9月5日（金）J2 第34節 愛媛 vs 湘南（19:00KICK OFF/ニンスタ）
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前節、アウェイで岐阜を下し、５試合ぶりの勝利を飾った愛媛。ただ、２点をリードした前々節の水戸戦だけでなく、その直前の鳥栖戦でも相手を上回るシュートを浴びせ、いい形でゲームに入りながら勝利を手繰り寄せられていなかった。しかし岐阜戦では「早く復帰したかったし、勝ってサポーターのところへ行きたかった」というＧＫ川北が１９試合ぶりの復帰を果たすと、守備陣は最後まで集中を切らすことなく完封劇を演じて勝点３を獲得。第３クールで課題に上げていたゴール前での「責任感」あるいは「厳しさ」を攻守ともにピッチの上で９０分間やり切って、ようやく結果に結びつけた。

しかし今節、愛媛がホームのニンジニアスタジアムで迎え撃つ湘南は現在８戦負けなしの強敵だ。前節は昇格圏内突入をうかがう草津を４−０で一蹴しており、愛媛にしてみれば第２クールでの大敗(７月１３日＠平塚・１−４ /jsgoal_archive/result/2008/0713/20080200030320080713_detail.html )をも思い起こさせる内容となった。その対戦で愛 媛は阿部と石原の２トップにゴールを許したが、前節の草津戦で２得点をあげた原も昨季はニンスタで２得点を挙げている。

そのＦＷ陣を軸に弱冠１７歳の菊池や３８歳の加藤、第２クールの愛媛戦でＪ２通算３００試合出場を達成した坂本ら中盤も個性的。トゥット、ナザの新外国籍選手も加え、「奪われ方が悪いとピンチを迎える」と望月監督も警戒する湘南の速い攻撃は愛媛にとって脅威だ。その一方で「どうしのいでワンチャンスをモノにするか、やることはハッキリする」と語る川北。「２トップからの仕掛けは良くなっている」と望月監督が評価を与えた田中と内村の２トップが、逆に湘南に対して攻守に渡ってプレッシャーを与えられるか。愛媛にとっては生命線である両サイドでの攻防を含めて自らのサッカーを貫き、自分達が前を向いてプレーする時間をどれだけ作れるかが強敵を撃破するための突破口となりそうだ。

ただし愛媛にとっては今節、赤井が累積警告で出場停止となり中盤の駒不足が依然として悩みの種。前節の岐阜戦では怪我から復帰した本来は左サイドバックの松下を右サイドハーフの横谷と代えたように、ＤＦの選手を急遽中盤にコンバートせざるを得ない状況に陥っている。狙い通り、愛媛が先に失点することなく試合が進んでいった時に、望月監督がどのような選手起用で勝点３を呼び込むか。新戦力を投入する機会をうかがう菅野監督とともに、両監督の采配にも注目したい。

「ＶＴＲを見る限り、恐ろしく強い」「広島と同じくらい強い相手」と湘南の強さを認める愛媛の選手たち。しかし一方で、今季初の連勝をかけた次の試合が「本当に大事だと、みんなが思っている」と力強く語る川北。「勝てばもっと波に乗れるし、自分達でその波をつかまないと」と続けたが、ゴール前で岐阜戦を上回る「責任感」と「厳しさ」を湘南相手に出し切れるか。波に乗り切れなかった第２クールと同じ轍を踏まないためにも、正念場の一戦だ。そして２位・山形に肉薄し、少しでもプレッシャーを与えるためにも勝っておきたい湘南。両者とも、ただ上を目指して勝利を狙う戦いとなる。

以上

2008.09.04 Reported by 近藤義博