8月24日(水) 2005 J1リーグ戦 第20節
清水 1 - 2 東京V (19:05/日本平/9,693人)
得点者:'41 平本一樹(東京V)、'74 マルキーニョス(清水)、'88 町田忠道(東京V)
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低調な前半から一気に盛り上がった後半の戦い。最後はどちらに転んでもおかしくない展開となった中、勝負強さを見せたのは3カ月以上勝利から遠ざかってた東京Vのほうだった。
前半を低調にした原因は、おもにホームの清水にあった。センターバックの斉藤を出場停止で欠いた清水は、ボランチの高木をDFラインに下げて、18歳の岩下をボランチとして先発させたが、その岩下がうまく試合のリズムに乗れず、パスミスが目立つ。さらに2列目左のチェ・テウクも精彩を欠いて、リズムの悪さが徐々にチーム全体に伝染していった。
東京Vのほうは、いつものようにパスをしっかり回してボールポゼッションで上回るが、DFライン自体は安定している清水の前に、攻めきるところまではいかない。累積警告で出場停止のワシントンの代わりに平本が1トップを務めた攻撃陣は、前線からの守備という面ではむしろこれまでよりも良かったが、大胆なフリーランニングやボールを追い越していく動きが少なく、前節・大宮戦ほどの効果的な崩しはできない。シュートも遠めからが多くなった。
それでも、いつもよりもかなり目立った清水のミスをついた攻撃でチャンスを作り、41分に小林大のFKのこぼれ球を平本が押し込んで、東京Vが先制点を奪った。
「あそこまで前半がひどいとは想像がつかなかった」と語った長谷川監督は、ハーフタイムで岩下→マルキーニョス、チェ→佐藤と一気に2人を代えて、チームに喝を入れる。後半は、これが功を奏して清水が徐々に立ち直りを見せた。移籍後初出場のマルキーニョスも期待以上にキレの良い動きを見せ、同じく交代で入った佐藤由紀彦や、ボランチに下がった澤登が気持ちの入ったプレーでチームを引っ張る。
7分の佐藤のクロス、11分のFKからのチョのヘッド、15分の佐藤のシュートなど、清水が惜しいチャンスを連続して作り、前半とは逆に、清水が攻めて東京Vがカウンターを狙うという展開になった。
そして、負傷と交代で少しプレーが中断した後の29分のリスタート、右からのアーリークロスをチョが頭でつなぎ、マルキーニョスが冷静にゴール右に流し込んで、清水が同点に追いつくことに成功した。
マルキーニョスの救世主的な働きにより、清水の選手たちにさらに勢いが出て、サポーターも一気にヒートアップ。清水が勝ち越し点を狙ってさらに攻勢に出たことで、さらに激しい攻防になったが、その中で押し込まれながらもチャンスをうかがうゆとりが東京Vにはあった。
43分、それまでは単発の攻撃が多かった東京Vだが、この場面では東京Vらしい速いテンポのパスをきれいにつなぎ、最後は山田のスルーパスで町田(36分から交代出場)がゴール右に飛び出し、ダイレクトシュート。町田のシュートはこの1本だけだったが、むずかしい体勢から見事に決めて、東京Vに勝ち越し点をもたらした。
最後は、清水が再び追いつくことはできず、東京Vが公式戦でじつに12試合ぶりの勝利を獲得。バドン監督の下では、ここまで1勝1分。試合後の選手たちの表情も明るく、チームのムードが上向きであることを口にした。
一方、清水のほうはホーム日本平で5月28日のC大阪戦(ナビスコカップ予選)以来勝利がなく(その間1分4敗)、さすがにサポーターも怒りのブーイング。「勝ちきれない」という課題を抱えたまま、徐々に自信を失っていくという悪い循環に入ってしまったように見えるが、ひとつの勝利で立ち直ることも可能なはず。その意味でも、次の大宮戦(8/28・熊谷陸)が非常に大事なゲームになりそうだ。
以上
2005.08.25 Reported by 前島芳雄
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