8月26日(金)J2 第28節 水戸 vs 札幌(19:00KICK OFF/笠松)
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シーズン途中でのデルリスの移籍は、非常に衝撃的だった。公式の発表が出される前に情報が錯綜し、様々な憶測が各方面を飛び交った。事実の説明・経緯などが明確にならないまま、デルリス移籍をめぐる話題は今なお一人歩きしている部分がある。こういう状況で最も信頼にたる情報は、デルリス本人から発せられるメッセージに他ならない。それはコメントであり、もちろんプレーでもある。今節は、デルリスがどんなパフォーマンスを見せるのか、どんなメッセージを発するのかという点にどうしても注目が集まる。
前節、札幌は、山形でのアウェイ戦を周知のとおり雷雨で延期としている。連勝して上昇ムードのところに水を差された感があるが、それでもなお良好な雰囲気が持続されているように推測できる。注目のデルリスは4戦でいまだノーゴールだが、積極的にディフェンスの裏側を狙い、相手にプレッシャーをかけ続けることで他のプレーヤーへのプレスを軽減、自由度を高めている。そのため中盤での余裕ができ、ポゼッションを高める落ち着いた展開を取ることも可能になった。上を狙う札幌というチームに『勝つための安定感』という、ゴールという結果よりも大きなプラスをもたらしているはずだ。そしてコミュニケーションも取れ始まった頃、デルリス出場となれば、古巣に手痛い一撃をお見舞いする可能性も高い。待望の昇格を狙える位置(1試合少ないため、実質3〜5位のポジション)にいる状況で、下位の水戸戦は落とせないカードのはず。積極的かつ安定した試合運びで勝点3を狙う。
そして水戸。前節の湘南戦では、マルキーニョが故障で出場できないということもあり、従来の4−1−4−1から4−4−2のシステムにスイッチしてゲームを進め、後半戦で最も内容のあるゲームを展開した。スイッチの理由としては、第20節の同カードで4−1と逆転した相性がいいシステムだったということもあるだろう。とにもかくにも、前節・湘南戦をうまく戦ったこのスイッチが、なかなか勝てないチームをいい方向へ導きそうな雰囲気だ。そして今節もそのシステムを継続しそう。今週の練習では、ダブルボランチでのフォーメーションを確認。これによりディフェンス面での安定感は増した感がある。特に今回の札幌戦、スタメンが予想されるデルリスが使いたいスペースを消すために、ディフェンスラインを低めにすることで対応するだろう。その上ワンボランチではスペースが空きすぎ、先の福岡戦(第25節)のようにいいように中盤を支配されてしまう。ダブルボランチでの4−4−2(というか4−2−3−1か?)は、この辺りのケアもできる妥当なシステムといえる。水戸はデルリスのいいも悪いも最もよく知っているチーム。ディフェンスラインの裏側が使えず足元でボールを受けたときのデルリスは、本来の輝きを放つことはなかなかに難しい。その点を熟知している前田監督の戦略、そして勝機はどこにあるのか。
さて、気になるのは試合当日(8/26)の空模様だ。台風11号の影響を受け、前日から当日日中は強い雨風に見舞われそう。天候が急速に回復したにしても、良好なピッチでのゲームは期待できそうにない。足元は悪く、思うとおりのプレーはかなわないかも知れない。しかしながら条件は両者イーブン。こんなときは、勝点3に対する執念、集中力が勝敗を分かつポイントになる。様々なプライドと昇格への執念。上回るのは、さて・・・。
以上
2005.08.25 Reported by 堀高介
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第28節 水戸 vs 札幌 プレビュー】デルリスをめぐる因縁の対決。水戸は様々なプライドを、札幌は昇格への執念をこの一戦にぶつける。(05.08.26)