9月5日（金） 2008 J2リーグ戦 第34節
愛媛 2 - 2 湘南　（19:04／ニンスタ／3,169人）
得点者：21' 石原直樹（湘南）、23' 田中俊也（愛媛）、74' トゥット（湘南）、86' 三木良太（愛媛）
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今シーズン、全試合スタメン出場を続けていたＭＦ赤井を累積警告による出場停止で欠いた愛媛だったが、代わりに江後が怪我から復帰。その江後、あるいは２トップの田中と内村が左サイドの高い位置でボールを受け、まずは愛媛が試合の主導権を握るかに思われた。しかし湘南は２１分、ＭＦ加藤がＤＦの背後を狙ったボールに対して、迷うことなくラインの背後に抜け出したのはＦＷ石原。愛媛のＤＦ南がクリアし切れず、転がり込んできたボールを冷静にゴール右へ流し込んで先制点を奪う。
それでも左サイドから仕掛け続けた愛媛は、その直後にＤＦ三上がタッチラインまでドリブルで運んでコーナーキックを獲得。ＭＦ青野のキックに内村がニアで合わせ、最後はフリーの田中が押し込み、愛媛がすぐさま同点に追いついた。

その後もロングボールを織り交ぜ、サイドの高い位置にボールを運んだ愛媛。「前から行くと中盤を飛ばして蹴られるので難しかった」と石原が振り返ったように、湘南はラインをコンパクトに保てず、セカンドボールを拾えない状況が続いた。ただ、一方の愛媛も素早くボールを前に運びながら、最後はボランチの青野ら２列目が飛び込む場面をつくったが決め切れない。すると７４分、この均衡を破ったのは湘南に加入して２試合目の出場となるＦＷトゥット。ゴール正面のやや右サイドで得たフリーキックを、コントロールされたキックで左サイドネットに沈めて再び愛媛を突き放した。

新戦力が結果を残した湘南に対して、愛媛もこれまでになかった攻撃のパターンで湘南のゴールを脅かす。７５分にはＤＦ高杉が蹴ったフリーキックが、ＧＫ金の手をはじいてクロスバーを直撃。さらに８１分、江後のクロスにニアで飛び込み、頭で合わせたのは右サイドハーフの関根。本来は右サイドバックの選手だが、中盤の駒不足から急遽サイドハーフで起用されると、持ち味の気迫溢れるプレーでチームを活性化させた。そしてスタジアムがこの日一番の盛り上がりを見せた８６分。ここでも愛媛は左サイドから青野、三上と素早く縦に繋ぐと、クロスに合わせたのは途中出場のＦＷ三木。怪我に悩まされていた三木の６月１５日以来となる今季２得点目が愛媛に勝点１を呼び込んだ。

「普段なら、しのぎ切れたところで愛媛のパワーが同点ゴールを生んだ」と湘南の菅野監督は脱帽したが、勝って昇格を争うほかのチームにプレッシャーを与えたかった湘南としては悔やまれる終了間際の失点。しかしそれよりも負傷でＤＦ斉藤を、累積警告で石原を欠く次節(９月１４日・横浜ＦＣ戦＠平塚)は正念場。この日９試合に伸ばした無敗記録を攻守の要を欠き、続けられるか。

一方の愛媛は今季８度目の連勝チャレンジにまたしても失敗。これまでと同じようにミスから失点を招き、勝点３と今季初の連勝を逃した。ただ、第３クールに入って固定された２トップは今節、田中が5試合ぶりのゴールで結果を出した。前々節は内村も得点を決めており、前線が安定したパフォーマンスを発揮しはじめたことでチーム力は安定してきた。前節は約１年ぶりにＤＦ松下が怪我から復帰、今節は三木も復活を告げるゴールを挙げた。次節はＤＦ金守が出場停止となる一方で赤井が戻ってくる。甲府（９／２０＠ニンスタ）、広島（９／２３＠広島ビ）と強敵との対戦は続くが、そこでもチーム一丸となって課題とするゴール前での粘り強さを発揮できるか。上昇ムードの真価が問われる戦いが続く。

以上

2008.09.06 Reported by 近藤義博