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【第85回高校サッカー:準々決勝 三ツ沢会場レポート】初出場で国立に進んだ神村学園。第二試合は、丸岡との接戦を制した八千代が4強入り。(07.01.05)

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●第一試合
星稜(石川)0-2 神村学園(鹿児島)
1/5(金)12:10 キックオフ/6,500人
得点者:64' 五領淳樹(神村学園)、67' 塗木竜也(神村学園)
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真っ青な空に包まれた準々決勝。聖地をかけた戦いは激闘そのものだった。

星稜対神村学園の戦いとなった第一試合。初の選手権を戦う神村学園は夢の国立を前に、開始直前、ピッチの上で座禅を組む。「選手権からずっとやってきています。落ち着くんです」(塗木達也)。連戦の疲労もある。しかし、神村学園の選手たちは全国大会が初という状況でも「体は疲れている。だけど気持ちは衰えていません」(塗木)と、強い意志を持っていた。それが試合にも結果として結びついていく。

安定した4バックを持つ星稜に対し、統率されたラインを崩そうと2トップの遠藤省太、鮫島翼が激しく動き回りチャンスを作っていく。神村学園はDFからしっかりつなごうという意図があり、早いパス回しでサイドに展開。あっという間にゴール前に選手が迫るという攻守の切り替えの早さを持っていたが、この日は、最後の場面で失速。なかなか得点に至らない。

「前半は流れが悪いと思っていた」(五領淳樹)とベンチで見ていた選手が感じていたのは竹元真樹監督も同じだった。竹元監督はすぐに動く。後半4分。トップの鮫島翼に代えて中村駿、9分にも西別府正成から五領と疲れの見える選手を外すと、結果が表れた。

後半24分。運動量が明らかに落ちた星稜はDFラインを下がり、前線との間にスペースが出来る。そのスキを狙った速攻。芝貴希のパスに反応した五領が「いいところにパスが出た。たまたま自分が決めただけ」(五領)と、DFラインのウラから抜け出しシュートを決めて先制。さらに27分には「1点を取られて相手ががっくりきているのが分かった。ここで決めれば流れが完全にこちらにくると思った」(塗木)と、右サイドでの芝のFKを芝塗木があわせて2−0と突き放し、試合を決定付けた。

初出場で見事ベスト4に入った神村学園。竹元監督は「鹿児島は鹿実だけじゃないところを見せたい」と意気込んでいる。選手も「夢みたい」と口々に話していた。それでも、試合中に悪い部分を修正し確実にチャンスを決めた戦いぶりは、堂々たるもの。その強さが本物か、国立でのゲームも楽しみにしたい。


●第二試合
八千代(千葉) 2-1 丸岡(福井)
1/3(火)14:10 キックオフ/7,000人
得点者:'34 山崎亮平(八千代)、'73 山崎亮平(八千代)、79' 笹野泰樹(丸岡)
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試合終了の笛は、高校サッカーに終わりを告げる合図になる。これまで44チームが、その音を聞き涙してきた。しかし徳丸敬紘は、一瞬、真っ青な大空を見上げ、笑顔で泣きじゃくる仲間のもとに駆け寄っていた。「たくさんのお客さんがボクたちを見守ってくれて、一つひとつのプレーに拍手をくれた。この人たちの前では泣かずに笑顔で応えなきゃいけないと思って」(徳丸)。丸岡のキャプテンはそういって、報道陣にも笑顔を見せる。

「(丸岡)史上最弱のチームといわれてきたけど、今日はいいゲームができた。自分でもビックリしているんです」(徳丸)。前評判が高く、選手権直前の練習試合でも5点を奪われ完敗した八千代を相手に戦う準々決勝。丸岡は守ってカウンターを貫きながら、さらに『攻撃』の形を見せた。

「相手のダブルボランチのところでことごとくセカンドボールを拾われ仕掛けられた。そこを修正しないといけないと思った」と八千代の砂金伸監督も話すように、これまでのように守備主体ではなく、高い位置でボールを奪い徳丸や棗佑樹にダイレクトやワンタッチパスでつなげ、八千代ゴールに襲い掛かった。高く保つ八千代のDFラインを抜けて、何度もフリーでシュートを打っていた。「このチャンスで得点が入っていたら」と小林正純監督が悔やんだように、再三の決定機を逃した丸岡のスキを八千代は見逃さなかった。

前半34分、丸岡DFのクリアボールをゴール前で山崎亮平が奪い個人技で持ち込み、豪快な一発で八千代が先制。得点こそ入らなかったものの丸岡のペースを崩せずに苦しんだ八千代だったが後半33分にも、ゴール正面でのFK。米倉恒貴が直接ゴールを狙いGKがはじいたところを山崎がつめて2−0。攻めた丸岡も終了間際、笹野泰樹が左サイドを突破しゴールを決めて1点を返したところでタイムアップ。

敗れた丸岡は、泣き崩れる2年生の横で3年生たちが笑顔で八千代の選手と握手を交わす。「楽しかった!」ベンチに戻ってくる途中で徳丸は大きな声で叫ぶ。「全てを出してやりきった。いい試合ができてびっくりしている」と話し、そして一度だけ声を振るわせた。「むかついたことも、苦しいこともたくさんあったけど、仲間に助けられ、仲間の大事さを知った」。国立へは届かなかったが、丸岡イレブンの楽しそうなプレーと一生懸命さに三ツ沢につめかけた多くの観客が惜しみない拍手で見送った。

以上

2007.01.05 Reported by 青柳舞子
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