9月27日（土）J2 第38節 湘南 vs 甲府（19:00KICK OFF/平塚）
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　湘南は前節、接戦の末に仙台に敗れ、連続無敗記録を11で終えた。劇的なロスタイム弾によって、いわゆる89分のドラマはアウェイチームのものとなったが、しかし勝点1差でしのぎを削る相手に対し、同じドラマをもしも湘南が演出していたとしたら、シーズンの流れをさらに引き寄せ、より加速度を増す契機となったに違いない。結果として明暗分かれたが、勝負の瞬間には闘う者たちの思惑や駆け引きが潜む。

　くだんの仙台戦を振り返り、菅野将晃監督は「成長を感じた」と口にした。
「結果を出せなかったことは非常に残念。ただ、強く巧い仙台に対し、過去2戦は圧せていなかったが、前節は内容をしっかりつくることができた。攻撃の連動性や判断の広がりといったサッカーの質の部分で、チームの成長を感じられた」

　思えば、仙台との今季開幕戦では、圧される展開のなかで1点をもぎ取り勝利した。第2クールのアウェイ戦では、早々に2点を先制されてから追いつき、2人の退場者が出たなかで守りのリズムをつくり、引き分けに持ち込んだ。それぞれのゲームに手応えがあるなかで、仙台というひとつの指標を通してチームの成長が垣間見える。

　さらに指揮官は、スタジアムを染めた1万2千人近くのサポーターを振り返り、目を細めた。
「よいゲームをひとつでも多くサポーターに見せたいと思っている。また我々はそういうクラブになっていかなければいけない。スタジアムの雰囲気を含めて次に繋がって欲しいと思うし、我々はそこでまたいい闘いを魅せたい」

　指揮官が見据えるその次なる相手は、ここ9試合を5勝4分の負けなしと波に乗る甲府である。第1クールから第2クールにかけて苦しい戦いが続いたが、マラニョンとサーレスが加わった7月から上位との差をじりじりと詰め始めた。出場12試合でマラニョンが6点、サーレスが5点と、この2人のブラジル人FWはコンスタントにゴールを重ねている。前節のホーム岐阜戦では、彼らに加え大西容平も2ゴールを挙げ、4−0と圧勝した。湘南との今季の戦績は2敗と甲府が負け越しているが、チームの陣容の異なる3度目の対戦に、過去の戦績を安易にトレースするわけにはいかないだろう。

「大事な一戦」と、菅野監督は語る。
「無敗記録やホーム連勝が途切れて、あらためて迎える大切な試合です。トレーニングのなかでも選手たちから勝利への強い意欲を感じる。高い意識を持って甲府戦に臨みたい」　我々の闘いは本当に一戦一戦だと、指揮官はかみ締めるように口にした。ホームの力とともに、菅野湘南があらためて目の前の一戦に挑む。

以上

2008.09.26 Reported by 隈元大吾