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【AFCチャンピオンズリーグ アデレード vs 鹿島】レポート:「小笠原ショック」から立ち直れず。鹿島はどうしても必要だった1点を奪えずアジアでの戦いを終える(08.09.25)

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9月24日(水) AFCチャンピオンズリーグ
アデレード 1 - 0 鹿島 (19:00/アデレード/16,965人)
得点者:73' コーンスウェイト(アデレード)
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試合終了後、茫然と立ちつくす選手たち。無言でミックスゾーンを通り過ぎる大岩剛の目は潤んでいるように見えた。小笠原満男を失い、オーストラリア遠征では厳しい戦いが予想された鹿島アントラーズ。チームは一丸となって戦ったが、アデレードの高い壁を崩すことができなかった。ACL制覇に向けての戦いは、準々決勝敗退で終わった。

1万6500人収容のハインドマーシュスタジアムはほぼ満席。発表された入場者数は16,965人。スタンドの通路には立ち見のサポーターが二重三重で埋まった。会場の雰囲気は、サッカーの会場というよりはアメリカンスポーツのスタジアムのよう。アデレードUのサポーターは、拍手と「ユナイテッド!」というかけ声だけで応援する。しかし、これが会場全体に響くため、チャンスになるとアデレードUの選手たちを力強く後押しした。

前半は、アデレードがゲームを支配する。左サイドバックのジェーミソンと左MFカッシオが鹿島の右サイドに襲いかかる。5分、2人の壁パスで右サイドを突破しセンタリング。その他、鹿島はゴール前に押し込まれ、ピンチの連続となってしまう。最大のピンチは16分。オフサイドと思われたタイミングで鹿島の右サイドを抜け出したカッシオがグラウンダーのセンタリングをゴール前に送る。ゴール前には逆サイドからドッドがフリーで走り込む。アデレードUが先制点を奪ったかと思われた瞬間、なんとドッドがシュートを空振り。鹿島は九死に一生を得る。さらに20分。そのドッドが中田浩二からボールを奪うと、カバーに入った大岩もかわしてゴール前に速いセンタリング。アゴスティーノがゴール前に走り込むも、わずかに合わせることができなかった。

鹿島が苦戦した理由は、中盤がまったく作れなかったため。4−5−1と中盤の枚数を増やし、前からプレスを敢行してきたアデレードUに対し、ボランチの位置でボールをさばくことができず、サイドの狭いスペースに押しやられてしまう。サイドラインに押しやられると、フィジカルの強いアデレードUの選手の方が有利。ダニーロ以外、前を向けない鹿島はなかなかゲームをつくれなかった。

とはいえ、前を向ければチャンスになる。11分には本山雅志がピッチ中央をドリブルで持ち上がり、右サイドからインサイドに切れ込みながら内田篤人にパス。そして、内田がDFラインを抜け出した興梠慎三にパスを出すと、GKと1対1に。興梠のコントロールシュートは惜しくもGKに弾かれゴールには至らなかったものの、本山からビッグチャンスが生まれた。中盤で怖がらず前を向くことができれば、高い壁となる最終ラインの選手たちも裏への抜け出しには付いていけない。42分にも本山からDFラインの裏を取った興梠にスルーパスが出たものの、この得点機もものにすることができずに前半を終えた。

後半は、鹿島が良い入り方をする。攻守の切り替えが速くなり、攻撃に失敗してもすぐにボールにプレッシャーに行くため、敵陣近くで奪い返すことが多かった。必然的にボールを支配する時間が増え、押し気味にゲームを進める。しかし、57分ころ、それまで鹿島の攻撃を牽引してきた本山が足を気にし始め、62分に野沢拓也と交代すると流れはアデレードに移ってしまった。再び左サイドからチャンスをつくられるようになる。すると72分、左サイドからカッシオが上げたセンタリングに右サイドバックのコーンスウェイトが頭で合わせ、アデレードUが先制点をあげた。

これで苦しくなった鹿島は、中後雅喜に代えて増田誓志。中田に代えて田代有三を投入し、パワープレーを仕掛ける。疲れの見えていたアデレードの長身DFに対し田代の高さが生き、ディフェンスは混乱状態になる。しかし、ボールに寄るアデレードUの選手たちをいなす冷静さが鹿島の選手にもなかった。終了間際にはマルキーニョスのセンタリングに、前線に上がっていた岩政がダイビングヘッドで合わせるもシュートはGK正面へ。懸命に得点を奪おうとプレーしたものの、1点が遠かった。最後までアデレードUの堅守を崩すことができず、1−0のまま試合が終了した。

鹿島アントラーズにすれば、小笠原の穴を埋めきれなかったのが痛かった。けがで長期離脱後、初めてのこの試合、彼がどれだけ偉大な選手だったのか、改めて感じる。ただ、選手たちは必死にプレーしていた。悔しい敗戦ではあるが、全力を尽くした戦いであった。会見場にあらわれたオリヴェイラ監督の表情は穏やかだったのも、そうした理由があってのことだろう。ACLとリーグ戦の2冠を目指したシーズンだったが、残念ながらリーグ戦を狙うしかなくない。日本に帰ってすぐ、清水とのリーグ戦(9/28@カシマ)が控えている。怪我人が多く満身創痍の状態とも言えるが、アデレードまで応援に来てくれたたくさんのサポーターのためにも、リーグタイトルだけはなんとしてでも獲得したいところだろう。

以上

2008.09.25 Reported by 田中滋
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