●Jユースサハラカップ2005 決勝トーナメント2回戦
12/11（日）
Ｆ東京 - 湘　南（13：00/夢の島）
仙　台 - 清　水（13：00/宮城ス）
Ｇ大阪 - アミーゴス鹿児島U-18（14：30/ガンバＧ）
広　島 - 浦　和（13：00/吉田）
◆決勝トーナメント表
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決勝トーナメント表右側の山には、各年代の代表選手をズラリと並べるG大阪、広島の両雄に加え、ダークホース一番手の呼び声も高いF東京など好チームが揃った。

最注目カードはF東京と湘南による夢の島競技場での一戦だろう。両チーム共に今年はこれといった結果を残せていないが、戦力的には十分上位を狙うだけの力を秘める。ここで勝って勢いに乗ったほうが大会に旋風を巻き起こす可能性は十分にあるだろう。F東京は今年負傷に苦しんでいた、昨年のU-16日本代表・正GK権田修一が完全復調。彼の「復活」を観るだけでも、夢の島へ行く価値はある。また得点王ランキング独走中（現在2位と3点差の14得点）の左利きFW常盤聡の野性味あふれるプレーにも注目だ。
対する湘南は川崎F、磐田、名古屋と同居した予選リーグの激戦区を2位で突破しての勝ち上がり。飛び抜けた選手は不在だが、抜群の安定感を誇るDF鈴木嵩之を中心とする頑強な守備からの鋭い攻撃はF東京にとって大きな脅威となるはず。ルーキーのMF鎌田翔雅、U-17日本代表MF猪狩佑貴など下級生のタレントも豊富。激戦は必至だ。

この勝者と次の準々決勝で当たるのが4万人収容の宮城スタジアムという巨大な器の中で争われる仙台vs清水の勝者だ。仙台は、鹿島、千葉、大宮という関東勢3チームと同居した予選グループを突破して、初めての決勝トーナメント。中心となるのはMF小山大輝。技術以上に戦術能力の高さが光る好選手だ。U-16日本代表の1年生FW奥埜博亮の切れ味鋭いプレーにも注目したい。
対するはJユースの名門・清水。今年の各大会では「あと一歩及ばず」を連発して上位進出を逃してきただけに、この大会へ懸ける意気込みは強い。チームのベースとなるのは、長身のセンターバック石垣勝矢、左利きでサイドバックもこなすU-17日本代表の佐野克彦の2人。また、最前線に位置する188cmの大型センターフォワード長沢駿のプレーにも注目してほしい。単純な高さ以上に足元で柔軟にボールをさばき、攻撃のリズムを作り出す。清水上位進出のカギとなる選手だろう。

その隣り、G大阪とアミーゴス鹿児島の一戦も興味深い試合となりそうだ。単純に考えれば、類まれなタレント集団であるG大阪の圧勝となりそうだが、アミーゴスはそう簡単に負けるチームではない。指揮を執るのは元日本代表の池ノ上俊一（元横浜フリューゲルス）。鹿児島城西高校を離れてチームの監督に就任した際には、彼を慕って移籍した選手が出たという人望の厚さと、元日本代表ならではの豊富な経験の持ち主だ。元U-16日本代表候補のFW谷口堅三らを擁するなど、戦力的にも普通の“街クラブ"ではない。
もちろん、G大阪優位であることは間違いないだろう。最終ラインから最前線まで同年代トップクラスのタレントがそろい、ベンチにも他チームならエース級という人材を並べる。タレントだけでなく、「チーム」として見ても今年は完成度が高く、バランスがいい。せっかくの地元（ガンバ大阪練習場）でのゲームなので、G大阪サポーターにはぜひ観に行ってほしい。

最後のカード、広島と浦和は熱い試合になるだろう。
浦和は3年生が抜けて「やりくり」に多少苦労しており、特に守備陣の絶対的な経験不足は悩ましいところだ。予選リーグ最終戦の柏戦ではそれがもろに出て大量失点を喫してしまった。この広島戦へ合わせてどこまで立て直せるかというところだが、「守備的な戦いはしない」と明言していることから、あえて打ち合いを挑むこともありそうだ。キーマンはチームの「心臓」とでもいうべき、主将のMF金生谷仁。最終ラインから前線までを幅広く駆け回り、攻守両面でチームの車輪となる彼のパフォーマンスに注目だ。
対する広島は、地元の吉田サッカー公園での試合だけに下級生チーム相手に余裕ある試合運びを見せたいところ。U-18日本代表MFの柏木陽介を中心に攻撃を組み立て、U-18日本代表候補で、得点ランク2位につけるFW平繁龍一の破壊力を引き出したい。守備では浦和のスピードある攻撃陣にどう対処するか。特に両サイドバックの守りがカギとなりそうだ。この試合で浦和を下し、昨年目前で逃している栄冠へと突き進みたい。

以上

2005.12.10 Reported by 川端暁彦