8月12日（土）J1 第17節 福岡 vs 大分（19:00KICK OFF/博多球）
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2002年3月3日。開幕戦を博多の森球技場で迎えた福岡は、1年でのJ1復帰を目指して新たな一歩を刻むはずだった。しかし、10,583人の観客の目の前で繰り広げられる光景にサポーターは目を疑った。連携に欠け、横パスを繰り返すチームはチャンスを作れず。相手に主導権を奪われて先制点を喫すると、さらに直接FKを決められて2点のビハインド。終了間際に1点を返したものの内容は完敗。開幕戦でJ2で戦うことの厳しさを叩き込まれた。

そのときの対戦相手が大分トリニータ。バス4台を利用して博多の森に乗り込んできたサポーターとともに意気揚々と勝ち名乗りを挙げた。福岡サポーターにとっては受け入れがたい結果だった。この年の対戦成績は大分の3勝1分。そして大分はJ1への階段を登り、福岡はJ1昇格を逃してクラブの体制を根本から見つめなおすことになった。あれから4年。福岡は再び博多の森に大分を迎える。そして新たな九州ダービーの幕が開く。

「九州と言ったときに、大分と福岡のどちらが先に連想されるか。それを選手たちに問いたい」とは川勝良一監督。まだダービーと呼ぶだけの歴史はない。しかし、それはこれから始まる長い戦いの中で確実に形成され、やがて、サッカー王国九州の頂点に立つ誇りをかけた戦いになる。ここまで少しばかりの回り道をしてきたが、九州で最初のJクラブとして、その歴史をリードする立場を譲るわけにはいかない。何があっても勝たなければいけない試合だ。

「ダービーだからといって自分たちのやることは変わらない。でもファンやサポーターは自分たち以上に盛り上がっていると思うので、その盛り上がりを力に変えられればいいと思う。サポーターのためにも勝たなければいけない試合。ホームだし、いいサッカーを見せて勝ち点3を取れるように全力でやりたい」とは中村北斗。「とにかく勝ち点3が欲しい。お客さんもたくさん入ってくれるし、ダービーという位置づけで試合をして勝てればいい」と千代反田充も話す。目指すは勝ち点3以外にはない。

そんな試合のポイントは自分たちのサッカーにこだわること。攻撃のための守備と、ゴールをもぎ取る攻撃的なサッカーが福岡の目指すスタイル。それを徹底することで勝利が近づいてくる。G大阪戦では崖っぷちから攻め続けてドローに持ち込んだが、目指すサッカーは実を結びつつある。感じている手応えを自信に変えるためにも、自分たちの力を信じ、積み重ねてきた厳しいトレーニングを信じて、目指すサッカーを貫くことだ。

そしてダービーはサポーター同士の戦いでもある。どれだけの力をチームに与えることが出来るか、最後の一瞬までチームとともに戦い抜けるかが勝負を分ける。アウェーゴール裏自由席は既に完売しており、多くの大分サポーターがやってくることが予想されるが、福岡のホームである博多の森で好き勝手はやらせられない。スタジアム中にこだまする大声援で、ピッチの上の11人とともに大分を倒しに行こう。それがダービーというものだ。
新たな九州ダービーの始まりは8月12日（土）19：00。歴史を刻むためにもスタジアムに集結してともに戦おう！！


以上

2006.08.11　Reported by 中倉一志