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【J1:第28節】鹿島 vs 名古屋:トニーニョセレーゾ監督(鹿島)記者会見コメント(05.10.22)

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10月22日(土) 2005 J1リーグ戦 第28節
鹿島 1 - 0 名古屋 (15:04/カシマ/15,165人)
得点者:'59 本山雅志(鹿島)
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●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):

「まず全体的にはそんなに悪くない出来だった。前半は中盤からうしろ、守備の部分は問題がなかったが、特に相手陣内でのパスミスが目立った。ピッチコンディションを考えると、弾んでいるボールをそのままパスをするとミスする確率が高いので、落ち着いてパスするようにとハーフタイムには伝えた。前半にタッチライン際で要求していたのは、ボールに対するアグレッシブさを失わないようにということ。パスミスの連続だと自然に流れが相手に行ってしまう。選手を見ていると、疲れなのか受け身になっていたので、ボールにプレッシャーをかけるといった守備のアグレッシブさを求めていた。そういうアグレッシブさをホームで求められるのは当然のことです。

 ハーフタイムにはさらに、本山にもっと中央で勝負して前を向いて勝負することを求めた。青木は右サイドが不慣れなので限界はあるかもしれないが、とても頑張っていた。リカルジーニョは実戦から遠ざかっていたが、徐々に本来の調子を見せている。

 周りからは均衡した展開に見えたかもしれないが、ホームであることと、我々の技術の高さを考えれば、もっとできていい。天才と呼ばれる選手を抱えているチーム、我々も代表選手を抱えているが、彼らが100パーセントではなく7割8割でやっていたら、相手が頑張った時、勝つことはできない。全員が同じテンポ、リズム、運動量でなくては技術があっても大きな差が出てこない。代表の選手が疲れなのか、パフォーマンスが上がっていなかったので、ハーフタイムに声をかけたら後半によくなった選手がいる。そういう運動量も現代のサッカーにおいては重要なこと。

 後半の立ち上がりに、大岩と新井場のいる左サイドを多少突かれた部分もあるが、時間が経つにつれよくなってきた。相手にはあれだけ身長の高いDF陣がいるし、素晴らしいプレースキッカーの中村もいる。そこは気をつけなくてはならなかった。だから1点取った後、しっかりとパスを回して不用意なことをしなかったのもチームとしての成長の証だと思う。

 1点取った後に、日本ではよくあることだが、相手が前がかりになってしまって自分たちの守備が引いてしまうという現象がある。そういう部分はまだ課題。交代はチームに活気を与えるという意味で行った。隆行はもっとやれると思うけど、そういう意味で前でファイトしてくれた。野沢は相手のアウトサイドを抑えるのが狙い。リカルジーニョは前半の打撲の影響もあって運動量が落ちていた。そこで小笠原をボランチに下げるというのは前もって言ってあったことで、彼はそれを忠実に実行してくれた。青木と小笠原という2人のボランチがしっかりとボールをキープしてくれた。1点を守りきることができてよかったと思う」

Q.ガンバ大阪との勝点差は2に縮まったが、まだよかったころの鹿島のパフォーマンスはできていないように見えるが。監督の退団表明も含めて、選手の様子はどうか?

「1つだけ明確にしておきたいのは、長年サッカー選手として現役でやってきたが、自分にはモチベーションが必要だという状況はなかった。モチベーションとは自分の中に出すもので、外部から与えられるものではない。退団を表明したのは、自分が出ていくということだけであって、そこで話は終わった。後は仕事を最後まで全うするだけ。大分というチームに助けてもらって勝点差を縮めたと思うが、まずは自分たちが勝つこと。相手のことを考えるのではなく、自分たちがやるべきことをしっかりと取り組むことが大事。このチームに就任した時によかったのは攻撃。僕が付け加えたかったのは守備と相手にスペースを与えないことだった。それがいい結果につながったと思う。それが僕が求めていることで、選手がそれをしっかりやってくれれば、結果はついてくる。

 選手というのはサッカーをやるために雇われているのであって、練習がおかしいとか長いとか、ホテルが悪いとかそういうことを言っている場合ではない。選手というのは、ピッチで練習して試合をして給料をもらうという意識が必要。僕が現役のときもよくある光景だけど、スタメンで出られない選手はモチベーションが与えられないとか、僕のことを見てくれないとか言い出す。コンディションが悪いのを、練習量が多いせいとか言い出す。年齢が高くなると、動けなくなったのを練習やフォーメーションのせいにしだす選手が出てくるのは、我々だけでなくどのチームにもある。日本でもメディアやフロントがしかるべき態度で接しなくてはならない。選手が考えるのはサッカーのことだけで、練習のことや設備について考えるべきではない。そういう発言をすることはチームを乱すことでしかない。チームを指導する立場、管理する立場としてベクトルを統一してチームを統率していかなくてはならない。こういったことを、選手にもしっかりと考えてほしい。

 僕はフランクでオープンな方針をとってきた。何かがあればオープンに話すし、要求があれば僕やフロントの人が回答を出す。今回の退任についても同じこと。選手のモチベーションというのは常に自分自身の中にある。これだけ素晴らしいスタジアムで、プレーを見てくださる人もいる。好きなことをやって給料がもらえて、こんなに素晴らしい環境はない。来週は名良橋の復帰もあるし、自分たちのサッカーにしっかりと取り組めば必ず結果は出るはずだ」

以上
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