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【キリンカップサッカー2006 日本代表 vs スコットランド代表レポート】またも消化不良感を残した壮行試合。それでも相手を零封し、決定機を作るなど内容は上向き。これを本番につなげるしかない。(06.05.14)

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KIRIN WORLD CHALLENGE キリンカップサッカー2006
●5月13日(土)19:23/埼玉/58,648人
日本代表 0-0 スコットランド代表

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3点以上取られて負けなければ優勝が決まるスコットランドは、ペナルティエリア付近に5人のDFと4人の中盤をズラリと並べる超守備的サッカーに徹してきた。この相手を思うように崩せなかった日本だが、決定機は何度か作った。しかし加地亮(G大阪)のミドルシュートがポストを叩いたのを皮切りに、小野伸二(浦和)も小笠原満男(鹿島)も完全に崩した形からのシュートをGKに当ててしまう。2日前に行った70分間のシュート練習の成果も出ずじまい。ドイツワールドカップ本番前の国内ラストマッチ、夢舞台への壮行試合ともいえる一戦で、日本代表はまたも消化不良感を残してしまった。

とはいえ、4バックの守備陣が相手を零封し、FWがつぶれ役になって中盤がゴール前に飛び出すという「日本特有の得点パターン」が出たことは収穫だ。今さら課題ばかりを並べていても、全てを解決する時間もない。昨年もキリンカップでの2連敗をバネに最終予選後半戦につなげている。こうした明るい材料に磨きをかけ、1ヵ月後の本番につなげていくしかない。

「キリンカップサッカー2006」の最終戦・スコットランド戦が19日、19時23分から埼玉スタジアムで行われた。ドイツ本大会前の国内最終戦で、15日に迫った登録メンバー23人発表直前の国際試合ということで、日本中の注目を集めたこの試合。集まった58,648人の大観衆も冷たい雨の中、声援を送り続けた。

3点差以上で勝ってキリンカップのタイトルを獲りたいジーコ監督は4−4−2の布陣で攻めに行こうとした。先発はGK川口能活(磐田)、DF加地、中澤佑二(横浜FM)、宮本恒靖(G大阪)、三都主アレサンドロ(浦和)、ボランチ・福西崇史(磐田)、小野、右MF小笠原、左MF遠藤保仁(G大阪)、FW久保竜彦(横浜FM)、玉田圭司(名古屋)。ブルガリア戦を欠場した久保、この試合温存された小野と小笠原が先発に復帰した。対するスコットランドは5−4−1という守備的布陣。スミス監督はブルガリア戦に出した今季スコットランドリーグ得点王のクリス・ボイドらレンジャーズ勢を温存。メンバーを落として試合にのぞんだ。

相手にしてみれば、守りさえ固めておけば優勝できる。それゆえ序盤から自陣に引いてカウンターを狙うサッカーに徹してきた。ペナルティエリア付近にカベをつくり、ここでボールを奪って逆襲に出る。この戦い方は本大会初戦の相手・オーストラリアに重なる。
それだけに確実に崩したいところだったが、ボールをたびたび失ってしまう。こういう状況ではサイドをえぐる動きが有効だが、加地と三都主の両サイドが1対2で守られ、なかなか突破できなかった。「えぐって攻めたかったけど1対2にされて、タテもヨコも切られてしまった。そうなるとアーリークロスを上げるしかない。もう少し外に人数をかけて攻めるべきだったのかもしれない」と加地も苦しい胸のうちを吐露した。

それでも得点機はあった。前半24分、加地が約30mの位置から放ったミドルシュートがポストを叩いたシーンが最初だった。鋭い弾道のシュートだっただけに悔やまれた。前半43分にもビッグチャンスが訪れる。左サイド・三都主からのパスを玉田がワンタッチで流し、ここに小野が切れ込んで相手DFを交わし、左足でシュートを放った場面だ。が、これはGK正面。20本打って1点しか取れなかったブルガリア戦の呪縛を断ち切れていないかのようだった。

後半8分にも小野→遠藤→小笠原とダイレクトで渡り、小笠原がゴール前でシュートするも、これもGKにとめられた。「フィニッシュの問題は便秘のようなもので、一瞬の何かによってパーッと出ることもある」とジーコ監督は話したが、ゴール欠乏症は非常に深刻なままだった。

とはいえ、FWの得点力が低い日本にとって、中盤がゴール前に飛び込んでくる形は理想的な得点パターン。2002年ワールドカップでも稲本潤一(ウエストブロミッチ)や中田英寿(ボルトン)がこの形でゴールしている。これを極めていくことが、本大会で勝ち点を奪うカギになりそうだ。

その後、ジーコ監督は動きの悪い久保を下げて巻誠一郎(千葉)を投入。さらに遠藤を下げて佐藤寿人(広島)を入れて3トップにしたが、この日はこの交代も不発だった。結局、このまま試合終了の笛。日本は2年連続未勝利のままキリンカップを終えた。

ジーコジャパン4年間の集大成となるこの試合で、いつものようなモヤモヤ感が残ったのは心配だ。本番までは1ヶ月しかない。この状態が変わらなければ、ドイツで勝利することはかなり難しい。

けれども、この日の守備面は危なげなかった。後半開始早々に中澤が右のまぶたを切り退場するアクシデントがあったものの、福西がバイタルエリアにしっかり蓋をしたこともあって、そこへの侵入は許さなかった。4バックがある程度、機能したことも前向きな要素だろう。そして攻撃面でも点の取れる形を何度か作った。欧州組合流前に1つの方向性が見えたのは、今後チーム強化を進めていく上でプラスになるはずだ。キリンカップ2試合で出たポジティブな材料を伸ばしていくことが重要だ。

15日には本大会登録メンバーが発表される。ジーコ監督は実績を重視してすでに選手を決めているが、この日の久保や玉田を見る限りでは、FWは入れ替えがあってもいい。チームの起爆剤になりうるフレッシュな人材が必要だ。果たしてジーコ監督は心変わりするのか。最後の決断が待たれる。

以上

2006.05.14 Reported by 元川悦子
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