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【J2:第33節 水戸 vs 広島】レポート:水戸、行き当たりばったり布陣で玉砕。首位広島相手に手も足も出せず、収穫なき大敗を喫す(08.08.31)

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8月30日(土) 2008 J2リーグ戦 第33節
水戸 1 - 4 広島 (18:04/笠松/3,259人)
得点者:3' 荒田智之(水戸)、28' 森崎浩司(広島)、34' 佐藤寿人(広島)、59' 柏木陽介(広島)、82' 佐藤寿人(広島)
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「今日はメンバーが直前まで分からなかった。そういった意味で連係がうまく取れなかった」
「プレスがはまるかどうかは試合をやってみないと分からなかった」
赤星貴文が率直に語ったこの言葉が水戸にとってのこの試合のすべてだろう。

「力の差があった」とどの選手も口にしたが、それは戦前から分かっていたこと。その「差」を埋めるためにはチームが一つになって戦わないといけなかったはずである。それができなかった大きな要因として挙げられるのが、「練習ではやってない」(平松大志)メンバーで臨んだことだろう。大和田真史の出場停止を受け、木山隆之監督は広島の流動的な攻撃に対し、コーチングでカバーできる鈴木和裕をセンターバックに起用し、1対1に強いビジュ、中村英之をサイドバックで起用することとなったのだが、それは今週の練習どころか、今年に入って1度も試していない形であった。それで首位広島から勝利を得られるほど勝負は甘くなかった。

序盤こそ、両サイドバックがうまく広島の両ウイングバックをケアし、リズムをつかむことに成功し、広島のミスからゴールを奪うことができたが、15分過ぎから「少しずつ(連動性が)ずれていった」(パク・チュホ)ことにより、広島が主導権を握り始める。そして28分、左サイドでボールを受けた森崎浩司が中央に切り込む。その動きに対し、水戸は「マークの受け渡しがうまくいかなかった」(鈴木和)ことで、簡単に中央に入り込まれ、フリーでシュートを打たれて失点を喫してしまう。

34分の2失点目のシーンはチームとしての守備ができていなかった最たる例と言えよう。広島のDFラインのボール回しに対し、荒田智之がチェックに行く。だが、2列目の選手はついていけず、さらにDFラインも押し上げられぬままに完全に間延びしてしまった。そして、空いた中盤のスペースで起点を作られ、そこから左サイドを突破され、服部公太のクロスは佐藤寿人の頭にドンピシャリ。自ら掘った墓穴につけ込まれ、あっけなく逆転を許すこととなった。

いつもの水戸ならば、2失点を喫し、目が覚めるのだが、この試合においては最後まで眠ったままであった。「後半もプレスが中途半端になってやられてしまった」(鈴木良和)。広島のパスワークに翻弄され続け、さらに急造最終ラインの不安定さは変わらないまま、面白いようにDF裏のスペースを突かれ、59分に佐藤寿のスルーパスを受けた柏木陽介にゴールを決められ3失点目。そして、82分にはFKのこぼれ球に反応した佐藤寿に4点目を決められてしまう。攻撃においても「ボールを回すだけ」(平松)で、ゴール前に入れず。3分の先制点以降、チャンスらしいチャンスを作れないまま、試合を終えることとなった。

 水戸に圧勝した広島。昇格に向け、また大きな一歩を踏み出したと言えるだろう。しかし、「自分たちのサッカーはできなかった」と指揮官が振り返るように1人1人の運動量が少なく、さらに攻守の切り替えも遅かったため、広島らしい流麗なパスワークはいつもよりは影を潜めた。それでも4得点できたのは、チームの力もあるが、この試合においては水戸の守備組織のゆるさに助けられたと言えるだろう。だが、広島の強さはそれを選手たちが理解していることだ。「今日はあまりいいプレーできなかった。もっといいプレーをやらないといけない。満足できる試合ではない」と、圧勝しながらも気を引き締めながら語った柏木の表情から、勝利に対するおごりは微塵も感じられなかった。広島の独走が止まることはなさそうだ。

決して万全な出来ではなかった広島に手も足も出なかった水戸。首位を独走する広島と「力の差がある」のは当然。その差を埋めるために1週間かけて最善の形を見出すことがトレーニングの意味だろう。そこで策を見出さず、行き当たりばったりのメンバーで試合に臨んで大敗を喫したことが悔やまれて仕方ない。ベストメンバーで戦っていても負けていたかもしれない。だが、そこで何ができ、何ができなかったのかを理解することで次につながるはず。それすらも分からぬまま、最後まで歯車がかみ合わないまま敗れたことがこの試合最大の痛恨である。この試合から得たものを見つけるのはかなり難しい。

ここまで積み上げてきたものを発揮すべき第3クールで、我々はまだ何も見ることができていない。

以上

2008.08.31 Reported by 佐藤拓也
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