5月8日（日）J1 第11節 浦和 vs 千葉（14:00KICK OFF/埼玉）
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　5月に入って2連勝とようやく2004年Ｊ1第2ステージ覇者の貫禄を見せ始めた浦和。今シーズン初の3連勝を狙う連休最終日の8日は、本拠地・埼玉スタジアムに千葉を迎える。
　
　浦和と千葉といえば、かつてＪ2降格を巡ってギリギリの戦いを演じた間柄。あれから5〜6年が経過した今、どちらも優勝を狙える実力チームに飛躍してきた。浦和の超攻撃的サッカーも、千葉の運動量豊富なトータルサッカーも見る者を大いに魅了する。けれども今季は両軍とも苦しい戦いを強いられ、現時点の勝ち点はともに13で止まっている。浦和は開幕ダッシュに失敗し、一時は17位まで順位を落とした。優勝候補筆頭といわれながら、第6節のF東京戦まで白星がなかったことが信じ難い。しかし5月に入ってからエメルソン、田中達也らFW人がついにブレイク。毎回メンバーが変わって安定感に欠けていた守備陣も、ここへきて2試合連続無失点で乗り切るなど、手堅さを取り戻しつつある。順位も8位まで上がり、やっと本来の勢いと爆発力が出てきた印象だ。

　得失点差で浦和より1下回り、目下9位に位置する千葉も、開幕から3試合連続ドローという不本意なシーズンの始まりだった。第4節の大分戦、第5節の磐田戦で連勝したところまではよかったが、その後は黒星が先行。足踏み状態が続いているといわざるを得ない。
　
　こうしたチームコンディションを比較すると、やや浦和に分がある。しかも彼らはオシム体制になってからの千葉に一度も負けていないのだ。明日も持ち前の攻撃力を全力で発揮しようとするはずだ。4日の神戸戦の後、ブッフバルト監督の義父がなくなり、急きょドイツへ帰国した。今日7日には再来日し、明日の千葉戦では采配を振るう予定だが、大事な準備期間に指揮官不在という状況になってしまった。けれども浦和にはかつて横浜フリューゲルスや京都で指揮を執ったエンゲルスコーチがいる。彼の分析力や統率力には定評があり、選手たちも全く動揺していない。坪井慶介などは、むしろ「監督がいなかったから負けたと言われたくない」と闘争心をむき出しにしている。そんな高いモチベーションが明日のゲームに影響する可能性は高い。

　浦和の予想スタメンは、GK都築龍太、DF（右から）坪井慶介、田中マルクス闘莉王、内舘秀樹、右サイド・山田暢久、左サイド・三都主アレサンドロ、ボランチ・鈴木啓太、長谷部誠、トップ下・永井雄一郎、FWエメルソン、田中達也の3-4-1-2。連勝の始まった5月1日の名古屋戦からの同じメンバーを起用し続けるだろう。エンゲルスコーチは1週間前「今年は負傷者が多くて、なかなか同じメンバーで戦えなかった。試合ごとに選手がコロコロ変わると連携を高めるのが難しい。それで勝ちきれない試合が続いた」と話していた。が、5月に入ってからメンバーが固定されたことで、浦和は確実に結果を出し始めた。明日の千葉戦もエメルソン、田中達也ら取るべき人が点を取れば、3連勝は十分にありえる。

　千葉の予想スタメンは、GK櫛野亮、DF（右から）斎藤大輔、ストヤノフ、結城耕造、右サイド・水野晃樹、左サイド・坂本将貴、ボランチ・佐藤勇人、阿部勇樹、トップ下・羽生直剛、FW巻誠一郎、ハースの3-4-1-2。前節の広島戦で負傷退場した結城の状態が気がかりだが、彼がピッチに立てない場合には水本裕貴が先発すると見られる。11日にU-20日本代表対U-20カメルーン代表戦が控えており、6月の本大会を目指す水野と水本にとっては大事なゲーム。浦和というＪリーグ屈指の強豪相手に存在感を示し、今後に弾みをつけたいところ。

　千葉が一矢報いるための絶対条件は、前半を無失点で乗り切ること。浦和は攻めまくってゴールが入らないと、自らミスをして自滅する傾向がある。そのためにもまずは粘り強いプレッシングと体を張った守りを見せたい。浦和の攻撃力が勝るか、千葉の運動量が勝るか…。上位獲りを狙う両者は明日14時に激突する。


以上

2005.05.06 Reported by 元川悦子