだ。

【Ｃ大阪 vs 千葉】　：12/14（日）14:00＠南津守
今年のプリンスリーグ関西のチャンピオンは、攻撃のトライアングルがチームを動かしている。チームの大黒柱・山口螢、左利きの左サイドのスペシャリスト・丸橋祐介、U-16日本代表の長身FW杉本健勇の『C大阪トライアングル』だ。
このトライアングルの魅力は3人ともユーティリティプレーヤーであること。山口はボランチからトップ下まで状況に応じて柔軟にこなし、丸橋は1年から左SBで力を磨き、今では左サイドハーフ、FWと起用にこなす。杉本もU-16日本代表ではFWだったが、チームではサイドアタッカーとしても起用されている。この3人が相手の状況、チームの状況を見てポジションを替えることで、トライアングルの形も変化していく。こうなると相手の守備の的は非常に絞りづらくなる。
対戦する千葉としては、この変幻自在のトライアングルをどう封じていくかがポイントとなる。苦戦が予想されるが、今年の千葉は城福敬監督も大きな手ごたえを感じるチームに仕上がっている。グループリーグでは東京Vユースを左右に大きく揺さぶって翻弄し、流れるような展開で3得点を奪ったように、チームの歯車は噛み合ってきた。さらに弾丸ドリブラーのMF岡庭和輝、FW高橋完治など2年生がここにきて急成長を見せており、今大会の台風の目になる可能性は十分にある。

【柏 vs ライオス】　：12/14（日）14:00＠柏
柏ユースはDF酒井宏樹、島川俊郎、MF仙石廉、武富孝介、比嘉厚平、山崎正登、畑田真輝、FW工藤壮人、指宿洋史など優秀な3年生が揃い、高い連動性をベースにした組織サッカーを展開。前評判は高く、どの大会でも優勝候補筆頭に挙げられるが、今年は未だノンタイトル。最後の大会で『最強チーム』の有終の美を飾るためにも、この初戦が重要になってくる。
今年のクラブユース枠に彗星のごとく現れたFCライオスU-18。ユース創立2年目で、メンバーはすべて1、2年生という若いチームは、Jユースカップの関西予選において準決勝でプリンスリーグ参加のエストレラ姫路、決勝でフジタ枚方FCと、関西の有力クラブユースを連破。代表決定戦では2試合で10得点無失点と圧倒的な力を発揮して、全国の舞台に乗り込んできた。DF西田太洋、MF安藤由翔を軸にスピーディーなパスサッカーを展開。全国初戦の相手は、いきなり『横綱』柏ユースとなったが、勢いに乗った彼らは臆することなく初の大舞台に臨んでくるだろう。
横綱が横綱相撲を見せるのか。はたまた無印の新興勢力が勢いのままに大番狂わせを起こすのか。注目の一戦だ。

以上

2008.12.12 Reported by 安藤隆人