9月7日(日)ヤマザキナビスコカップ 大分 vs 名古屋(18:00KICK OFF/九石ド)
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今、大分の練習場での合言葉は「謙虚にがんばろう」だ。
国立が手に届くところに来て決勝が現実的になった今、選手たちは目の前の試合だけに集中し、気を引き締めている。こういう時こそ足元をすくわれやすいからだ。
というのも、ベスト4をかけた準々決勝のF東京戦。このときもホーム&アウェイ方式だったが、大分はまずアウェイの味の素スタジアムで2−1で勝利した。大きなアドバンテージを持って九州石油ドームに帰ってきたが、第2戦の前半3分で先制を許し、ゲームを振り出しに戻されてしまった。これで追加点を取られてしまってはおしまい。「あの時は焦った。選手全員がそう思ったと思う。エジミウソンのゴール(前半40分)でみんな気楽になったと思う。もうあんな思いはしたくないので、ただ守りにいくのではなく、まずはしっかり守ってカウンターを狙いますよ」とDF上本大海は、前回のF東京戦での反省を教訓にしつつ、名古屋との第2戦の意気込みを語った。
準決勝はアウェイでの第1戦を1−1で終わり、アウェイゴールというアドバンテージを得た大分。第2戦、ホーム・九州石油ドームでの戦いはもちろん、「勝ちに行く」(シャムスカ監督)つもりだ。大分は第1戦、日本代表でGK西川周作が不在、大分の心臓部のダブルボランチ、エジミウソンが負傷、ホベルトが累積警告で出場停止ということで、代わりにGK下川誠吾、ボランチに藤田義明、西山哲平が入り挑んだが、下川の数々のファインセーブやコーチング、藤田、西山のボランチがしっかりと機能し、いつものメンバーとまったく遜色ない戦いを見せた。
一方の名古屋も腰痛の中村直志、代表で楢崎正剛、玉田圭司を欠き、代わりに米山篤志、西村弘司、巻佑樹で臨んだが、巻からのクロスでチャンスを作るなど、シャムスカ監督の言葉を借りて言うならば、「(後半は)ヤマザキナビスコカップ準決勝にふさわしい互角の戦いを見せた」。ただ、両チームとも失点が自分たちのミスによるものだっただけに、もったいない部分があった。
第2戦、日本代表組は間に合わないが、大分はボランチ・ホベルトが戻ってくる。ホベルトと組むのは、「ホベルトとの相性は西山、藤田どちらとも問題ないので、コンディションというよりも、戦術的なことで決めたい」とシャムスカ監督は前々日の練習後、語った。また、名古屋に関しては、中村直志が戻ってくるとの情報を得て、「中村の攻撃参加に注意が必要。攻撃が1枚増えることになる」と警戒を示している。
シャムスカ監督に、第1戦の前半が0−0で終わったことについて尋ねると、「全て想定内だった。前半はやりたいことができなかった。選手たちには、数パターンで準備するように言っていたので、開始5分ですぐポジションの修正をした。マークはしっかりできていたが、前半の課題は守備から攻撃に移る際の切り替えの質が悪くて、思うようにできなかった。後半はできるようになった」と反省点を語った。名古屋の猛攻に対して、DFラインが下がってしまい、なかなか攻撃に転じる時のスタートもリズムが作れなかったという。
お互いの手の内は前回の対戦で十分わかっている。どの選手に聞いても一番の注意点は、名古屋のサイド攻撃、いいクロスを上げさせないことという。第1節は大分の両サイド、鈴木慎吾と高橋大輔がワイドの選手をがっちりとマークし、守備の時には5バックになるほどだった。シャムスカ監督も「鈴木と高橋は1人2役の仕事をしてくれた」と評価。高橋は試合後半には足がつるほどのハードワークだった。「でもそのハードワークも楽しかったです」という鈴木。今、大分の選手たちは「自分たちで大分の歴史を塗り替えるため」気持ちはひとつだ。第1戦の戦い方をすれば、勝利も見えてくる。点を取らなければならないのは、名古屋の方だ。
「ホーム&アウェイは難しいところがある。ひとつ言えるのはウチのDFはしっかりしている。ウチの戦い方ができれば、第2戦用の戦いは十分できる」というのは西山だ。
恐らく、立ち上がりから猛攻を仕掛けてくる名古屋に対して、リーグ最少失点を誇る大分はどれだけ守ることができるか。「失点ゼロでいければ間違えない」とGK下川。
ファイナル、国立は夢ではない。
以上
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