5月23日（水）J2 第17節 東京Ｖ vs 福岡（19:00KICK OFF/味スタ）
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どの試合も1つ1つがそれぞれ重要なことは言うまでもないが、J1昇格を目指す東京V、福岡、どちらにとってもこの一戦は特に大切な意味を持つ試合となりそうである。

前節・湘南戦で久しぶりのホームゲーム勝利を飾った東京Vは、1ヶ月半以上遠ざかっている「連勝」を目指す。ラモス監督も「今いちばん必要なのは連勝」と語っており、前節に次ぐホームゲームで連勝を飾り、いち早く自信を回復したいところだ。

日曜日の湘南戦では、初めて3−5−2からスタートし見事に結果を出したが、あくまで「オプションの1つ」とラモス監督は明言しており、対戦相手や試合状況、起用メンバーによって4バック、ダイヤモンド、ボックスと併用して使い分けていく考えだ。ただ、先週取り組み始めた3バックは、そもそも「福岡戦に向けて」とも語っていたため、前節機能したことも含めこの試合も3バックから入ることは十分考えられそうである。
そこで注目は中盤のメンバー構成だ。まず、開幕戦から前節まで全試合にスタメン起用し続けてきた右サイドバック福田健介の出場停止で誰を起用するのか。また、両かかと痛で前節を回避したゼ・ルイスの状態によっても顔ぶれは変わる。そして大きいのは名波浩の復帰が予想されることだ。「（ケガは）全然大丈夫。行けるよ」とこの試合に向けて着々と状態を上げており、準備万端整っているようだ。ラモス監督がどのような人選、システムで挑むのか楽しみだ。
また、フッキ、ディエゴ以外の攻撃陣・吉武剛が前節でゴールを挙げたことも、チームにとっては非常に大きかった。両ブラジル人を使った攻撃はどの相手も対策を練ってきている。それ以外でいかに工夫した攻撃ができるかが、今節も最大のポイントだろう。

福岡は、今季初の連敗を喫した。第15節京都戦、16節鳥栖戦とホームにもかかわらず2試合連続で逆転負け、しかも全く同じともいえる試合内容での連敗によるダメージは決して小さくはないようだ。
いちばんの敗因は、コンパクトに保ちたいはずの中盤が「ぽかんと空く」ことだと、リトバルスキー監督は試合後嘆いている。前がかりになりすぎる前線と、裏を取られたくないDF陣の意識のズレが、中盤に大きなスペースを作ってしまうようだ。まずは90分間中盤のバランスを保ち続けることが求められる。ただ、今節はキャプテン久藤清一を累積による出場停止で欠く。代わりのボランチには城後寿か久永辰徳か、またはプロ2年目の本田真吾が初スタメンの可能性もありそうで、指名された選手の出来が1つの大きな鍵となるだろう。
不安の一方で、福岡は第7節以降（スコアレスドローだった第8節を除き）すべて先制点を挙げているのも事実で、FWリンコン、MFアレックスを中心とした攻撃力は高い。東京Vと福岡はともに総得点「26」でリーグ2位タイだけに、攻撃的なゲームをぜひ期待したいところだ。

連敗を絶対に止めたい福岡だが、その「勝たなればいけない」という焦りがどのような結果を生むかは、東京Vの選手は痛いほど味わってきた。そのあたりの「心理戦」も、あるいは勝敗を分ける部分かもしれない。
東京Vにとって福岡は、前対戦（第7節）の初黒星から7連敗が始まった、いわば因縁の相手だ。「同じ相手に2連敗は昇格のためにはきつい」と廣山。しっかりと借りを返し、「連勝」でJ1復帰へ本格的な反撃体勢に入りたい。
勝者には、間違いなく昇格への「自信」がもたらされることだろう。


以上

2007.05.22 Reported by 上岡真里江