9月3日(日) 2006 ヤマザキナビスコカップ
川崎F 2 - 2 千葉 (19:01/等々力/12,117人)
得点者:'11 ジュニーニョ(川崎F)、'75 坂本將貴(千葉)、'79 水野晃樹(千葉)、'89 ジュニーニョ(川崎F)
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立場によって様々に評価を変える試合だったが、そんな試合内容の原因を作ったのは前半にペースを握った川崎フロンターレにあったと言えるだろう。
川崎Fは上々の立ち上がりを見せた。ジュニーニョに対し水本裕貴が、黒津勝に対して斎藤大輔がそれぞれマンマークに付いたアマル・オシム監督の采配に対し、彼らのポジションに流動性を与え、千葉の最終ラインの不安定化に成功。ここまでなら水曜日に行われたリーグ戦第21節と大差ないのだが、この試合では前節のメンバーから我那覇和樹が抜け、ジュニーニョが先発。前半11分の先制点は、まさにそのジュニーニョが決めたものだった。
終始ペースを握り続けた川崎Fは、中盤に空いたスペースをフル活用。前線の3選手に意識を集中させる千葉に対し、スペースが生まれたバイタルエリアからのシュートを放ち続ける。14分には谷口博之。25分には中村憲剛。しかし、これが決まらない。ことごとくGK正面に跳び続けたシュートはゴールに立ちはだかる立石智紀の胸に納まり続けた。
この前半を悔やんでいた関塚監督は「前半はあれだけチャンスがあって、もう1点取っていればまた変わったのかなという所はあります」と会見場で悔しさをにじませていた。
この両者にとって2点差はセーフティリードなどではないのだが、それにしても試合の流れを決めることのできる場面が40分に訪れる。センターライン付近でボールを持った箕輪義信から、ゴール前ファーサイドに抜け出していた中村に完璧なアーリークロスが入る。フリーの中村は痛恨のシュートミス。ひとしきり記者との囲み取材を終えた後ではあったが、足早にスタジアムを後にした中村に「前半決めきれなかったですね」と質問すると即座に「ヘディングの所ですよね」と答えが返ってきた。一番悔しいのは外した当事者である。
2〜3点失っていてもおかしくなかった前半を1失点で抑えた千葉は、後半に入って息を吹き返した。逆転劇を演出したのは67分にクルプニコビッチに代わってピッチに投入されていた水野晃樹。75分に坂本將貴とのコンビネーションで局面を打開。GK相澤貴志のミスもあって坂本の同点ゴールをお膳立てすると、その4分後には、ショートCKを受けた水野がミドルシュート。強烈なシュートが川崎Fのゴールネットを揺らした。
展開とすればこのままタイムアップする流れではあったが、土壇場で川崎Fが底力を見せつける。1点を追いかける立場に立たされた川崎Fは、関塚監督が試合終了間際に谷口に代えて西山貴永を投入。その西山が得意のドリブルで得たCKを、マギヌン→飛弾暁と合わせ、最後はジュニーニョが押し込んで同点に追いついた。
「最後に(飛弾のヘディングが起点で)追いつけた。あそこはケンちゃん(中村憲剛)が上がれと言ったので上がりました。ニアがガラガラだったので、走り込んで合わせた。ああいう練習はしていましたし、枠に行ったのでよかった」(飛弾)
川崎Fにとって、アウェイゴールを2点与えたダメージは大きい。ただしロスタイムに同点ゴールをねじ込めたことの意味も大きい。少なくともアウェイでの次戦を勝てば、決勝進出を決められるのである。もちろん川崎Fが等々力で見せたように、千葉もホームスタジアムで意地を見せるのは間違いない。試合中、お互いに白熱する場面も見られたこの対戦だが、両チームの「国立に行きたい」という思いがぶつかる準決勝第2戦は内容と共に気迫がぶつかり合う熱戦になることは間違いなさそうだ。
以上
2006.09.04 Reported by 江藤高志
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