●7月26日（火）19:30キックオフ／神戸ユ
Bolton Wanderers FC-Japan Tour 2005「震災10年神戸からの発信」
神戸 vs ボルトン・ワンダラーズFC（イングランド）
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ヴィッセル神戸がイングランド・プレミアリーグに所属するボルトン・ワンダラーズと対戦する。かねてからプレシーズンマッチとして予定されていたこの一戦だが、7月19日に神戸のFWカズこと三浦知良選手の横浜FCへの移籍が決定したことを受け、同試合をFWカズ選手の送別試合と設定。当日は、2001年の神戸加入から4年半にわたり、心身両面で神戸の支柱として活躍したFWカズのためのセレモニー等が実施される。リーグ戦においては、レオン監督解任後、ベンチにすら入ることができなかったFWカズだが、この試合には『ヴィッセル神戸・11KAZU』の先発出場をパベル監督が明言しており、神戸ユニバー記念競技場で、魂の感じられる闘う男・カズらしいパフォーマンスが示されることになるだろう。

　さて、対戦相手のボルトン・ワンダラーズだが、その歴史のはじまりは1874年に遡る。本拠地は3万人弱を収容するリーボックスタジアム。「The Trotter（速歩の馬）」の愛称で親しまれ、04-05シーズンには名将、アラーダイス監督のもと、チームスタイルである『堅守速攻』が存分に発揮され、プレミアリーグ6位に。クラブ史上初の欧州連盟（UEFA）カップの出場権を獲得するなど、躍進を遂げた。日本とのつながりで言えば、01年7月から02年1月までの約半年間、現セレッソ大阪に所属するFW西澤明訓が在籍している。
　注目選手はMFオコチャ。ナイジェリア代表としてもその名を知られる「ファンタジスタ」で攻撃の要的存在。相手DFを切り裂くスルーパス、ドリブル突破を武器に攻撃を組み立て、チームを鼓舞するベテランだ。彼に加えMFスピード（元ウェールズ代表）や昨年の欧州選手権で初優勝を果たしたギリシャ代表MFジャンナコブロスら、経験豊富なベテラン勢が個性豊かなパフォーマンスで心身両面の支柱となり、FWディウフらがいる前線へとボールを送り込むことで『速攻』を実現する。
　一方、守備において『堅守』を支えるのは元スペイン代表のDFカンポ。またフィンランド代表のGKヤスケライネンの身体を張ったセービングも見もの。
　
　神戸の注目選手は、「長くお世話になった神戸の人たちに感謝の気持ちを示したい」と話した、先述のFWカズはもちろん、公式戦初お目見えとなるであろうMFディエゴ・ソウザ。6月中旬からチームに合流し、トレーニングを続けているが、国際移籍登録が可能となる期間（移籍ウインドー）が8月12日以降とされているため未だJリーグ出場は果たせていない。今回は、Jリーグの特例として出場が可能になった。ボールを持った時のスピードに富み、中盤での攻撃の組み立てを得意とする彼が、現在J1リーグでは最下位に低迷する神戸の救世主的存在となるのか。お手並み拝見といきたいところ。
　
　なお、ボルトン・ワンダラーズは24日夕方に日本に到着。翌25日のトレーニング、サッカークリニックを行ったのち、26日にキックオフを迎えることになる。ハードスケジュールゆえ疲れがあるのは否めないが、それでも高いプロ意識に従い、個々が持ちうる能力を余すことなく発揮して様々な角度から楽しませてくれるはず。
　　もちろん、神戸も、神戸の功労者であり、今後も『KING』らしいカリスマ性をもってサッカー界を牽引してくれるに違いないFWカズを気持ちよく送り出すためにも、負けられない一戦となる。


以上

2005.07.25 Reported by 高村美砂