7月28日（土）J2 第31節 水戸 vs 草津（19:00KICK OFF/笠松）
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　燃え上がる「北関東ダービー」の第3幕。今年はここまで草津が2連勝を挙げているだけに水戸は絶対に負けるわけにはいかない。そして、草津もこの試合で勝利し、今季の「北関東ダービー」の勝ち越しを決めたいところ。「北関東」の盟主の座をかけて、熱い戦いになることに期待したい。

　だが、両チームともに苦しい戦いが続いている。水戸は前節愛媛と引き分け、連敗を6で止めたものの、7試合勝ちがない状況。対する草津も5連敗中で、前回の対戦（5月26日）以来2ヶ月も勝利から見放されている。中盤でのポゼッションを基盤にチーム作りをしてきた両チームだが、支配率を高めることはできてきてはいるものの、ゴールへ結びつけることができておらず、また、ポゼッションを意識するあまり中盤でミスをしてしまい、そこからピンチを招くパターンが目立つ。ともにここに来て大きな壁にぶつかっている様子。前節後の小椋の言葉が両チームの現状を表していることだろう。「負けている中で自信をなくしている。だから、思い切りのよさがない」。

　前節の水戸は愛媛相手に引き分けたものの、消極的なサッカーに終始。相手の速いプレッシャーをいなすためにロングボールを多く蹴ったが、セカンドボールに対する反応が遅く、完全に後手を踏むことに。水戸の目指しているアクションサッカーは完全に影を潜めた。その中でも残念だったのは眞行寺や椎原、鈴木孝らが思い切りを欠いたことだろう。村松やビジュらの欠場で出場機会が回ってきたものの、練習で見せるハツラツとしたプレーを見せることはできなかった。「チャンスを生かせなかった……」と眞行寺は試合後、唇を噛んだ。だが、下を向いてばかりはいられない。今節はけがの村松、ビジュの欠場に加え、金澤も出場停止。彼らの活躍なしでは勝利はあり得ないのである。そして、「思い切りのよさがない」（小椋）現状を断ち切るためにも彼らのアグレッシブなプレーが必要だ。「このチャンスを絶対につかむ」という強い気持ちこそ、この試合において最も重要なことだろう。

　草津も同じことが言えそうだ。今節は守備の要・チカが出場停止。そして、高田もけがで前節に続き、欠場が濃厚。チームを引っ張る彼らの不在はプレー面はもちろん、精神面での影響が大きい。2人を欠いた前節は前半だけで5失点という屈辱を味わっただけに、そこからいかに立ち上がることができるかが注目だ。櫻田や藤井をはじめ、若い選手がどれだけ苦境のチームを鼓舞することができるかにチームの命運は懸かっている。

　不振にあえぐ両チーム。だが、この試合はそこから脱するチャンスでもある。この苦しい状況で得る勝点3の価値は大きいと言えよう。主力が欠場する中で「新たな芽」の出現はチームに勢いをつけることに違いない。結果が出ず、自信をなくしている状況だが、両チームともに「やっているサッカーに間違いはない」（小椋）という気持ちが強い。だからこそ、1つの勝利がチームを上昇気流に乗せる可能性は高いのである。両チームにとって、この試合は今季のターニングポイントとなるかもしれない。

　ちなみにこの試合当日は大和田の26回目の誕生日。前回の草津との対戦で大けが（右前十字靭帯断裂、右内側側副靭帯断裂、全治7ヶ月）を負い、長期離脱を余儀なくされた大和田。この試合も右足ギプスで固めたまま、スタンドから観戦するしかできない。そんな大和田に対するプレゼント、それはただ1つであることは言うまでもない。選手・サポーターが一丸となって、大和田に最高のプレゼントを捧げよう。

以上

2007.07.27 Reported by 佐藤拓也