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【J1:第33節 柏 vs 大分】レポート:石崎レイソル、日立台で有終の美は飾れず。シャムスカ大分に力負け。(08.11.30)

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11月29日(土) 2008 J1リーグ戦 第33節
柏 0 - 2 大分 (16:04//10,628人)
得点者:77' 鈴木慎吾(大分)、80' 上本大海(大分)
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序盤に攻め込み、その後も何度かチャンスを手にした柏だったが、AFCチャンピオンズリーグ出場を見据える大分を前に、結果は0‐2の完敗。今季限りでの退任が決まっている石崎信弘監督にとって最後の日立台という舞台で、ホームチームに歓喜が溢れることはなかった。

戦前の予想通り、まさに消耗戦の様相を呈した両者の一戦。互いにチャンスを作り出し、いつ均衡が崩れてもおかしくない状況のなか、プレッシャーに耐えてみせたのは大分だった。徐々に相手をのらりくらりとしたペースに巻き込み、勝負どころで一刺し。カウンターチームの面目躍如たる試合運びには、石崎監督も「大分がなぜ上位にいるのかがよく分かるゲーム内容」と賛辞を惜しまなかった。

鈴木慎吾の飛び込みながらのテクニカル弾に続き、CKから上本大海のダイビングヘッドがゴールに突き刺さるまで、柏はまさに魔の時間帯とも言える終盤の3分間でゲームを失うことに。1失点後に気落ちした部分はあるのかとの問いに対し、小林祐三は「うちはもう、1点取られてどうこうというチームではなくなった」と話したが、選手たちの思いとは裏腹に試合は推移することとなった。

もちろんこの一戦を前にした両者の順位(柏10位、大分5位)を考えれば、あくまでも順当な結果であり、柏にとっては力負けという試合。指揮官最後のホーム戦で勝利を捧げたいという意欲は十分だったが、最大限のモチベーションで臨んだゲームで力の差を見せつけられたという事実は、真摯に受け止めなければならないだろう。

特別な感情があったからこそ、この試合では最初から飛ばし過ぎた感の否めない柏だが、ペース配分以外に改めて積み重なった修正点は、まずは最終節に向けての消化すべき課題となる。中央の守備を固めるチームに対しての崩しのアイデア、イージーなパスミスを減らすための動き出し、セットプレー時の守備、サイドアタックへの対応。今季最後の戦いとなる天皇杯が終わるまで、石崎レイソル最終型への歩みを止めるわけにはいかない。

一方、アウェイでしてやったりの結果をつかんだ大分は、ACL出場に必要不可欠な勝点3を奪取。最終節での逆転劇に向け、これ以上ない形で試合を締めくくってみせた。柏のキャプテン大谷秀和が「あの2人は相当なレベルにある」と称したウェズレイ、高松大樹の巧みなキープを活かした、嫌らしいまでのカウンターアタックを“本物”に昇華させることができるのか。最終戦となる次節名古屋との一戦でサポーターに見せるべきは、今季の集大成となる。

「'08 日立台劇場千秋楽、石崎さんに捧げます」。柏サポーターが聖地に掲げた想い。試合前に石崎監督の名がコールされた際に送られた、両チームのサポーターからの割れんばかりの拍手。そして、最後にかわされた監督とサポーターたちとの固い握手。最高の雰囲気で行なわれた一戦を、チームの勝利で完結させることはできなかったが、この日、柏にとっては間違いなく歴史に残る1ページが記されることとなった。

以上
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