４日のマルタ戦（デュッセルドルフ）の後、１日の完全休養を経て、日本代表が６日からトレーニングを再開した。「12日のオーストラリア戦（カイザースラウテルン）のキックオフ時間に合わせたい」というジーコ監督の意向もあり、この日は午前８時半と午後15時からの２回、練習が行われた。

日本代表がやってきてから寒さと悪天候が続いたボンだが、この日はようやく天気が回復。気温も20度を超え、半そででも過ごせるような快適な気候となった。ボンの町もワールドカップ本大会を迎える準備が本格的に始まった。町の中心であるミュンスター広場もパブリックビューイングのためのスタンドなどが設置され始め、繁華街も落ち着かない雰囲気になってきた。ジーコジャパンを応援する旗やポスターが町のいたるところに掲げられ、ボン全体で日本代表をサポートしようという機運も高まってきている。

そんな中、選手たちは３日ぶりの練習にのぞんだ。午前はランニングやサーキットトレーニングなどフィジカル中心のメニュー。右足首を捻挫している加地亮（Ｇ大阪）とマルタ戦で左足首を捻挫した三都主アレサンドロ（浦和）がトレーニングを欠席し、右足ハムストリング痛の柳沢敦（鹿島）は別メニューを強いられた。マルタ戦直前には中村俊輔（セルティック）が再び発熱を訴えるなど、主力のコンディションが非常に心配される状況だ。

この日の朗報としては、右ひざじん帯を痛め、マルタ戦を欠場した高原直泰（ハンブルガーＳＶ）がこの日から全体練習に合流したこと。「痛く感じる動きとそうでない動きがある。時計回りに走るのは大丈夫だけど、半時計回りが痛い」と彼は話していたが、とりあえず全てのメニューをこなし、オーストラリア戦に向けて調子を上げていくという。

そして選手たちは午後も１時間半体を動かした。午前中休んでいた加地と三都主もピッチに登場。加地はウォーキング、三都主はランニングを入念に行った。そして柳沢も三都主と同じようにランニングを行った後、前後左右に動きながらボールを軽くけり返すような練習を実施。足の状態を確かめていた。

森川嗣夫ドクターによると「加地は徐々に回復してきている。12日を目標にしているがあとは監督との相談でしょう。三都主はまだ腫れがあるが、明日か明後日には全体練習に合流できる。柳沢は具体的な復帰のメドはないが、午前中走っても問題なかった」と負傷中の３人について説明。加地のオーストラリア戦出場は難しそうだが、三都主と柳沢は何とか間に合いそうな雰囲気だ。

その他の選手たちはサーキットトレーニング、ドリブルやヘディングなどボールを使った基本的な動きまずみっちり実施。その後は狭いエリアを使った８対８＋フリーマンを行って、攻守の切り替えやプレスのかけ方、ボールの奪い方などを再確認した。オフ明けにいきなり３時間以上も体を動かしたとあって、選手たちもさすがに疲労をにじませた。

初戦・オーストラリア戦まで丸１週間。ジーコジャパンのチーム作りはいよいよ最終調整に突入した。「ムダなファウルをせず、セットプレーからの失点をしないこと、そして相手の長所を消すことを残りの時間でやっていきたい」とマルタ戦後にジーコ監督は話したが、６日はコンディションを上げることだけに練習をとどめた。７日以降はもう少し戦術的な内容が増えていくだろう。ドイツ戦のいいイメージを取り戻して本番を迎えることが何よりも大切だ。

今週は７日だけが２部練習で、８日以降は１日１回のトレーニングとなる。体にかかる負荷を減らして、ベストな状態で本番を迎えられるように調整していくことになる。残された時間は限られているが、できることを全てやり尽くして本番を迎えるしかない。この１週間でジーコジャパン４年間の積み重ねをきっちりと再確認してもらいたい。

以上

2006.06.06 Reported by 元川 悦子