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【J1:第32節 磐田 vs 柏】レポート:3つの局面があった激しくスリリングな熱戦は、どちらにとっても勝点2を失った痛み分け(08.11.24)

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11月23日(日) 2008 J1リーグ戦 第32節
磐田 3 - 3 柏 (16:03/ヤマハ/14,766人)
得点者:18' ジウシーニョ(磐田)、54' ロドリゴ(磐田)、56' 杉山浩太(柏)、74' 菅沼実(柏)、86' 古賀正紘(柏)、89' カレンロバート(磐田)
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 絶対に勝たなければいけない試合で2-0から逃げ切れなかった磐田と、一時は逆転しながらロスタイムの失点で勝ち切れなかった柏。どちらにとっても痛い引き分けとなったゲームは、試合後のオフト監督の言葉通り、時間帯によって「3つの局面」に分かれた。

 1つめの局面は、前半の戦い。磐田は、前節・清水戦とまったく同じスタメン。柏はGK菅野孝憲とフランサをケガで欠き、南雄太が久しぶりにゴールマウスを守り、1トップはポポが務めて、トップ下にはアレックスという形でスタートした。だが、どちらも意図したプレーメイクができたとは言えない45分間だった。
 磐田の守備は、両サイドの駒野友一(右)と村井慎二(左)が、柏のウインガーである菅沼実(左)と太田圭輔(右)に付いて5バックに近い形になり、中央はポポ1人だったため、3バックのうち2枚余る状況が多くなった。そのため、中盤より前の人数が足りなくなって、狙いとする前からのプレスがかからない状況になった。
 それは柏側から見れば、サイドバックが上がればフリーになりやすい状況だったが、柏側もそれを生かすことができない。「前半はロングボールが多すぎて、うちのボランチとFWの間で受ける選手が少なかった」(栗澤僚一)ために、縦に速い単発の攻撃が多くなり、前線でタメを作り両サイドバックが上がって相手をゴール前まで押し込むという時間を多く作ることができなかった。
 そのため、縦の行き来が激しいゲーム展開になり、観ている側からすればスリリングだが、コーチ陣にとっては落ち着いて観ていられる展開とは言えなかった。

 ただ、磐田のほうはロングボールを2トップの前田遼一とジウシーニョが頑張ってよくキープしたため、柏のDFラインを押し下げ、中盤の選手がサポートしてサイドに展開する形を何度か作ることができた。それもあって、後ろで2人余る守備の問題点は、表面化しにくい状況になっていた。
 そして磐田の先制点も、ロングボールとトップの頑張りというパターンから生まれる。前半18分、自陣からのロドリゴのロングパスをペナルティエリア内に飛びこんだジウシーニョがうまく受けてシュート。一度はDFにブロックされたが、その跳ね返りからもう一度ジウシーニョがボレーシュートを放ち、ゴール右に貴重な先制ゴールを決めた。
 柏も前半で何度かチャンスを作ったが、35分の左クロスから生まれた太田の決定機ではシュートが左に外れてしまう。こちらはチャンスを生かすことができなかった。

 後半に入ると、2つめの局面が始まる。柏は太田に代えて李忠成を入れて2トップに近い形に変え、アレックスは右サイドに移動。磐田も、オフト監督の指示で3バックのマークを徹底させ、柏が2トップ気味にしてきたこともあって2人余る状況は少なくなった。
 そうしたハーフタイムの修正によってお互いに中盤を作れるようになっていく中、早い時間にセットプレーで試合が動く。9分に松浦拓弥が獲得したペナルティエリア右外のFKから駒野がクロスボールと見せかけて意表を突く低くて速いシュート。これをGK南がキャッチしきれず、弾いたボールをロドリゴが頭で押しこんで、磐田が2点目をゲットした。

 しかし、柏もすぐさま反撃。再開のキックオフ直後にロドリゴのファウルで左FKを獲得すると、ポポのキックから杉山浩太が見事なヘディングシュートをゴール右に決め(11分)、直前の失点を帳消しにした。
 そして、その後は柏の攻撃が勢いを増す。前半と違って「(李)忠成が真ん中でどっしり構えることによって、1回ボールを当てることができた。それで相手を中に一度集めて、そこからサイドへの展開というのができた」と栗澤が言うように、李のキープからボランチの押し上げが可能になり、1人1人の距離が近くなってリズム良くボールが回るようになり、攻撃の厚みも増した。
 それによって磐田のほうはDFラインがじりじりと下がってしまい、中盤にスペースができて選手たちが消耗し、マークが徹底できない場面が多くなっていった。
 そう考えると、29分の柏の同点ゴールは試合の流れがそのまま反映されたと言える。中盤左で犬塚友輔が簡単にかわされた場面から柏の速攻が始まり、磐田の対応が後手後手になる中で柏が素早くパスをつなぎ、ポポの右クロスを李がスルーしてファーサイドの菅沼がフリーで押しこむ鮮やかな同点弾だった。

 ホームで勝点3が何としてもほしい磐田は、山本康裕(31分)、中山雅史(34分)を投入して必死に勝ち越し点を狙いにいくが、柏に傾いた試合の流れはなかなか変えられない。そして41分には、柏・アレックスの右CKに対してGK川口能活が飛び出したがボールに触ることができず、古賀正紘にヘディングシュートを決められて、ついに逆転を許してしまった。

 こうなると、リスクを嫌うオフト監督としても捨て身の攻撃モードに出るしかない。DFの茶野隆行を前線に上げて、なりふり構わず同点ゴールを狙いにいった。これが3つめの局面。
 そのチャレンジがアディショナルタイムに入ったところで実を結ぶ。37分にイエローカードを受けて残り2試合の出場停止が決まっていた茶野が気合いのシュートでCKを獲得。そして駒野の左CKから、途中出場(後半27分)のカレン・ロバートがニアサイドで執念のヘディングシュートを決め、再び同点とした。
 その後も5分間のアディショナルタイムで非常に激しい攻防が見られたが、結局3-3のままタイムアップの笛を迎えた。磐田にとっては、3点とも防げる失点だっただけに非常に痛い引き分けとなったが、幸いにして残留争いのライバルたちが引き分け以下に終わったため、順位が落ちることはなかった。残り2試合、ますます予断を許さない状況が続くことになる。
 ただ、その中で気になる点が1つ。オフト監督は前半の守り方を否定し、後半は岡田隆に対して相手FWが中盤に下がってもしつこく付いていくように指示を与えた。だが選手のほうは、後ろで2人余るのは仕方ないと割り切って危険なスペースを埋めた前半の形のほうがやりやすかったと振り返る。このあたりの指揮官と選手たちの意識のズレは、次に向けて擦り合わせていかなければならないだろう。

以上
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