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【HOT6!J1は7月の6試合が激アツ!】再開後はこう戦う!鹿島編(05.06.27)

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◆12節までを振り返って

団子状態の2位以下を尻目に、首位をひた走る鹿島。12節までを9勝2分1敗という好成績で終え、2位の広島との得失点差を9まで広げた。勝負強さを見せ付けるとともに、常勝軍団復活を大きく印象づけた形だ。
昨年はFWの得点力不足に泣かされた鹿島だが、今シーズンはアレックス ミネイロ、野沢、鈴木選手など、FWがしっかりと結果を出していることが大きい。また、チーム総得点・総失点ともにリーグ2位をキープし、攻守のバランスが取れていることは数字にも表れている。
「去年は攻撃の手詰まり感があったけれど、今年はそれがない。チームとしての動き方や繋ぎ方が確立されつつある」(岩政選手)。個人技に頼るのではなく、チームとして戦うことが出来ていることが、好調の大きな要因といえる。
それに加えて、積極的に若手を起用するトニーニョ・セレーゾ監督の采配は、選手間の競争心をあおり、チームを活性化させている。故障により離脱した鈴木選手の穴を埋める代わり出場した野沢選手が、2試合連続で得点をあげるなど、若手の活躍は目を見張るものがある。しかし、小笠原・本山・大岩・フェルナンド選手など、不動のポジションが存在するのは確か。そのポジションを脅かす選手は、いまのところ出てきていない。日本代表や万が一のケガなどでキーマンが抜けた穴をどう埋めるかが今後の課題といえる。
今年は4月の6連戦を全勝で乗り切るなど、チームには勢いがある。6連勝は実に2000年の2ndステージ以来の快挙だ。そしてその2000年にはリーグ戦・ナビスコカップ・天皇杯の3冠という偉業も達成している。
2002年のナビスコカップ優勝で10冠まであと1つと迫りながらも、その最後の1つがとても遠く感じた最近の鹿島。今年は10冠に向けていいスタートを切ることが出来た。この中断期間がチームにとって功を奏すのか。再開後の鹿島から目が離せない。


◆再開後の展望・見どころ

5・6月は鹿島にとって、試練の月であった。日本代表招集で小笠原、本山、鈴木の主力3選手が抜けたことに加え、FWに故障者が続出し、それがチーム全体にまで飛び火した。練習場を見渡すと、選手よりスタッフのほうが多いのでは? という時期さえあった。
そんな状況で戦ったナビスコカップ予選リーグ。結果をDグループ最下位で終えるという不甲斐ない成績に、「(選手の)経験の違いが大きく出た。若手は即戦力としては難しく、チームの戦い方ができなかった」とトニーニョ・セレーゾ監督が嘆くほど、若手主体のチームは精彩を欠いていた。
若手の経験不足に加え、厳しい台所事情から慣れないポジションでプレーした選手もあり、安定した戦いが出来なかった鹿島にとって、リーグ再開への大きなポイントは「舵取りの出来る選手の復帰」である。
日本代表3選手、特に小笠原・本山選手がチームに戻ってくることが大きい。「どのタイミングでどこを突くのか」など、チームの舵取りをする選手がいることで、ナビスコカップで見られた消極的な横パスは減るだろう。前線でタメが作れることで、ボランチやサイドの攻撃参加も増え、再びアグレッシブな攻撃が見られそうだ。
また前から積極的にプレスにいく彼らの存在はディフェンス面でも安定をもたらす。前述したように中断前をリーグ2位の失点数の少なさで乗り切った背景には、チーム全体でボールを奪いにいく意識が高かったこともある。それを引っ張っていたのは他ならぬ中盤の2人だろう。DF陣の負担が減ることで、再び堅守の鹿島が戻ってくる。
けが人も続々と復帰し、各ピースはそろいつつある。チームの核が合流したことで、再び鹿島の快進撃が見られそうだ。きっとトニーニョ・セレーゾ監督の言う「経験の違い」を見せてくれるに違いない。


◆HOT6の注目選手

今の鹿島に必要不可欠な存在、それは小笠原満男選手だ。彼が日本代表に選ばれて鹿島を離れていた間、チームは低迷。攻撃の組み立てがうまくいかなかったことが大きい。「ボールを回すことはできても、そこから裏を突くとか前に出していけるプレーが少なかった」と岩政選手がいうように、局面を打開するパスに欠き、相手を切り崩すことが出来なかった。また反対に「ボールを落ち着かせるべき時に、勢いに任せていってしまう」(深井選手)など、状況判断を欠く場面も見られた。「ゲームメイカーの不在」は鹿島が調子を崩した大きな要因だ。
小笠原選手がボールを持った時に、周りの動き出しがいいのは、彼の1本のパスで決定的なチャンスを作り出すことが出来るという信頼があるからこそ。それに応えようと周りの動きが良くなってくるのだ。
また、得点力でもチームを引っ張る。今年はアレックス ミネイロ選手がボールをキープできる分、その背後に出来たスペースを本山選手とともに突く場面も多い。また引いてくる相手には、ミドルシュートでゴールをこじ開ける。現在5得点をあげ、チーム内の得点王。2004年は7得点という結果だけに、今季はハイペースでゴールを量産していると言える。周囲を生かすプレーが出来、自らも主役として得点を挙げることも出来る。彼にボールを持たせた時に何をしてくるかという意外性が、相手にとっては脅威となる。
この1ヶ月半、日本代表として厳しい試合を戦ってきた小笠原選手。これまでサブメンバーが多かった日本代表戦でも、スタメンとして出場する機会を得た。常に冷静に一歩先を見つめ、周りを生かす彼のプレーは代表でも健在だった。疲れは残るかもしれないが、多くの経験を積んで彼が戻ってくることで、チームは再び息を吹き返すに違いない。


◆再開後のフォーメーション予想



以上

Reported by 柴田愛子



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