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【J2:第1節 鳥栖 vs 山形】レポート:Jリーグ加盟後、開幕戦初勝利の鳥栖。苦しい時間帯を耐えて終了間際の決勝点につなげる。終始ペースをつかんだ山形は、フィニッシュが決まらず苦杯を味わう。(08.03.08)

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3月8日(土) 2008 J2リーグ戦 第1節
鳥栖 1 - 0 山形 (14:05/ベアスタ/7,057人)
得点者:86' 飯尾和也(鳥栖)

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J2ディビジョンが発足したのが1999年。その時からJ2を戦いの場としている鳥栖と山形。J1での経験がない者同士の戦いとなった開幕戦は、“劇的”な終了間際のゴールで、鳥栖の勝利となった。
この“劇的”なゴールを演出したのが、前半からペースをつかんだ山形だった。

今年から「ベストアメニティスタジアム」と名前を代えた鳥栖のホームスタジアム。
スタンドに開幕を心待ちにしていた鳥栖のファンとサポーターたちは、キックオフと同時に鳥栖の攻撃的なサッカーを期待していた。

しかし、開始から山形のワイドな展開に鳥栖は後手を踏み続けた。鳥栖は、前線からプレッシャーをかけてボールを奪いに行く。必要ならば、2人3人と争点に人数をかける。そこで、ボールを奪えれば鳥栖のペースだが、山形は鳥栖がプレッシャーをかける前にボールを散らした。当然、人数をかける鳥栖には、サイドに大きなスペースができる。そこに山形DFレオナルドと石川、宮本がボールを送る。送られた先には、MF宮沢、北村が走りこむ。当然のごとくボールの支配率は山形に分がある。前半の山形のシュート数8本に対し、鳥栖は1本とスタンドに詰め掛けた鳥栖ファンとサポーターの期待を裏切っていた。時間の経過ともに、山形のサイドへの展開と2トップの豊田、リチェーリがフィットし始めると、流れは完全に山形のものだった。

「今日は何が何でも結果を出したかった」と岸野監督は試合後に振り返った。その結果を求めるべく、後半開始からFWに19歳の谷口を送った。前線での基点を作る必要があると感じて、運動量のある廣瀬に代えてのことだった。その作戦は功を奏し、流れは少しずつ鳥栖に傾いていった。
しかし、完全に鳥栖の流れにするためには谷口だけでは足りず、2月26日に指定強化の申請が受理されたばかりの長谷川博一(広島経済大学)を68分に、山城を77分に送り込んだ。

鳥栖の選手交代の間にも、決定的なチャンスは山形が演出していた。51分には、宮本からのクロスを豊田がボレーシュート放った。68分の宮沢のFKは、壁の間を抜けてポストをはじいた。しかし、鳥栖の身体を張った守備にゴールを奪うことができなかった。

この身体を張った守備の中心には、鳥栖DFリーダーの飯尾がいた。昨季のシュートブロック数は、J2の中で最高位の数字を出した熱血漢である。
「開幕戦は硬くなることは分かっているから、メンタリティーを強く持たないといけない」と前日には語っていた。その言葉どおり、押し込まれても最後まで集中力を切らさずに、チームを鼓舞し続けた。

サッカーの神様は、時に粋な計らいを見せるものである。シュートをブロックし続けた飯尾に、鳥栖史上初の開幕戦勝利のゴールを与えたのである。

スコアレスドローも意識し始めた86分、右からのCKのクリアボールを豪快にゴール右隅に蹴りこんだ。
「枠に入れることだけを考えて蹴った」と飯尾は振り返ったが、あの瞬間にボールの中心を力強く振りぬく判断は、86分間守備に翻弄していた鬱憤を晴らしたものだった。

シュート数は、鳥栖の4本に対して山形の14本。
ゴールキック数は、鳥栖の17本に対して山形は9本と数字的には山形が圧倒していた90分間。それでも勝点3は鳥栖に入った。
「内容は反省点ばかり。それでも今日は結果が出たことを素直に喜ぶ」と岸野監督はコメントした。
試合内容は反省点が多かったが、昨季の大敗した開幕戦と10年間トラウマになっていた開幕戦の重圧を跳ね返すには充分な1勝である。今日だけは、ファンもサポーターも結果に酔いしれたに違いない。

42試合の長丁場の戦いが始まった。
全試合、勝利することはできない。
しかし、どのチームも“勝利”を目指して全精力を注ぐ。
“勝利”を信じて戦う限りには、終了の笛がなるまで、どのようなドラマが起こるか分からない。
サッカーは、最後まで目が離せないスポーツである。
だからサッカーは面白い。

以上

2008.03.08 Reported by サカクラゲン
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