■SBSカップ国際ユースサッカー
・8月15日(火)14:00／4,104人／静岡スタジアム エコパ　※40分ハーフ
U-19日本代表 1-3 U-19メキシコ代表
得点者：'43　アコスタ（U-19メキシコ代表）、'46　C・フロレス（U-19メキシコ代表）、'50　ポポカ（U-19メキシコ代表）、'79　平繁龍一（U-19日本代表）
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　このチームの精神的な甘さがまた出てしまった。「また」というには背景がある。昨年9月の東北選抜戦、１０月の韓国戦と、２度も２−５と大敗を喫している。2度ともも１失点目から数分の間に立て続けに失点。精神的に立て直しがきかなくなりあっというまに引き離される。最終的に若干の得点はするもののあえなく敗れる、といったパターン。この時の経験から「守備での粘り」というのはこのチームは常に常に課題にあげ、毎度それが出来たか出来なかったかが評価の対象にもなってきた。実際昨年の２度の惨敗からAFCユース予選での北朝鮮戦の守り勝ちが生まれたことは間違いない。試合を重ね経験を積むごとに快勝されてきたはずのこの甘さが、久々に復活してしまった。

　勝ち点１さえ手に入れれば成し遂げられた自力優勝もきえ、続く韓国の５−０という勝利によって『他力』での優勝も消えた。先の静岡ユース戦、韓国戦も同様の展開になる可能性があったがどうにか勝利を収めた。紙一重の差で回避してきた敗戦がここでやってきてしまった。この敗戦は、心に刻み込んで教訓とする他はない。

　SBS杯第3戦メキシコ戦。優勝には引き分けで十分だった。加えて前半４０分の出来は吉田監督も認めるようにこの３試合の中では上々のできだった。慣れもあるのだろうか、中盤も機能し右サイドバックに起用された香川もタイミングを見てあがれるようにもなった。
更に今大会好調を見せる森島も前線から果敢なアタックを見せる。攻守ともに悪くはないリズムを生み出していた。これが逆に油断を呼んだ。
前半立ち上がり３分、カウンターからやられると４６分には直接フリーキックそして５０分には右サイドを破られイキの良い途中交代選手の飛び出しに中央から決められる。７分間の３失点にがっくりと下を向いた。　最終的には長沢、平繁、伊藤を投入、森島、小澤を含め超攻撃的な前線を構成。「得失点差もあるから１点でも取ろうと思った」（伊藤）と奮起した彼らのがんばりから１点を取り返したが勝利にはほど遠かった。
　
　この日の敗戦については、前半を戦って「いける」との思いが後半立ち上がりの甘さを生んだ、と多くの選手が振り返った。では、今後どうしたら良いのか？「声が出ていない。あの失点した時間帯声がないとみんながばらばらになってしまう」これも多くの選手が振り返ったことだ。この試合後ではないのだが、「自信がついて声が出るようになった選手もいる」と一番コーチングに長けている槙野は最近のこのチームについて話したがこれは逆説的だろう。声が出ないことは自信のなさの表れだろう。試合経験を急に積むことは不可能なのだから、意志の疎通など自信の要素を増やし、声を増やしていくしかないのではないか。「戦うのは１１人なのだから」と槙野。彼だってJリーグで試合経験を重ねる福元や柳川に遠慮なく、この代表を重要な試合経験の場として戦っている。他の選手たちにもそれはできるはずだ。

　2005年オランダワールドユースで一番の好ゲームを演じながらロスタイムに決められ、敗れたラウンド16のモロッコ戦後のこと。「オレ、絶対声を出すキャラじゃないんだけど今日はものすごく声も出した。もうそんなこと言ってられないなって思って」と言った選手がいた。結果敗れはしたものの、戦ったこと自体には誇りを持てたようだった。今回のU-19選手たちには、そのタイミングがもう少し早く来ることを期待したい。

　２ヶ月後、彼らはアジアを勝ち抜かなくてはならない。まずそこを各クラブに戻って個人的に意識し、強化してはどうだろうか。

以上

2006.08.16 Reported by 了戒 美子
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・【U-19日本代表 対 U-19メキシコ代表】試合後のU-19日本代表選手コメント
・【U-19日本代表 対 U-19メキシコ代表】試合後の吉田靖監督（U-19日本代表）コメント