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FIFAクラブワールドカップ2008は11日、オーストラリアのアデレード・ユナイテッド（アジア代表 ACL準優勝）対ニュージーランドのワイタケレ・ユナイテッド（オセアニア代表）の隣国同士の顔合わせで幕を開ける。
アジア2位の初出場アデレードは、ひとつ勝てばACL決勝で敗れたG大阪へのリベンジのチャンスがあるが、監督、選手とも「あくまで今の主眼は、ワイタケレ戦にある」と、まずは目の前の一戦に集中することを強調。一方、2年連続での出場となったワイタケレは、昨季は初戦のセパハン戦（イラン）で1対3と敗れ、いいところなく日本を後にしており「今年は昨年以上にいいゲームをしたい。いい準備ができた」（キャプテンのダニー・ヘイ）と大会初勝利に向け強い意欲を見せている。
かつては、ともにオセアニア地区でライバル関係にあったオーストラリアとニュージーランドのチームだけに（2006年よりオーストラリアがアジアに移籍）、お互いに負けたくないという意識は強いはず。ただ、実力的にみれば、やはりACLを勝ち抜いたアデレードの方が、優位に立っていることは間違いないだろう。実際に、過去Jリーグのサンフレッチェ広島でプレーした経験を持つアデレードのヴィドマー監督も「（オセアニアに比べて）アジアの方が質の高い試合が多く、そのなかで成長できた」とACLを戦ったことで、更なる手応えを感じているようだ。
ただし、大会の経験値という意味では、連続出場のワイタケレに分があるのも確か。「昨年、日本でこの大会を経験したことで、チームとしての団結力が高まった。何人かの選手は入れ替わったが、中心選手は変わっていない。自分たちの強みも弱みも熟知している」（DFジョナサン・ペリー）。
多くの選手がアマチュアであるワイタケレとしては、この大会に駒を進めたことがすでに成功と呼べるだけに、無欲であることが返って大きな成功を手にする武器ともいえるかもしれない。
アデレードは、屈強な肉体を誇るオーストラリア人選手に、FWクリスティアーノ、MFカッシオ、MFジエゴというテクニカルな3人のブラジル人を加え、チームとしてのまとまりのよさで、堅守からの素早い攻撃が目立つ。左サイドのカッシオがゲームを作り、いい形でゴール前のクリスティアーノにボールが渡る回数が増えれば、勝機は膨らむだろう。また、鹿島を下したACL準々決勝の第2戦で決勝ゴールを挙げた190センチを超える長身の右SB、コーンスウェイトの積極的なオーバーラップもひとつの武器である。
対するワイタケレとしては、昨年はキックオフ直後の失点で自滅した感があっただけに、まずは立ち上がりを凌ぎ、落ち着いた試合運びからチャンスを窺いたいところ。攻撃の軸は昨年同様、ソロモン諸島出身のエースFWトトリになるが、そこに今大会に向けて、補強した元横浜FCのブラジル人MFピメンタ（横浜FC時代はアドリアーノの名で登録）がどれだけ絡めるかがカギになりそうだ。
順当にいけばアデレードが勝利を収めるだろう。しかし、ワイタケレがサプライズを起こす可能性も否定できない。果たして、FIFAクラブワールドカップ2008はどんな幕明けとなるか楽しみだ。
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