11月4日(日) 第87回天皇杯4回戦
新潟 2 - 3 鳥栖 (13:01/東北電ス/9,504人)
得点者:3' 坂本將貴(新潟)、13' 金信泳(鳥栖)、15' 高地系冶(鳥栖)、50' 金信泳(鳥栖)、55' 河原和寿(新潟)
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鳥栖が3対2で新潟に逆転勝ちした。0対1で迎えた前半13分、金信泳のゴールで同点に、2分後、高地系冶が逆転ゴールを決めた。後半5分、金がダメ押しの3点を奪い勝負を決めた。
新潟は前半3分に坂本將貴が先制点を挙げるが、その後はゴールを割れず。反撃は後半10分の河原和寿のゴールにとどまった。
終了のホイッスルが鳴った瞬間、鳥栖のメンバーは思い思いにガッツポーズをみせた。うつむく新潟の選手たちとは対照的な様子で勝利を喜んだ。
天皇杯でJ1を破ったのは、2001年の3回戦で柏を破って以来6年ぶり。5回戦進出は初めてになる。アウェイで先制されるという最も嫌な流れだったが、あっさりと断ち切り自分たちに引き込んだ。
「高い位置でプレーができていた」。2対1と逆転するゴールを生んだ高地は言う。金がインターセプトから左サイドを突破し、中央に走りこんだ高地に託した。その2分前、金の同点弾は左サイドのフリーキックのクリアをボレーで押し込んだもの。後半の金のゴールは、中央を突破してのロングシュート。いずれも相手を押し込む展開で得点していた。
ポゼッションしようとする新潟にしつこくプレッシャーをかけた。新潟のボランチ、本間勲、シルビーニョには特に厳しく奪いにいった。そこから素早く展開する。試合開始から終了まで、足が止まる時間帯はほとんどなかった。「勝ちたいという気持ちが攻守の切り替えにつながった」。高橋義希はチームの統一された意志を勝因に挙げた。
リーグ戦前節の京都戦で3得点するなど、攻撃は好調。「ぼかしたところがなかった。はっきりと声を出してやっていた」(高地)とチームのやるべきことは徹底されている。残りのリーグ戦でこの戦いを続けることが、天皇杯の上位進出につながる。その手ごたえはつかんだ。
一方、新潟は2004年の4回戦、湘南戦以来の初戦敗退になった。昨年の5回戦、札幌戦に続いてJ2勢には2連敗だ。試合後、サポーターから大ブーイングが起きた。ゴール裏に戻りなおして頭を下げた坂本は「気持ちの部分で一人一人が気づかなければならないことがある」と、勝負に対するチーム全体の甘さを反省した。
相手のパスミスを奪って、坂本が先制点を挙げた。ホームで開始直後に先制。これ以上ない出だしだった。ただ、その後は鳥栖の鋭い出足の前にボールコントロールを失った。後半10分、右サイドのフリーキックから途中出場の河原がヘディングでゴール。この追い上げムードを持続できなかった。ほぼノープレッシャーのシュートをエジミウソンが枠を外すなど、詰めの甘さが目立った。武器になるはずの後半の運動量も上がらず、逆転されてからは後手に回るシーンがほとんど。「まずい試合」。新潟・鈴木監督の表現がチームの状態を物語っていた。
勢いに乗るきっかけをつかんだ鳥栖は、天皇杯の台風の目になる可能性を秘めている。新潟はきっちりと気持ちを引き締めなおせるかどうかが、今後のリーグ戦に影響してくる。
以上
2007.11.04 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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