9月23日（土）J1 第24節 磐田 vs 大分（15:30KICK OFF/ヤマハ）
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　新監督就任から徐々に成果が見え始めた7位の磐田と、夏から好調を維持している6位の大分。どちらもアグレッシブなサッカーが売り物で、今後のＪリーグをおもしろくしてくれそうな両チームが、磐田のホームで対決する。

　ここ2試合で11ゴールを奪って連勝中の磐田は、攻撃がかなり活性化してきたが、今回は中盤の重要な駒を2人欠くことになる。このところ2列目に入っている福西が、前節・川崎F戦で右目の下を骨折して欠場。ボランチのファブリシオも、2試合の出場停止で川崎F戦に続いて出場できない。ボランチに関しては、菊地と上田のコンビで問題がないことが川崎F戦で証明されたが、福西も同時に不在となると、やはり苦しい。
　西や成岡が万全なら、そのまま福西のところに彼らが入るという形になるだろうが、その2人もケガで欠場濃厚。20歳の船谷が代わりに入るという手もあるが、上田が前に上がって、ボランチに鈴木が入るという手もある。また、大分が3-5-2であるため、3バック気味の守りになる可能性が高く、トップ下を太田1枚にして、鈴木が右のアウトサイドで大分の武器である根本につくという可能性もあるだろう。それも含めて、どのような布陣になるのか、まずはそこが大きな注目点となる。

　対する大分は、前節・G大阪戦こそ0-2で敗れたものの、7月以降は5勝4分2敗という好成績。その中には、ホームでの浦和に対する勝利や、上位の川崎Fや清水との引き分けも含まれている。そして、前節までは7試合無敗の記録を続けていたが、それは首位のG大阪に止められた。
　ただ、今の大分は、1試合負けただけで自信をなくし、リズムを崩すようなチームではないだろう。疲労がたまっていた日本代表・梅崎もトップ下としてスタメンに戻るだろうし、ボランチのエジミウソンとトゥーリオも揃っており、どこからでも前線に飛びだしてくる迫力ある攻撃は健在のはずだ。このところ絶好調の右アウトサイド・高橋が出場微妙という情報もあるが、代わりに梅田が出場しても問題はないだろう。

　磐田の側から見れば、まずはメンバーが変わった中で攻撃面で上昇ムードを維持できるかどうかが最大の課題。その意味では、好調を維持している前田や太田らとともに、カレンが結果を出せるかどうかという点も、大きなポイントになるのではないだろうか。
　また守備では、マンマークをベースにしている磐田にとって、大分の2列目から飛び出しは大きな脅威となる。それに対してもマークがしっかりついていけるかどうか、あるいはスムーズな受け渡しができるかどうか。その点も大きな見どころとなる。さらに、2列目からの飛び出しを封じるには、ポストプレーヤーの高松に良い形でボールを入れさせないことも重要になる。いずれにしても、守備陣には非常にやりにくいチーム、真価を問われる相手と言えるだろう。

　磐田は現在、ヤマハスタジアムで6連勝中とホームでの強さを発揮している。このスタジアムは、ピッチ状態がつねに良好でボールの走りが良く、スタンドがピッチに近くて距離感がつかみやすいため、パスサッカーの磐田には力を発揮しやすい舞台。もちろん、スタンドが近いことは、サポーターの声援がダイレクトに伝わるという意味で、ホームアドバンテージを発揮しやすい。「ケガ人はあるけどホームでやれるアドバンテージは大きい」とGK川口も語っており、磐田としてはホームの優位を最大限に生かしていきたいところ。
　一方、大分もホームの九石ドームで強みを発揮するチームだが、このところはアウェイでも遜色ない成績を残している（7月以降は3勝1分1敗）。ここまでヤマハスタジアムでは3戦全敗だが、今のサッカーならここでの初勝利も十分に可能なはずだ。

　どちらのチームにとっても、少しでも上位に詰めていくために非常に重要なゲーム。ここで勝ち点3を取れたチームは、大きな手応えと勢いを得ることになるだろう。
以上

2006.09.22 Reported by 井上 慎也