●FIFAクラブワールドチャンピオンシップ トヨタカップ ジャパン2005　5位決定戦
12月16日（金）19：20/国立
アルアハリ（エジプト） vs シドニーFC（オーストラリア）

◆チケット情報は http://t.pia.co.jp/fcwc/01_main.html
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16日に行われるFIFAクラブワールドチャンピオンシップ5位決定戦では、アフリカ代表のアルアハリとカズ（三浦知良）がレンタル移籍しているシドニーFCが対戦する。
「寂しいけれど、最初からわかっていたこと」。カズにとっては、この5位決定戦がシドニーFCでのラストマッチとなる。わずか3ヶ月の短期契約だが、チームメイトとの間に友情を感じるようになってきたと語っていただけに、決勝まで進めずシドニーFCでプレーする機会が1試合少なくなってしまったことに寂しさを覚えるのも無理はない。しかし、幾多の困難、苦しみを乗り越えてきたキングは、素早く気持ちを切り替える術を心得ている。「相手はアフリカ王者だし、強い。もう1度準備して、オセアニア代表として全力でやりたい」。

シドニーFCが勝利を収めるためには、カズ、ヨークの働きが不可欠だ。デポルティボ・サプリサ戦では勝利に結び付かなかったものの、カズ自身のパフォーマンスは素晴らしく、決定機にも絡んだ。5位決定戦でも同様の動きができれば、白星も近付いてくるだろう。そして、元マンチェスター・ユナイテッドのエースストライカー　ヨークの活躍も絶対に欠かせない。サプリサ戦では、ボールに数多く触れられるという理由から本職ではないボランチの仕事を任されたが、慣れない役割ながら中盤の底でゲームをしっかりと組み立てていた。今回の一戦で、リトバルスキー監督がヨークをフォワードに戻すのか、それとも再びボランチで起用するかはわからないが、いずれにしても彼の出来が結果に大きく影響を与えることは間違いない。

対するアルアハリでは、MFシャウキ、MFバラカトのパフォーマンスが勝利の鍵を握ることになるだろう。シャウキはボランチの位置からいろいろなパターンのボールを配給してリズムを作れる選手。バラカトは本来右サイドを担当するが、開幕戦で務めたフォワードでもその突破力で相手に脅威を与えており、このふたりの存在はシドニーFCにとってやっかいだ。あとは、開幕戦ではいまひとつの出来だったFWアブータリカ、FWモタブが本来の調子でプレーできれば、あっさり試合を決めることも可能だろう。

試合の明暗を分けるポイントとなるのは、先制点の行方だろう。両チームとも1回戦では、前半に主導権を握りながらチャンスを潰すと、逆に後半に反撃を受けて守勢に回り、そのままリズムを取り戻すことなく敗れている。劣勢から立て直すのはトップレベルのチームであっても難しいもの。ましてや、この2チームには悪いリズムを引きずってしまうという前例があるだけに、最初の1点で勝負が決まってしまうかもしれない。さらに、両者とも守備から試合に入っていくタイプではないため、シドニーFCとしてもアルアハリとしても、まずは先制点を奪ってそのまま相手を押し込みたいところだ。
そして、もう一つ、この試合の焦点となるのがサイドの攻防。とりわけシドニーFCの右サイド、アルアハリからすれば左サイドでの戦いが勝負の鍵を握る。このエリアはアルアハリにとってはウィークポイントであり、ここをアルイテハドに突かれたことで敗戦につながった。一方のシドニーFCにとっては攻撃の起点となる場所。サプリサ戦では、カーネイの突破から数多くのチャンスが生まれていた。このサイドの攻防を制したチームが試合も制する可能性が高い。

「最後の世界大会とは思っていない」。カズはそう語っていたが、現実的にはこれが最後の大舞台になる可能性もある。我々日本人としては、カズがこの試合でゴールを挙げ、FIFAクラブワールドチャンピオンシップの歴史の1ページに、日本サッカーのパイオニアの名がしっかり刻まれることを願う。また、愛着を感じ始めたというシドニーFCのため、少しでも上位で大会の記録に残るよう、カズには是非とも日本人初ゴールを決めてもらいたい。


以上

2005.12.15 Reported by インターナショナルスポーツ＆マーケティング（ISM）