5月28日（土）J2 第14節 札幌 vs 草津（13:00KICK OFF/札幌厚別）
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　長くリーグ戦をやっていれば、ケガ人や出場停止というハードルは随時目の前に現れるもの。数えて第14節になる今回、札幌はDF陣で西澤が警告累積で出場停止、加賀も先週に起こした肉離れで別メニュー調整中。さらにチームのヘソ・1ボランチとして踏ん張っていた田畑が足首をねんざと、いろいろやりくりに迫られている。
　そうした中で試合2日前に行なわれた道都大との練習試合から鑑みると、3バックは曽田を中央に左・西嶋、そして右には池内が第6節以来の出場として入る模様。そして、練習試合では1ボランチには前半に鈴木、後半に田畑が入った。いつもよりテーピングを分厚く巻いているという田畑は「前日よりも痛みは小さくなっている」と出場への手応えを語り、出れば今季初出場となる鈴木も「自分は攻撃の起点となるのがプレースタイル。そこでアピールしなきゃ」と意気込み十分。試合当日、フタをあけてみたら、どちらがスタメンに名を連ねるか。
　
　前節の湘南戦ではチャンスの数は少なかったものの、前半のうちに先制したのが効いて、3対0で勝利。草津戦でも、札幌が欲しいのは先制点だろう。柳下監督は「先にウチが点を取ると、相手は点を取ろうと前がかりに来る。そのバランスが崩れたのを突いて2点、3点と取りたい」というのを理想としている。
　もし、前半を終えて0対0や相手にリードを許した状態だと、焦りが生じかねない。約2年ぶりにやっと2連勝を果たしたばかりのチームとしては、試合の流れはどうであれ、湘南戦や開始2分で先制点を得た前々節の水戸戦のように、スコアのリードだけは早く握って、相手に揺さぶりを与えて、自分たちは余裕を得ておきたいところだ。
　
　この試合、GK対決として見るのも一興だ。草津は小島がスタメンに入って4試合経過。フォーメーションを前々節より4バックから3バックに変えたのと合わせて、老かいな守護神が加わり、守備意識が高まってきている。
　前節は首位・京都に0対3で負けたとはいえ、2、3失点目はいずれも後半44分。試合終了間際に点を取りに行った裏目を突かれた格好だ。守備においては長く耐えられるようになり、事実上1失点と見てもいいだろう。DF籾谷も「スライドやマークの部分では、チームとしてよくまとまってできた。今のシステムも、やりやすい」と好感触を口にしている。今節でも、アグレッシブに来るはずの札幌に対し堅い守りを長く続ければ、中盤の底・鳥居塚の好パスから2列目・樹森の突破で見せ場を作れるチャンスは広がる。
　一方の札幌もGKが高原から林に変わって2試合経過。林はいずれの試合でもふわふわしている局面が見受けられるが、何はともあれ連続無失点に切り抜けている。
　彼の強烈な存在感は練習時から全開だ。腰痛のリハビリから明けてチーム練習に加わり始めた3月下旬、シュート練習で「キーパー！」と大声を発しながら林がセービングに出ていくと、シュートを打とうとした清野はその気合いに押され、バランスを崩して打ち切れなかった。圧倒的なオーラをもって「1点取って終わりではなく、2点目、3点目とつなげるために」（林）とチームを攻撃的にもっていくために、後方から鼓舞していく。
　
　草津は第2クール初勝利をアウエーで成し遂げられるか。はたまた札幌が連勝を3に伸ばし、その後の仙台、徳島戦に向け弾みをつけられるか。札幌・厚別公園競技場の風はどちらに有利に吹くだろうか。


以上

2005.05.26 Reported by 永井謙一郎