10月10日(水)J2 第44節 湘南 vs 鳥栖(19:00KICK OFF/平塚)
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先の天皇杯第3回戦、V・ファーレン長崎戦でも存在感を示した坂本紘司は、今節を「重要な試合」と位置づけながら、「相手うんぬんよりもまずは走り負けないことが大事」と自分たちのスタイルを強調した。
坂本が口にした思いは、チームに等しく浸透しているようだ。終盤にきて持ち前の運動量にさらに磨きがかかっているように映る尾亦弘友希は、「一回に走る距離がみんなより長いからそう見えるんじゃないですかね」とおどけつつ、こんなふうに語ったものだ。
「うちのチームコンセプトはハードワーク。とくにシーズン当初は僕も含めてそれを意識して走っていたが、いまは意識しなくても体に沁み付いてきた。だからたとえ前半に押し込まれたとしても、後半になれば自分たちのリズムがつくれている。みんなトレーニングからハードにやっているし、走らないと勝てないから」
夏場の過密日程のなかではさすがにどのチームも疲労の色を隠せなかったが、風が秋色に変わったいま、ナイターでは存分にそのハードワークを発揮したいところだ。
さて、迎える鳥栖とは今季3戦を戦い、2勝1敗と湘南がリードしている。1、2戦では湘南が大量得点で圧勝したが(1戦目=5−0、2戦目=4−1)、再試合となった9月の第32節では鳥栖が2−1で湘南を退けた。中止となった8月の対戦で見せたアジエルに対するマンマークという策を棄て、DFラインと中盤をコンパクトに締めて対応してきたこのときの鳥栖のディフェンスはじつに効いていた。こと前半においては最終ラインの前を消し、湘南にクサビを入れさせない。作戦変更が功を奏した格好だった。後半に入るとアグレッシブな姿勢を強めた相手に両サイドで数的優位を許し、その結果堅く閉ざしていたはずの中央が次第に割かれていくが、湘南にとっては中2日の日程が続いたのちのアウェイ戦である。肉体の磨耗は計り知れず、最後はセットプレーから金信泳が捻じ込み、鳥栖が試合をモノにしたのだった。
その鳥栖は、しかしつぎの仙台戦からこれまで4試合未勝利が続いている。「今年の失点の3分の1は声が出せていないから」と岸野靖之監督が前節の草津戦後に語ったように、3ラインの連動を含め、守備がまずはポイントとなりそうだ。天皇杯から明けて中2日の遠征となるが、本来の走りきるサッカーで乗り切り、週末のホーム・仙台戦に繋げたい。
一方、昇格争いに食い込む湘南にとっても負けられない試合が続く。こちらもホームとはいえ中2日の日程は厳しい。だが一つひとつ、一戦必勝で目の前の敵に集中していきたい。とくに今節は、中止となった8月6日、もしくは代替試合の9月5日のアウェイ戦に足を運んだ湘南サポーターを招待するというクラブの粋な計らいも用意されている。すべての後押しを束ね、鳥栖を叩きに行く。
以上
2007.10.09 Reported by 隈元大吾
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