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【オシム監督(千葉) W杯共同インタビュー -2- 】「ワールドカップに出るチームが、世界でいちばん良いチームとは限らない」(06.06.05)

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本日、千葉クラブハウスにてオシム監督(千葉)へのW杯開幕にあたっての共同インタビューが行われました。席上のコメントは以下のとおりです。

■【オシム監督(千葉) W杯共同インタビュー -1- 】はこちら↓
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Q:オーストラリアのどういう部分が好印象なのでしょうか?
「具体的にどういう部分が…と言いますけど、『どういう部分』というのはどういう意味ですか? はっきり言ってください。そうしたら答えますから(笑)。
どのように、具体的に聞かれれば、例えばしっかり走れる選手がいるということは走力的に準備が出来ているということです。そして、しっかりした戦術ができる、ひとりひとりの技術が高い、そして背が高い、それが具体的なすべてじゃないですか。ほかに言うことはありますか。そしてさらに素晴らしい代表監督もいますよね。その監督によって指揮されているチームなんですよね。
代表監督がパッと来たからといって、チームの選手の技術が上がるということはないんです。ということは、その代表監督がパッと来てまとまるというのは選手の能力が高いということじゃないですか。その時点ですべてが具体的じゃないですか? わたしはいま日本にいるわけで、そういう意味で日本に気持ちがいっているのは確かなんです。そこで日本がオーストラリアに勝ったとき、私に『あなたが言ったことは間違ってたじゃないか』と言ってくれたほうが望ましい結果だと思っているんです(笑)。ただ、私はオーストラリア戦を注意深くやってほしいと思って言っているわけです。あなたは注意しなくていいですよ、あなたが試合に出る訳じゃないので(笑)」

Q:いまワールドカップという大会がどんどん大きくなっている現状があって、選手は試合数が増えて疲労がたまっている中で大会を迎えるという現実もあります。それでも、いまワールドカップというのは世界最高峰のサッカーが見られる大会になっているとお考えでしょうか?
「まず、ワールドカップに出るチームが世界でいちばん良いチームではありません。今回ワールドカップに出場する半分くらいのチームは世界で最高峰のチームだとは思います。地理上でのワールドカップがいまのワールドカップです。全世界の国が参加できるように。まあ、オリンピックも参加することが大事だと言うでしょう? そういう意味で、参加すれば、そこがいちばん良いチームだとは限りません。
例えばワールドカップが16のチームしか参加できない大会で、それが本当に最高峰の16チームだとしたら日本や韓国はおそらく参加できないでしょう。難しいと思いますよ。もっと参加できるチームを増やして、各地で予選をすることで日本や韓国がベスト16に入っていく可能性ができたわけです。
例えば2002年のワールドカップのときにオランダは出場できませんでした。オランダというのは常に世界の5本の指に入ってくる国です。でも、来ませんでしたよね。じゃあ、そこに何かの問題があると思いますか。ウルグアイやデンマーク、ロシアやトルコがいないときもあります。ということは、いつも必ず世界最高峰の大会ではないということです。だからこそ、ワールドカップがいちばん強いチームを決める大会とは言えないかもしれません。そういう質問でしたよね?(笑)」

Q:そういう現状に対してオシム監督は納得されているんですか?
「本当にプロフェッショナルとして世界最高峰の強いチームを決める大会をつくるべきなのか、それとも世界のいろんな国が参加できてその中で優勝者を決める大会が良いのか、それは難しい話です。実際、FIFAというのもいろんな国の人間で構成されているし、FIFAや選手だけじゃなくて審判もそうですよね。いろんな国から呼ばれていて、例えばバングラディシュとかニュージーランドからも呼んでいます。そしてこの大会は非常にお金がかかっている。強いチームを決めようという大会で、そのような審判が笛を吹いてミスを犯すことがあるわけです。そういうことが絡んでいるので、そしてそれには政治も絡んでいるので、なかなか難しい問題だと思います。
ただ、世界最高峰のチームを何チームか集めて大会をすると、例えですけどオランダとドイツが直接対決をして、どちらかがどちらかを落として上に進むということが全ての試合で起こるでしょう。それよりはカメルーンとかナイジェリアとかメキシコ、ウクライナという次に控えているチームがドイツやオランダを落とすことが起きるほうが興味深くて面白いという事実もあるわけです。どちらが良いかというのは難しい問題だと思います」

Q:オーストラリア戦で日本が戦術的に気をつけなければいけないというのはどういう点でしょうか?
「電話を持ってますか? ジーコに電話しましょう(笑)戦術的なことを私が言うのは間違っています。残念ですが、それは答えられません」

Q:例えば付け入るスキがあるとしたら、それはどこなんでしょうか?
「そのチャンスがあったとしても、それも私が答えることではありません。記者の皆さんが帰られて、あなたが個人的に聞いてくるんでしたら後から話します。でも記者の皆さんというのは、そうやって個人的に話したことも最後は書きますから。結局言えません(笑)」

Q:セルビア・モンテネグロのチームは堅守速攻というイメージがあると思います。いまのセルビア・モンテネグロ代表をオシム監督はどう思っていらっしゃいますか?
「あなたはいま、いいことを言いました。堅守で速攻ということがわかっているのなら、私に聞かないでください(笑)」

以上
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