8月12日(土)J1 第17節 川崎F vs 横浜FM(19:00KICK OFF/等々力)
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鹿島、G大阪、浦和といった上位陣との連戦を乗り切り、首位をキープした川崎フロンターレは素直に安堵の表情を見せていた。
「とにかく今の順位がフロックじゃないことを証明できたのがうれしい」とキャプテンの伊藤宏樹は振り返ったが、ただすでに気持ちは前半戦最終節となる横浜F・マリノス戦へと向かっている。前半戦最後となるこの試合できっちり勝ち点3を奪い、首位でリーグ戦を折り返したい、という気持ちが強いのである。
ただしこの横浜FM戦は、決して楽な戦いにはなりそうにない。前節の大分戦からは、マルコンが出場停止明けで帰ってくる予定だが、新たに箕輪義信が出場停止処分を受けてしまった。これによりレギュラーの3バックは伊藤のみが残るスクランブル態勢を取らざるを得ない状況となっている。ただ、川崎Fにとって救いとなったのは、前節からこの横浜FM戦まで2週間の準備期間があったこと。試合間隔が短ければまさにぶっつけ本番での試合となったが、ここは時間的余裕があるため、そういう意味では不幸中の幸いだったと言える。
この試合に向けての布陣が非常に気になるが、ここにきて川崎Fは本拠地である等々力競技場を借り、10日の練習を完全非公開にした。本来であれば紅白戦が行われるタイミングであり、関塚監督としては先発メンバーはともかく、その戦い方や布陣を隠したい意図があったものと思われる。なにしろその関塚監督が大分戦での退席処分により、ベンチ入りできないという状況に立たされており、できるだけ余計な情報は外部に漏らしたくないという実情があるからだ。
そうした状況の中、着々と準備を進めてきているのが谷口博之である。先日の大分戦で負傷してしまいU-21の代表合宿を辞退していたが、おそらくは横浜FM戦に向けて先発出場してくるはず。そしてこの谷口は、川崎Fの選手の中でも最もこの神奈川ダービーに気持ちを込めた一人である。
ご存知の方も多いが、谷口の前所属チームは横浜FMユースチーム。その攻撃的センスを惜しまれながらも、トップ昇格を果たせなかったという選手である。その谷口は横浜FMについて「マリノスは中盤の上野さん、山瀬さん、マグロン選手が上手くボールをまわし攻撃を組み立ててくる印象があるので、中盤でしっかりディフェンスをしてボールを奪って自分達の攻撃につないでいきたい」と述べている。
言うまでもなく今季の川崎Fの快進撃を支えているのは、中村憲剛と共にボランチでコンビを組む谷口である。その谷口が勝負のポイントとして中盤を上げており、この中盤での攻防が見どころのひとつになりそうだ。「マリノスとの対戦はやはり特別な思いがあります。絶対に負けたくないので頑張ります」と言葉を続けた谷口だが、その思いは川崎Fのチーム内に広く共有される意識である。勝ち点で12の大差をつけた相手だが、確実に勝利して突き放したい試合である。
以上
2006.08.11 Reported by 江藤高志
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