8月30日(土) 2008 J2リーグ戦 第33節
福岡 2 - 2 鳥栖 (19:03/レベスタ/15,158人)
得点者:22' 船谷圭祐(鳥栖)、52' 城後寿(福岡)、65' 城後寿(福岡)、81' レオナルド(鳥栖)
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今節の鳥栖は、前半に流れをつかむべく、素早い攻撃を見せていました。それは、ボールデッド状態(スローインやFK状態)でのリスタートの速さであり、DFからのFW藤田祥史へのくさびのボールでした。8分にはMF高橋義希が、福岡の守備態勢が整う前に強烈なFKを放ちました。16分には、左サイドからのスローインを素早く入れて、藤田のループシュートを導き出しました。18分にもDF谷田悠介が、FKのボールを早く入れることで、MF船谷圭祐のシュートまで持っていくことができました。
これらの、ゴールへ向かう気持ちがチーム一丸となったことで、22分の船谷の先制点を生むことができました。今季最終の福岡vs鳥栖で、鳥栖は前半の立ち上がりから『勝点3を得る姿勢』を見せていました。それだけ、鳥栖にとっての今節の試合の重要性が、身に染みて伝わっていたと思います。それは福岡にとっても同じことで、両チームとも負けるわけにはいかない一戦でした。
22分に、藤田が左サイドでFKを得ました。このボールを素早くインプレーにして、藤田がくさびのボールとしてMF鐡戸裕史に落としました。鐡戸は落ち着いて、ゴール中央でフリーになっていた船谷に繋ぎます。船谷はレフティーですが、ゴールまでの軌道をイメージして右足に切り返しを行い、福岡ゴールのネットを揺らしました。鳥栖に加入して2戦目の船谷ですが、チームになじんでいることを証明するゴールとなりました。
このあとも再三好機を迎えはするのですが、福岡の身体を張った守備に2点目を奪うことができません。この追加点を取れないことが、後半に福岡が突け込む機会を与えてしまいました。
後半に入ると福岡は鳥栖陣内でボールを支配し始めます。前半とは打って変わって、福岡に度々好機が訪れました。攻め込んだ結果、鳥栖ゴール前での混戦で、福岡のMF城後寿が左足で同点ゴールを押し込みました。65分には、再び城後がFW大久保哲也の放ったシュートに反応して、同じく左足で鳥栖ゴールに逆転となるシュートを決めました。この2本のシュートは、今季の鳥栖vs福岡の戦いで入れられた得点に共通するものがあります。それは、自らのミスが招いた結果であると言うことです。
第8節・レベスタで0-2と完敗した2失点も、第17節ホームのベアスタで1-3の3失点も、どれも鳥栖のミスから生まれた失点でした。サッカーにミスは付き物ですが、J1昇格争いを演じているチームには失点につながるミスは許されません。ここで、勝点の上積みができなければ、他チームに抜かれてしまうことになります。そのことは、ピッチで戦う選手とベンチで戦況を見守るスタッフにも分かっていることです。
その心配を、途中出場のレオナルドが振り払ってくれました。81分、中央でボールを受けたレオナルドが右サイドにドリブルで流れました。この時、福岡のゴール前には藤田とMF廣瀬浩二が走り込んでいました。そこに合わせたクロスボールは福岡の選手に当たり、コースを変えてゴールに吸い込まれてしまいました。「何としても点を取りたかったから、その気持ちがコースを変えた」とレオナルドのゴールに対する執念が実った同点ゴールとなりました。
鳥栖は、今節敗れると混沌とした上位争いから一歩後退することになります。福岡は、J1昇格の可能性が限りなく低くなるところでした。この両者の想いが、攻守の早い切り替えと、全力を出し切った好プレーの数々を生んだのでしょう。試合終了のホイッスルと同時に、グランドに倒れ込む選手がとても多かったことで、そのことが分かります。まさに、今季最後の福岡vs鳥栖の『九州ダービー』は、痛み分けの様相でした。
先制し、逆転され、追いついた鳥栖は、前半に見せた前線からのチェイシングと後半に追いついた気迫をもってすれば、次節の対甲府戦(9月7日、ベアスタ)で、必ずや勝点3を上積みすることでしょう。逆転し、追いつかれてしまった福岡も、前節の広島戦を除けば、2得点を挙げるだけの攻撃力を有していることを、今節も実証してくれました。お互いに次節に期待が持てる内容を実践してくれたと思います。
残りの11試合、お互いに全力で戦い抜きましょう。それが、Jリーグを盛り上げることにもなれば、チームの実力にもなります。そして、応援しているサポーターへの選手たちからのメッセージにもなります。そのメッセージを信じて、力の限り応援していきましょう。
サッカーは、点を取るだけのスポーツではない。
勝点を上積みしてからこそ、その得点が大きな意味を持つ。
長いリーグ戦では、引き分けでも勝者と敗者になることがある。
1点の重みを知れば、サッカーの醍醐味が倍増する。
以上
2008.08.31 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
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